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第37話 最悪の三人 その4

「って、なにやってんだ柳犁

おもくそキャッチ失敗してんじゃねぇか、それ」


「うるせぇ、きちんと()()()()してんだろ

ただ掴むところ、柄と刃間違えただけで……

決して失敗じゃねぇ」


 ちくしょう……いったぁ、手のひら切った

まぁ、唾でもつけときゃすぐ治ると思うが

これじゃあ刀、握れねぇなしばらく

()()だっただけマシとして、連中は

魔神共はまだ、生き残ってんだろうなぁ


 

 自らの包囲網が崩されたこと、それ以上に

あのウル・キースの叫びには、なにかがある

そう確信する柳犁

 そして柳犁は、ヴァルザードの強靭な一撃を受けた

その場所から立ち上がる、砂煙の中を

()()の警戒心を持って、目を逸そうとしない


「…………まだ動きはしねぇや

どうする柳犁、念を推して

もう一発打ち込んどいてやろうか?」


「それで仕留めきれねぇんなら、辞めとけ

恐らくだろうが、オメェと同種って連中だ

()()()の攻撃じゃあ、効力が小さいのかもしれない」


 ヴァルザードの根源も、今戦ってる相手も

等しく魔神、魔の神共だ 

 どこから湧いて出たのか、人間と何が違うのか

そもそもどうやって()()すんのか?

 徹底的に()()()って思うんなら、そこんところ

きっちりと、理解しねぇといけないのかもしれない

 はっきりとした攻略法なんてな、今の俺には分からない

だからさっきの攻撃で、止めが刺せただなんて

そんな確信、俺にはねぇ

 だが今のところ、これだけは分かるって物がある

そいつは、万物共通

生き物ってな、頸切れば死ぬ


 ただ……それだけだ


「……来るぞ」


「ああ」


 聞こえたぜ、確かな鼓動

俺達の懐へ飛付こうっていう、心臓の鼓動がな!


「きゃっほう!」


 ピンピンしてやがるぜぇ!

この猿、あの攻撃を受けながら

()()で、俺の所に飛びかかって来やがった!


<ガキィ!>


 ック!重ぇ……

こいつの掌底、剣で防いだはいいものの

前より格段に、()()()()()()()()()

 コイツぁ、マトモにやり合えば

思っていた以上に、キツイやも知れん!


「柳犁、キツそうか?」


「るっせぇ、手は出すなよ

コイツは俺の獲物だ、んなことより

()()()()()()()、頼んでいいか」


「なんだ、やっぱりキツイんじゃねぇか

2匹同時に相手すんのは、なぁ!」


<ドゴォ!>


 我ながら意地が悪いと思ったよ

だが、そんなこたぁなかったな

 ()()()()()()()、お前

ヴァルザードの直ぐ後ろにさぁ

 でも俺は、教えなかった

だってヴァルザードは、俺が教える前に

もう、()()()()()()()()()()


「あっ、ぎ」


「相性がイマイチだってか

そんなことねぇな!

一発で、腹ぁ打ち破れらぁ!」


 貫き出でる風穴!

そう、魔神対魔神のこの構図

この対面にて、両者には

絶対不変の状態が課せられる

 それは、魔力の無効化

魔神全体を覆う、防御の魔力を散開させる効力

これがある限り、魔神同士の決闘においては

()()()()()()()()()()()()()()()!!


 だから、貫いた

ヴァルザードはその腕で、もう一匹の

メーヴィルの腹を、貫通させたのだ!


「ぐぼぁ……

何という反応、速度……

よもやあの一瞬を、捉えるとは」


 この羊、完璧瀕死だろうって傷負ったにも関わらず

平然と喋りかけてきやがったな

 以外、でもねぇか

そうさ、このあいだの野郎もそうだった


 牛の魔神って野郎は、首切られてもしばらく

ずっと喋りくさりやがった

 でもしっかりと、その後逝ったんだよな……


 するとコイツも、死に際の戯言か

単に、まだ止めを刺しきれてねぇかのどちらか

 コイツ等生命力、ハンパ無さそうだもんな〜

っま断然、まだ生きててくれた方が

やる気も出るってもんだからなぁ


「これじゃ終わらねぇ

ほら!ダメ押しに、もう一撃ィ!」


 そう言うとヴァルザードは、魔神を貫いた左腕を

魔神が引っ付いたまま、地面へと押し付ける

 だが宣言通り、それでは終わらない!


龕裂屡魔(ガンサルマ)


<バグシュッ!>


 魔神を貫いた左腕からの、魔力放出

それは直接、その絶大な威力を

魔神の内部に、打ち込んでみせた

 水風船の如く、体の中に魔力を注ぎ込まれた魔神は

体の限界まで膨らみ、そして最後に

その傷口から、()()()()


<パァンッ!>


 肉の飛び散る周囲の光景に、柳犁は

なにその殺し方グッロ、と思った


「これで逝ったか?

まぁ、ピクリとも動かねぇんだ

死んでて当然か」


 未だ原型は留めるものの

大きく腹部に、風穴の空いてしまったその身体は

最早、二度と使い物にはならず!


「うーわ、えげつないことするなヴァル

あれじゃ肉も食えないよ」


「あれ、食べるつもりだった?

もしかして僕達殺した後

食べるつもりだったの、柳犁!?」


「当然だ

人が命を頂戴する時は、その命に

()()()()かけられるときだけだ

命に感謝して戴き、自らの血肉として

己に、感謝をし続けることのできる人間だけが

明日を生きる資格があるんだよ!」


<ガキィ!>


 押し返した!

ここで遂に、柳犁はウル・キースの攻撃を跳ねた

 腕力において、この二人はほぼ互角!

この弾き返しで出来た、両者とも一瞬の隙を制し

戦いに勝利する為の、不可欠とは

その、能力


「羅刹」

千掌架屡魔(せんしょうかるま)ァァァァ」


<<ドシャグッ!!>>


 超速一閃の羅刹、VS

連撃の連撃、千掌架屡魔

 一撃に全てをかけた柳犁と、手数のウル・キース

すれ違い様に放たれた、その攻撃は

深く……勝敗を分かつこととなる


「止まっ……た」


 ヴァルザードの眼前で行われた、その刹那

二人の技が、一撃

たったの一撃を放っただけで、ピタリと

二人の動きが止まったのだ

 次の攻撃にも移ろうともしない

互いの、明らかな隙

そこにつけ込まぬということは、つまり

先ほどの一撃で、()()()()()()()()()()()()



「……残念だなぁ、柳犁

こんな幕切れだ、なんて」


「まったくだ」


<ザシュゥ>


 瞬間、全身から血を吹き出す柳犁

即ち、攻撃を受けたのは

柳犁


「柳犁ぃ!」


 負けた、だと……柳犁が!

ありえねぇ、あんなやつに

野郎が負けるタマかよ!


「おい柳犁!倒れんじゃねぇぞ!!」


「やかましい

俺は、負けてねぇ」


 !?

そういや、あの血飛沫は

そう、量がねぇ

 つまりあの傷は、おそらく

対して深い傷じゃねぇ

 

 じゃあ、負けてんのは……


「千日一歩の、歩む道

乱海歩(らんかいほ)”」


<<ブブシュアア!!!>>


 血飛沫吹くか、水飛沫

柳犁の足跡には、五本の柱が立っている

その一つ一つが、斬撃の集まり

そして、その一本が

ウル・キースの喉元を切り裂いた


<ポトン>


 地面へと落ちる、ウル・キースの首

これにて、この勝敗は

 

 柳犁達の勝利と決まった


次回へ続く


次回 皇

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