58話
こむぎは死体の海を越える。千鳥足で必死に歩く。
その先にはリオルとりんなが居た。
こむぎが消えそうな声で言う
「りん...なっ...!!」
ドサッ...
目前で倒れてしまう。空気が冷たい。寒い...
頭が痛い。
吐き気もひどい...
魔法が使えない...
なんとか這いつくばいながらりんなに手を届かせる。
こむぎが言う
「りんな....っ...!!」
こむぎがぐったりしたりんなの口元に耳を当てる
息をしてない...
りんな....??
りんな...??
こむぎが泣きながら言う
「なんで...なんでよ...」
りんなが言う
「こ...むぎ....ちゃん...?」
りんな....??
ぐったりしたままのりんなが自分の膝をポンポンと叩く
「こっちおいで。」
こむぎは黙ってりんなに従う。
りんなの膝の上に乗る。
りんなが言う
「最後に...ぎゅーって。だき....抱きしめてくれる...?」
今のこむぎは魔法が使えない...本気で抱きしめてもか弱い体では全然力が入らない...
こむぎがりんなに抱き着く
「死なないで...しななあで....」
最後に....こうやってできるなら...悪くは...ないかな....♡
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2042年2月9日:大領帝国ワールドトレードポイント
グランドティアーズの会場につくと、そこには待機しているひとが沢山。
会場の周りは公共スペースのような広い建物に囲まれ、すごく綺麗。
長年積み上げてきた成果を、ここで見せるんだっ♡
その時、自販機が目に入る。
少し喉が渇いたな...何か買おうかな。
そうしてベンチから立つ、そうすると真っ黒のボロボロの布を引きずった緑髪の少女が目に入る。
「走れ...走るんだ...」
ゆうた....ゆうた...
気が付けば私がその緑髪の女の子にバグをしてしまった....
「えっあっ違うんです///これは///」
?????????
緑髪の少女が言う
「いきなりなんですか?」
りんなが顔を赤くして、それを手で隠しながら言う
「いや....知り合いに似てて....」
いやこの子知り合いに抱き着いてんのかよ。
こむぎが言う
「私の名前は野々宮湖麦。あなたは?」
りんなが言う
「犬野....凛奈です....♡」
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何やら自販機の前で騒いでる二人組がいるみたい。
物珍しいものは見て確かめないと。
リストを確認してみるに、片方は犬野凛奈。令嬢さんじゃないの....
もう片方は....ゲゲゲッ!?!?
中級魔法使い....!?!?
はぁ、困るんだよね。ここは素人が来る場所じゃないんだから。
りんなが言う
「こむぎちゃん下の名前なんだっけ~♡」
こむぎが言う
「りんなこそなんだっけ?」
りんなが言う
「りんなだよ~♡」
こむぎが言う
「ってことは....リンナ・リンナ!?!?」
いやマジでどういう会話???
翔がズシリと腕を組んで立ちはだかる。
「ちょっと君。中級魔法使いでしょ。ホントに死んじゃうよ??」
りんながこむぎのほっぺをぷにぷに震わせながら言う
「何言ってるの~♡こんな小さい子が死ぬわけないじゃ~ん♡」
小さい子だからだよッッ。
その時、こむぎが二ヤリと笑みを浮かべる。
「大丈夫。私、14年間死んだことないから。」
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ありえない。ありえない。
あの少女は、あのか弱い...そうな少女は...大将リオルを打ち破った....??
大将って言うのは、五連覇してる人間の二つ名....
五年連続聖級1位のリオル・グランテを、身体強化魔法だけで.....勝った????????
はあああああ?????????
モニターの先の会場は大盛り上がり。正体不明の最強少女が誰なのか、とにかくとんでもないことになっている。
どうせリオル。リオルだろ。リオルじゃね?
そんな考えを全部ぶち壊した少女、野々宮湖麦....????
待機ルームに戻って来たこむぎが言う
「ふあぁ....疲れた....」
こむぎが待機ルームに入ると翔が腰を完全に抜かしてこむぎを怯える目で見つめる。
そんなにドン引くなよ...傷つくぞ...
りんなが言う
「こむぎちゃん凄すぎ~♡絶対1位とれると思ってたよ~♡」
...ガチすか?
翔が少しフラフラしながら言う
「ちょっと驚きまくったよ...ほんと...で。」
待機ルームの先、公共スペースとその間の通路とその先の道路。
取材を求めた記者が大量に待ち構えている。
翔が言う
「あれをどうするつもりだ?」
こむぎがいたずらな笑みを浮かべる。
「考えがあるから。早く開けて。」
そうして扉が開けられる。
こむぎがどやああああ顔で言う
「御上意である。道を開けろ。」
そうすると綺麗に記者たちに囲まれた花道ができた。
聖級1位えぐぐぐぐぐぐ
その間をこむぎに続いてりんなと翔が歩く。
私はこの人の。この感じ...この匂い...あの人に...似てる....♡
最後に見たのはそんな夢。
私はね、最初こむぎちゃんに会った時、すごくうれしかったんだよ♡
だから...
私といままで一緒にいてくれて、ありがとう♡




