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シックス season1  作者: やました
2/3

第2話 夜道

波乱の始業式から二週間がたった。今までにないブーイングを浴びた高橋はあまりそれを気にしている素振りもなく、生徒達との溝が日に日に大きくなっていった。


ガラガラ!

「はい!先生のお出ましですけどー!!!」


もちろん誰も笑わない。それまでざわついていた教室を一瞬で黙らせる事ができるのが学級崩壊にならない唯一の救いか。


「なんすか」


そう呟き教室へ入る高橋。


ガラガラ、ぴしゃん!

教卓の前に立つ高橋、両手をつき、ボサボサ頭の薄い色メガネで、舐めるように教室を見渡す。

じっとりした動きで、一人一人の頬の血管を観察するが如くだった。長い、朝のこれがいやに長い。下を向く者、窓の外を見る者、気の弱い女子に至ってはベソをかいている。


「日直、あいさついこか?」

ひとしきり見渡すと、いつもの合図。こうして高橋の1日が始まるのだった。


「はい、じゃあー1時間目は国語だな。よし、一番前のお前」


1人の生徒を指差す。さされた生徒は嫌そうな雰囲気を隠すことなく睨みつける。


「昨日の続きだ、まずは読め」


教科書を、読み出す生徒。


「おいおいボーイ!!黙読なわけねーだろタコ!!」


ちっ


静かに響く舌打ち。どんどん空気が悪くなっていく。思えばクラス替え最初の自己紹介から何かがおかしかった。





「リンダ林田です。好きな食べ物はリンゴです。趣味はリンパマッサージです。みなさんよろしくお願いしまーす」


「はい、リンダちゃんね。リンダちゃんのー、好きな男性のタイプは?」


「え??えーっとー・・・」


「もしかして俺かな?」


右手の親指で自分を指しながら、汚泥のようなニヤリを決める高橋にリンダは恐怖すら覚えた。


「ぱ、、パパです!パパ!」


「むっふぅ、俺になれってかぁ??」


もうだめだ、リンダはそう思った。


「じゃーリンダの気持ちはよくわかったから次、その後ろの奴」


「はい!ボブ寺島です!!サッカーが好きです!!」


「あー、ボブよ、お前そのーあれだよ、スチールウールとか見てると親近感わかね?」


「え??それって・・・?」

「パーマネントっつーの?!それ!どぅふぅふふ!!」


ボブは俯いてしまった。心なしかワサワサ聞こえる。高橋が何を考えているか生徒達はわからなかったが、一つだけ言えるのは高橋は



ロリコンだということ。小学女子が大好きなんだということだった。



「はーい皆さん、また明日!さよならー」

今日も1日が終わった。生徒達との溝は開く一方だが、高橋は気にしない。




夜。塾帰りのキャシー大塚はベそを書きながら歩いていた。


「くすんくすん。ママったらなんでお迎え来てくれないのよ、夜道怖いのにぃくすんくすん。」


気の弱いキャシーは、塾の帰りママに向かえを頼んだが断られてしまって心細くベソ書きながら夜道を急いでいた。道は車がギリギリすれちがえる程度で街灯はさほど多くない。もともと交通量が少ない通りで夜女子が歩くには心細い道。しかしこの道はキャシーの家への最短ルートである。

怖くて怖くて仕方ないキャシーではあったが、早く帰りたい気持ちもあり思い切ってその道を歩き始めた。


「やだなぁ、こわいなぁ・・・」

夜の闇に怯えるキャシーだったが、前方から車のヘッドライトが見えた。このこわい道で1人じゃないという気持ちが芽生え少し楽になった。


ハイエースがキャシーの横を何事もなく通り過ぎようとしたその時、急ブレーキをかけた。


勢いよく空くスライドドアから黒づくめの男が2人。1人は口を押さえ、1人は脇腹を抱えてハイエースに載せようとしているではないか!!


「むひーむひーむむーーむむーー(やだーやだーままーーままー)」


「アバレル イタイデスヨ!!」

「サワグ ウルサイヨゥ!!」


どうやらこの国の人間ではなさそうだ。このままではキャシーはハイエースに載せられてしまうその時!!


ドガァ!!ボフゥ!!!もげぇあ!!


ハイエースのフロント部に衝撃が走りその所為でエアバッグまで作動した!!エアバッグに喉仏をやられ黒づくめのドライバーはひくひくしている。


「ダレダ?!」

思わず振り返った黒づくめの目に飛び込んできたのは!


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