第1話 マイケル登場
新学年になると、まず気になるのは仲良しのアイツは一緒のクラスかな?とか、好きなあの人は今度こそ同じクラスよね?!とか、それがましてや小学校6年生にでもなったもんなら、最終学年な訳ですし今まで以上に期待に胸が膨らむものです。
仲良しのあいつが同じクラス、好きなあの人が隣の席なんて楽しい一年間を過ごせそうとウキウキするのもわかりますが、そんな素敵な一年も、
担任の先生次第でどーにでもなってしまうんですね。
この海辺の田舎町のとある小学校でも、今まさにそんな始業式の真っ最中なわけです。小学校最後の一年が楽しく過ごせるか、はたまた苛立ちの渦の中日々耐え忍ぶのかは担任にかかっています。
「6年2組・・・ジョージ木下先生です」
教頭が名前を呼ぶ、生徒たちから歓声と落胆の半々くらいの声。どちらともつかない一番リアクションに困るやつである。
「えージョージ木下です。6年生を受け持つのは初めてですが、皆さんの最後の一年が思い出に残るよう頑張ります」
立ち上がりマイクの前で挨拶をするも、これまたリアクションの取りづらい挨拶である。まるで新しく派遣された部署に挨拶するくらいつまらない。
しかし木下が完全に嫌われない理由は二つある。一つはふくよかな風貌に似合わぬ清潔感である。ふくよかにつきものの、言ってしまえば汗が凄そうとか一切なく颯爽としているのである。そして二つ目は、そのふくよかな風貌に似合わぬ素早さである。とにかくテキパキしており、時には恐怖すら感じるのその素早さが、先ほどの歓声と落胆の半々くらいに繋がるのである。
「えー、最後になります、6年6組・・・マイケル高橋先生です」
その瞬間、小さな体育館が増悪に包まれた。うげー、まじかよー!!担任やる資格あんのかよー!!
叫び声があがる。気の弱い女子に至っては泣き出してしまった。
「み、、みなさん!静かに!!今高橋先生が挨拶するから!!」
教頭が慌てて鎮めるも、6年とはいえまだ、小学生。嫌なものは嫌であり空気なんて読まないで結構な生き物、静まる気配はない。そんな中、静かに席を立ちマイクスタンドへ歩み寄る高橋は、途中で2度唾を吐いた。
「あ''ー、俺が6年6組のー、
かーえれ!かーえれ!かーえれ!
「お前らの一年間を預かることになった
かーえれ!かーえれ!こら!静かに聴きなさい!やだよー!高橋先生なんてやだよー!!こら聞こえるでしょ!!
「高橋だ。まぁ、そう嫌わないでくれや。
やだー!!かえれー!!くびにしろー!!こらきみたちいい加減にしなさい!
「俺は世間体が一番大事だからな。たのむよ。以上だ」
波乱の始業式が終わった。6年6組は果たしてどうなってしまうのか。気になるところである。




