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2、人事を尽くして天命を待つ



 私は二年半前、突然、本当に唐突に動けなくなりました。

 ある日突然、何の前触れもなく発症したんです。


 それまでは、ちょっと疲れやすいなぁ、とかちょっとのことで熱が出やすいとか、今考えたら思い当たることはあるのですが、当時はまさかこんな難病だったなんて思いもしませんでしたし。


 

 こんな症状は、多分ほとんどの人に当てはまると思うんです。


 なのに、ある日突然今日が昨日の続きじゃなくなる。


 これがこんなに怖い事とは。


 今日と明日が繋がっていないことがあるなんて、十二分に知っていいる救急外来の看護師だったのに。


 世の中、「自分には関係ない」と思っていることが結構平気で突然に襲ってきます。

 

 ホントに、何の前触れもなく、簡単に。




 だけど、もし万が一そんなことに出会っても諦めることだけはしないでください。



 私は、「一年生存率40%」と言われた時にも、諦めはしなかったと思います。

 もし本当にダメだとしても、最後の瞬間まで「悔いなく生きる」ためにあがいていたと思うんです。

 生きるためにあがくのではなく、後悔しないために。


 入院中、主治医に遠慮なく自分の治療方針に口を出す私に、同室の似たような患者さん方が「知識がるといいわね―」とよく言われました。

 確かに知識があれば治療の方針も段階も分かるので便利は便利なのでしょうけど、同時に「このままいくと自分がどうなるか」も分かっちゃうんですよね。

 これじゃだめだ、このままでは戻れない、って。

 これもこれで辛い時もあるんですけどね―(苦笑)


 そんな訳で病院での治療の限界を悟って、湯治という賭けに出た訳なのですが。

 これが成功したのは、本当に幸運というか、巡りあわせというか。


 信じてもいない神様に感謝したのは久しぶりだと思いました(笑)



 えーと。


 何が言いたいかというとですね。

 



 諦めないでください。


 医者に何を言われても。



 どこかでも書きましたが、医者は神様じゃないです。

 ここじゃ無理だと思ったらセカンドオピニオンを。


 それでも無理だと思ったら、思いつく限りのことを試してみてください。

 (新興宗教を除く/笑)



 あがいてください。

 後悔しないために。



 基本的には『かかりつけの医院』→『専門医のいる病院』→『大学病院クラス』→『東洋医学』(漢方とか鍼灸医とか)→『民間医療』(湯治とか)→『神頼み』でしょうか?

 ただ、サプリメントは主治医に確認することをお勧めします。

 使用している薬と相性が悪いものもあったりしますし。


 神頼みについてはとりあえず先祖のお墓の掃除くらいから始める程度でいいんじゃないかなぁと思ったりします。

 あとは神社のお祓い(お払いというのは通称で祈願祭と宇佐神宮では言っていました)くらいかなぁ?

 これが効いた確証はないのですが、このとき買ったお守りの水晶のブレスレットは肌身離さずつけています。

 そのおかげでなのか、霊障系は大丈夫と思えたのでそれなりの安心材料にはなるかと(笑)




 それと、目標地点を決めたことがよかったとも思います。


 私の帰りたい場所は救急外来でした。

 ここに帰るためにあがいてきました。



 以前の主治医が障害年金の手続きもしてくれたので、私には急性期病院を退職して午前中だけパートで働きに行くという選択肢もあったのです。

 でも私はそれを選びませんでした。

 もしかして今後、そちらの方向に行かなければいけなくなるかもしれませんが、とにかく今は帰りたい場所に帰るために努力することを認めてもらえました。


 「目標」っていうと意味が軽くなってしまうような気がするのですが、自分の心が求める場所。

 心の底からそこにありたいと思う場所。

 それが在ると無いとでは、気合が違います(笑)


  

 今の場所をあきらめてしまったほうが、体力的には楽なのは百も承知なのですが、それじゃ「私」は死んでしまうと思ったんです。



 ただ、やっぱり二年半ものブランクができてしまって、これで救急の最前線に戻ることは不安もあります。

 しかも、夜になると微熱が出る。副作用からくる倦怠感、病気の症状の関節・筋痛。

 これでやっていけるのかな?と怖くなることもあります。


 でも、それ以上に戻れないことのほうがつらいと思いました。

 

 それらの諸症状は、仕方ないと思ってロキソニン等に代表される解熱鎮痛剤に頑張ってもらって、やっていこうと思います。




 私の好きな漫画で「7SEEDS」(セブンシーズ)@田村由美/小学館 というものがあります。

 その中のセリフの一つに


「ぐるぐる落ち込んでいる間は前に進まなくていい、自分中心でいるときは幸せなんだ。ほんとにしんどいのは自分のケツ叩いて歩き出さなきゃいけない時だ」


 ってものがあるのです。


 私はまさに今、その時だな、と。



 なので、私は目指した場所に帰るために、怖気ずく私のケツを叩いて歩き出すことにしました。


 ……多分、帰りたい場所がなかったら、このまま障害年金に甘えてズルズルと時間を無駄にしていたかもしれません。






 もう一度言います。

 

 諦めないでください。



 

 それが例えば病気とかじゃなくても、

 例えば人間関係とかでも。


 諦めないで、戦ってください。


 逃げたっていい。戦術はいろいろあると思います。

 (私もステロイドから逃げ出すのに大学の医師とかなり戦いました/苦笑)


 少しづつでもいい、前に進んでください。

 後戻りしてもいいんだと思います。

 迷子になっても、目的地だけは忘れないでください。


 今の自分に何ができるか、何ができないか見極めてください。

 その中で何がbetterか、考えてください。bestじゃなくてもいいんです。



 


 諦めないでください。



 でも、この国の人には言うだけ野暮かもしれませんね。


 どんな災害にも負けない、適応しようと努力していく人たちの国ですから。 

 













 最後に、今年ノーベル医学賞を取られた本庄特別教授について触れたいと思います。

 教授の研究は「免疫を活性化させるスイッチを入れることによって、自分の免疫ががん細胞を攻撃できるようになる薬」を作ったという趣旨のものです。


 免疫の活性化のスイッチがあるなら、抑制のスイッチがあるんじゃないのか?と思った人いませんか?

 あるそうです。

 同教授がその研究を神戸大学でなさっているとか。

 免疫抑制剤にはお世話になっている身、そちらの研究も早期に臨床まで下りてくることを祈っております。


 免疫系の研究は、今盛んにおこなわれており、私がお世話になっている|JAK(Janus Kinase:ヤヌスキナーゼ)阻害剤ゼルヤンツは現在二剤が臨床に降りてきているのですが、七剤が治験を回っているそうです。

 七剤全部が下りてくることはないとは思うのですが、希望的観測をしてしまうのに十分な数字だと思います。



 医学の進歩は目覚ましいです。









 今月末に迫った、念願の職場復帰をめどにいったんこのエッセイは終了させていただきますが、また何かあったら書こうとおもいます。

 ここまで読んでくださった方々、ヘタレな私を心配してくださった方々、本当にありがとうございました。

 私はこの「小説家になろう」での出会いがなければ精神的にダメだったかもしれません。

 そのくらいにはきつい日々でした。

 でもネット越しに届く温かい言葉に励まされてここまで来ました。

 

 本当に、本当に本当にありがとうございました。



 心からの感謝を込めて。 





 朝樹


 

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