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神殺しの龍拳  作者: 桐ケ谷緋乃進
フラットライン総力合戦
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59/61

59話

大領帝国都市部3月1日:とある病室


にて。こむぎと葵が病室の扉を開けると一人の女性が寝ている。


リオルが言う

「おお。ありがとな。」


こむぎが真顔で言う

「生きてたんだ。」


えっ


リオルが驚きながら言う

「おいwひでえなw」


こむぎが机に花束を置く、こむぎの意志で選んだものだ。おすすめされたやつではない。

マリーゴールドの花束を置く。


葵が言う

「....優しいんですね。」


こむぎが目を逸らす

「...まあね。」


そう言うとこむぎが病室を出る。廊下をしばらく歩き、リオルの病室の二つ隣りの病室へ入る。


その病室には蝦夷が寝ていた。


こむぎは蝦夷の病室にもマリーゴールドの花束。


こむぎはそのまま蝦夷に触れずに病室から出る。


病院から出て、宝具点に行く。そこで水渡りの魔法が込められた宝具が売ってある。それをこむぎが買うと、

病院近くの小さな池に向かう。


小さな鳥が池の真ん中で溺れている


バシャバシャ!!バシャバシャ!!


こむぎがゆっくり池の方へ歩き出す

池の中に足を踏み入れたと思った瞬間


池はポチャリと音を立て、こむぎに答える


ゆっくりとこむぎは水の上を歩き、小鳥の方へ向かう


ゆっくりと

ゆっくりと


歩いてゆく

小鳥の前に座り、

そっと救い上げる。


今は亡き者


名もなき兵士





平和(これ)はあなたへの宴(弔い)です。




++++++++++++++++++++


目を開ける。見慣れてない天井。研究所では特に残酷なことをされていたわけではないけど、

テレビゲームやボードゲームを一人でずっとやってるだけだった。


その間にいろんなゲームをクリアしてしまったせいで、かなりの時間ボーっと天井を見つめるという退屈な苦痛を味わうことになった。


カプセルで最終検査を終えて初めてリオルと会った時、凄くうれしかった。

初めて研究員以外の人と話した。

外の人間....それだけですごく興奮した。


いつも通り朝の準備を終えて家を出る。

駅まで歩く。

いつも通りのコンビニ、人、郵便ポスト、はぁ、呆れるほどいつも通り。

改札を通り、荷物を降ろしベンチに座る。


何分に来るんだっけ。


スマホの電車の経路案内の時間を見る。

7時54分....


あと2分....


この退屈な時間をどう過ごせばいいだろうか。

凄く迷う。


取り合えずスマホを開き、画面をスワイプし、適当にアプリを眺める。

音楽アプリを起動し、イヤフォンをつけ、音楽を聴く。


もしかしたら、なんだかんだで言ってこの時間は楽しいのかもしれない。


電車が来る。

正直最初はなかなか慣れなかったけど、今になっては急行か各駅停車かしか見ていない自分がいた。

やはり高知能は困るもん....ふふ....


電車の中に入ると、角席を探す。

これが日課だ。


角席を運よくゲットし、うきうきで音楽を聴いている。

数十分すると病院の最寄り駅に着く。


電車から降り、改札を通り、最寄り駅まで歩く。


病院に入り、受付をすまし、リオルの病室に歩いていく。

そうすると看護師がリオルの病室の前で立っていた。


何かあったのか....!?


私は急いで病室へと走る。


私は看護師に話しかける

「何かあったのだもん!?」


看護師がアワアワしながら言う

「えぇっえぇっと....先ほど政府関係者様が来られて....えぇっと....処刑....されまし....た」


は?


え?


え?


何を言ってるの?


リオルが死んだ?


あの人が死ぬわけない。

あの人が死ぬところは....想像....できない


私が現実を見れないだけ....?


そうなのかな....?


++++++++++++++++++++


数日後


駅のホームにて。


世界が真っ黒に見える。

リオルに電話をかけてみる。


出ない。

出ない。


出ない。


当たり前....なのかな?

もう一度でもいいから話したい。


世界が見れない....


リオルがいない世界が、見えない。


ガシャン....ガシャン....


上手く歩けない....


ガシャン....ガシャン....


ガシャン....ガシャン....


リオルのいない世界に....

価値なんて....


ガシャン....ガシャン....


無い。


ガシャン....ガシャン....


絶対に


ガシャン....


絶対に。


ガシャン....


絶対に絶対に絶対に絶対に。


ガシャン....


絶対に絶対に絶対に絶対に私の横はリオルじゃなきゃダメなんだああああああ!!!!!!!


「ヨサン!!」


え??


迫りくる電車のホームから落下しかけているヨサンをリオルが服の襟をつかんで手繰り寄せる。

勢いよく後ろに急行の電車が通り過ぎ、二人の髪がなびく。


リオルが言う

「一緒に、逃げようぜっ!!」


視界が熱くなっていく


ヨサンが言う

「ばか...ばかああ...」


リオルが言う

「すまねえヨサン...」


リオルの肩に乗っているカーデン・ヴェリが言う

「カカカ...シンダト...オモッタカ...」


その瞬間、周囲がザワザワと噂をし始める。

「あれリオルじゃない...?」

「その横にいるのヨサン・フリーロじゃない?」

「指名手配犯じゃん...」

「駅員さんか警察呼ぼうよ」


リオルは周囲の声を無視してヨサンにだけ言う

「あのな。ヨサン。この世界の勝ち組って言うのは、勝ち続けたやつだけが勝ち組なんだよ。」


ヨサンが言う

「その...心は?」


リオルが言う

「逃げるが勝ちだあああ!!!!」

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