第40話 城内乱闘
「いや誰、ゼルブラッド誰?
下ろせよッギャー!!」
「お嬢さん、暴れナイナイ」
潜伏期間、約四日
私達が逃げ回る身となってから、この身
影を根城に、隠れ回って来ましたー
ちなみに影とは
我が国きっての、隠密派武装集団である
ちなみに僕そこのトップ
だから国王以上に、この組織動かせる訳ですよ
まぁ国王(中身アーク)
の協力があってこその、成就
以上!
ここに至るまでの過程の説明でした
「ッサーッア!
そんなことよりゲルっだちゃん」
「ほいな」
「僕ちん相手すんのは、アレ
残りもんの天使さん、二人でよろし?」
「しかねーでしょ
アンタ……こうも出番が遅くっちゃ
在庫処理しか、残ってないでしょい」
決定!
僕ちんは、あのお二人さんを
ぶっ飛ばす
…………のはいいんだけど
さっきから脇に抱えてる娘、うるさい
そして臭い……なにこれ餃子臭?
「ッてそれは、私昨日の夕飯が餃子なだけでした
タイツに臭い、染み付いちゃってたか〜
いや〜メンゴメンゴ」
「は、なに?
急に謝られても、私
反応に困るのですが」
そういえば、自己紹介もまだだったにゃー
そりゃそんな得体の知れない奴に、いきなり話しかけられても
ではここで一つ、名乗りましょう
「おっと、申し遅れました
私、ダンプットダン・ゼルブラッドと申します
以後、お見知りおきを」
「いや聞いた、それさっき聞いた
だからなに!?」
名は全てを冠するのだよ
フルネームを教えるということは
魂の全てを、さらけ出すことと同義
だから私は、名乗ったのだよ!
「ハイパース」
「ふぁ!?」
「ほいさ」
ハァリナ、カターナを投げ捨てたゼルブラッド
そう、この男はたった一人で
天使長たる2名を、相手取る腹積もりなのだ
「標的、四人、やらせろ」
「待ちなさい、ガマ・ルマ
せっかく一人で私達のこと、相手してくれるんだから
一人ずつ確実に、潰した方が良くなくて?」
気絶一名、寝返り一名、死亡四名
八人中六人が使い物にならなくなった、八大天使長
それでも未だ、忠誠心の覚めぬ
本物の天使が、二人
弓の使い手 ガマ・ルマ
毒の使い手 サルマリン
最大の驚異が、今
ゼルブラッドの、目の前に
「はぁ?なにあいつ
私達を放って、まさか
一人で二人共相手しようって訳!?」
「うーん、そうみたい
でも安心しといて、アレ強いから
それよりお嬢さん、コスプレとか好きじゃない?
というかすべきよ完璧!
ゴスロリよ、ゴスでシックなゴスロリよ
貴方はもう、それを着るためだけに生まれてきたのよ!」
「がぁ!うっとおしい
さーわーるーな、髪の毛さーわーるーな!」
「そんなことより、この対面はマズい
何故ならアイツは、八大天使長最強の……」
ここでガマ・ルマ、動く
<ヴィシュン!>
矢だ
ガマ・ルマの手についたボウガンから、発射された
圧倒的高速の、矢!
<パシィ>
「あぶね」
ゼルブラッドの心蔵を狙った一撃
しかしその矢は、ゼルブラッドを貫通することなく
寸前で、その動きを止められた
「…………先端からポタポタと
コイツぁ、ヤバかったな
こら完璧、猛毒だな」
先端につけられた、この毒
匂いじゃ察せらんなが、無臭ではないな
強めの神経毒だ
そして、なにより厄介なのは
まるで矢の軌道が、読めなかったとこ
気のせいじゃなけりゃ、この矢
撃ったのは後ろの気色わりー奴で、その前
眼前にいる、もう一人の嬢ちゃんを貫いて
俺のとこへ飛んできた
多分、あの嬢ちゃんの体ぁ……
「ものは試しよ!
見様見真似、二本指で矢返すやーつ」
<シュッ>
狙いはダイレクト、嬢ちゃん
あの子の心臓部に矢を放つ
嫌が応にも心臓貫かれちゃあ、死
くしく外れても、この毒だ
まぁ、カスりゃ死にますわな
最も、毒が効けばの話だがね
<ダミュ>
当たった?
微塵も避けようとしなかったぞ、なるほどう
やはりこの毒は、彼女から分泌されたもの
そしておそらく、あのタイプは
<ドロッ>
身体全体が、毒に変わる
物理無効のとんでもタイプ
矢を無効化するどころか、諸共
ドロドロの毒に早変わり
物理攻撃効かないし、触れたら猛毒直撃の……
パーフェクトガードって、所長!?
「驚いてるよう、ってそりゃ驚くか
そう、私のこの体は全身毒
触れれば勿論、その瘴気を吸っただけでも効果はある
さあ!毒によって体中を溶かされる痛み
未だかつて、味わったことがあるかしら!」
「はーいバズーカ、ドーン」
<<ズドーン>>
その大半を消しとばした!
部屋一面を覆うかと思われた、その毒を
ゼルブラッドは、バズーカ一発で消しとばした
「火力よ火力、どんな能力持とうとね
その能力毎消し飛ばしゃ、意味が無いよねぇ」
ゼルブラッド、この男
マスク越しにでも分かる!
今この男は限りなく
最大限に笑っているのだろう!
そう、それこそが
ダンプットダン・ゼルブラッド!
「こなクソガァアァァァァァ!!!」
「あ、生きてた!?」
命の灯火は、消えない
喩えバズーカに焼かれようとも
そこに、立ち続ける
「効くじゃないのよぉぉぉぉ、ねぇ
でも人の話き聞かないんじゃぁぁぁぁ
当然、そうなるわよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「そうなる?一体何がそうなってるんだ
テメェに何か策があろうとその体
良く燃えるんじゃない?」
嬢ちゃんの使った毒は、おそらく可燃性
だってさっき放ったバズーカの火が
消えずにどんどん、登ってるんですものねぇ!
「アギィィィィィ、ギャッァァァァァァァ!!!!
ガマ、ルマ……早く、消してェェェェ!!!」
残念ながら、嬢ちゃん
アンタの相方は既に
さっきのバズーカで吹き飛んでんのよ
「だぁぁぁケェェェドォォォォ!!!
一人じゃ、死なない!
テメェも道連れじゃあ、ゼルブラッド!!」
「道連れ?僕ちゃんも?
HAHAHA!何を言っ……」
瞬間、固まるゼルブラッド
体が燃え、苦しんでいる彼女を見て
指を差して笑ってやろうかと、自分の右腕を上げた時
その腕に、ビッシリと
彼女の固体状の毒が、付着していた
「ヒンギュアアアアアアアア!!!!!
腕ガァァァァァ!!!!!!!!!!」
「その、まま!
毒は全身に回り続ける……
徐々に、徐々に!
目一杯苦しんでから、くたばんな!!」
「あーもう、イラネ」
<スポッ>
彼女の言う通り、毒は
腕を伝って徐々に、体へと近づいて来ていた
迫りくる、確実な死
だがゼルブラッドは、何一つ臆すこと無く
その右腕を自ら引きちぎった
「……っへ、腕ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
「冥途の土産だほれ、持ってげ」
冥途の土産と称し、自らちぎった右腕を
炎の中へと放る
最後の……火種として
<ピン>
PS、手榴弾つけてみました
<<ドグオオオン!!!>>
爆殺!
「よーし終了
引き上げましょか、ゲルダちゃん」
「ちょっと待って、へぇ!?
なんで腕平然ともいでんのぉぉぉぉぉ!!!」
絶叫のハァリナ、それもそうだろう
なんせ目の前で、到底信じがたい事象が起こったのだ
だがそんなことを平然と、やってぬける男こそ
ダンプットダン・ゼルブラッド!!!
「あー大丈夫よ、だって僕」
<ニュキン>
「不死身だから、生えてくんの」
トカゲみたいに
「……はい?」
「そう、そんな男こそ!」
ダンプットダン・ゼルブラッド!!!
次回へ続く!
次回 望まれぬ再会




