55話
おかしいおかしいおかしい!!
こむぎが戦争終結後、首都部の自販機でジュースを買いに行っていた後、りんな達の元へと帰ろうとしたところ、道中に大量の死体と大爆発が起こった。
何かが絶対におかしい。
その時、
ズリ...
ズリ...
ズリ...
ズリ...
何かが地面を這っている音が聞こえる。
血まみれ損傷火傷だらけ、皮膚はただれて、それはもはやただの肉塊となっていた。
..............。
その肉塊は何かを抱えていた。
....ヨサン・フリーロだった。
肉塊はこむぎのズボンの裾を小さな手で必死につかんで言う
「.....行っちゃだめ...な..のだ」
行かなきゃ。
行かなきゃ。
絶対守るって決めたから。
蝦夷の忠告を無視してこむぎは進もうとする。
蝦夷が小さく、小さくつぶやく
「もう...誰も...死んで...欲しくない...のだ」
絶対。絶対絶対絶対絶対。
私が守るから。私が守るから。
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航空基地にこむぎが着いた頃にはそれはもう崩壊するよりも崩壊しており、ここが修羅だと知る。
ロイド(影)は黒曜石の柱の上に立ち、こむぎを見下ろす。
影だからかは知らないが、かすかに白色に発光している。
その時、ロイド(影)が聖遺物を使用する。
禁忌の魔法:「死体遊び」
数々の死んでいった兵士、戦艦でも見た顔、それと...パロマ、アリス、優香、翔、早紀、椿、シャルロッテ、アヤシノ........が死者として召喚される。
黒曜石の柱がロイド(影)の左右に4本ずつ立てられ、その上には私の仲間がいる。首輪がつけられており、その首輪の縄はロイド(影)が握っている。
《《嗚呼...これでなんの気兼ねもなく殺せるね。》》
ロイド(影)が全員の首輪の縄を離すと8体が落下してくる。シャルロッテが魔法を使う
オブジェクト魔法:「炎帝ノ覇者」
高速で接近してくるシャルロッテの腹に腕を貫通させ、刹那にして全身を木っ端みじんにする。
優香が魔法を発動する
固有魔法:「重力操作」
それをこむぎが身体強化魔法を書き換え、体重を強化し、重力操作を無効化する。
優香に高速で接近し、大腿骨を粉砕する。
その後、遠方から銃弾が飛んでくる。それを片手でキャッチし、床にテキトウに転がす。
アリスが攻撃魔法を放つ
ギギギギギギッ!!!!!
それを何の躊躇もなく飛び込む。その攻撃魔法はこむぎの顔面に直撃する。が。こむぎは何事もなかったかのように歩いている。
消えた。
突如アリスが音を置き去りにし、轟音を立て粉砕される。
こむぎが上着から聖遺物を取り出す。金のリング。
禁忌の魔法:「黒雷」
思い出した。いや、忘れていたわけじゃない。野々宮湖麦、こいつは...一切の隙も、勝筋も、策略も、何も見えない。ただただ実力の差しか見えない、壁なんだ。天まで伸びる壁。
天壁の龍。
――2042年:グランドティアーズ。異例だった。
突如として現れた14歳の中級魔法使い「野々宮湖麦」がグランドティアーズに出場した。
過去のグランドティアーズでは上級魔法使いが出場し、瀕死の大重傷を負ってしまう事故が起こり、以降はグランドティアーズには冥級魔法使い以外出場しないという暗黙の了解ができた。だがそれでもその少女は出場を決定し、最終的には当時聖級1位「リオル・グランテ」に圧勝を期し、世界中の魔法使いを熱狂させ、世界中が知る最強の魔法使い、世界中の憧れの存在となった。
魔力量C、学力偏差値39、固有魔法なし、使える魔法はひとつのみ。ただし、最強。
魔法使いにはいくつもの制約がある。
彼女は
・オブジェクトなしでは魔法の併用が不可能
・身体強化魔法は1つ重ねるだけでも1倍づつしか倍にならない。
・身体強化魔法は1回使うだけでも常人なら歩くことすらできないほど操作が難しく、慣れることは不可能。
・魔法は常時使用することはできない。肉体に強い負荷がかかり、耐えることができない。
この制約をすべて、突破していた。
この時点での彼女の身体強化は180万4400倍へとなっていた。
身体強化魔法を、180万4400回同時使用。これが
天壁の龍だ。




