52話
南朝連邦中央部ブリンガー山脈:午前6時00分
こむぎがテレポート魔法で航空基地にテレポートする。
そこは格納庫の中で真っ暗だった。
ここは恐らく4つの基地の中でも一番守りが硬く、侵入がバレた場合、私でも何人か無効かしなければいけなくなる。ここは慎重にいかなければ....
こむぎが暗闇の中、腕を軽く前に出しながら歩いていると、格納庫の壁にぶつかる。
そこでこむぎは格納庫の壁を人差し指で大きくクルリとなぞって、そのまま軽ーく軽ーく寸勁を入れる。ここで重要なのが、威力ではなく速さなのだ。
そうすると指でなぞった部分だけ格納庫の壁が吹き飛ぶ。
ふぅ...緊張した。
そうして開けた穴からそ外に出る。先ほどの暗闇のせいか、少し目が慣れていて、まだ見えやすい。
そこら中に兵士が巡回をしているようだが、ここで一つ、私にしかできない裏技があるんだ。
目に見えない速さで動く。
これに尽きるかな。
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南朝連邦中央部ブリンガー山脈:午前6時02分
雪の降る凍えるような寒さの中、真っ暗なコンクリートの世界をライトで照らし、巡回エリアを歩く。
山脈のすぐ東の方では大領帝国側に空爆やら銃弾を浴びせているらしい。
正直、ブリンガー山脈には航空基地がありすぎて、こんな広い航空基地でさえ、上から数えてもなかなか見つからない。
そんな中、一瞬だけ強い風が吹いた。
なんだ今の?
分厚く被ったコートが受けた風によって、私の体も持っていかれそうだった。
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南朝連邦中央部ブリンガー山脈:午前6時04分
と言うことで分厚くコートを被った軍人さんの後ろを通らせてもらったわけで、早速ついたのは巨大対空砲。盛大に、爆発してもらおうか。
私は去年のグランドティアーズの開会式で10m×10mの黒曜石の塊をデコピンで木っ端みじんにしたことがある。
それに比べたら、こんなクソでか大砲は私がちょっと引っ張れば伸びるでっかい金属の塊と言う名のチーズだ。
と。いうことで。
ドガーンッ!!!
私の感覚では最北の基地にロクステはいない。遭遇していないわけではなくて、この基地に本当にいない。ここの一個南にある基地。もしかするとそこにロクステがいる可能性が高い。そこに向かおうか。
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南朝連邦中央部ブリンガー山脈:午前6時00分
大友椿と飛鳥野早紀がテレポートした場所はまさかの...ヨサン・フリーロの目の前だった。
ヨサンが言う
「.....え?......誰?」
椿と早紀は動揺を隠せなかった。だが、ここで隠さなければ確実に戦いになる。
早紀が敬礼をして言う
「驚かせてしまい。申し訳ございません。間違えてテレポート宝具を起動してしまいました。」
ヨサンが言う
「そう....なんだもん....ところで....いつ出ていくの?トイレから。」
ヨサンが個室のトイレの便器に座っており、その個室の中のほんの小さな隙間に早紀と椿が立っている。
椿が言う
「お気に召しませんか?」
ヨサンが真顔で言う
「断じて召しません。早く出て行ってください。」
そうして早紀と椿が個室から出て、そのまま廊下に出る。
バレて....なかったかな?
そうして2人が廊下を歩いている。
廊下は非常部肌寒い空気が流れている。
そんな中、ヨサンは頭を抱えていた。
あの女2人誰だもん.....!?!?いや素で誰って言っちゃったもん.....!!
恐らくは侵入者。大領帝国側のほう。でもどうやって山脈ふもとの防衛線を突破したもん?
でも敬礼も違うし服装もおかしいし、そもそも軍は敬語禁止とか言う意味不明なルールがあんだもん!!
私は兵士全員の顔を覚えているけど、その中の誰に似てすらいなかったもん!!
トイレを出る準備を整えると、個室のドアを開けてそのままトイレの窓をぶち破る。そして2人に見えないように追跡する。
僕をあの状況で襲わなかったってことは狙いが他にある。人間は極限下、目的ではないものが見えなくなる。
今回の場合、恐らく僕のことを直感でもヨサン・フリーロだと確信してたもん。だけど戦闘を行わなかった。
実際には見つかった場合戦闘をする方がいい。そうじゃなければいつどこで誰に何をされるかもわからない状態で目的を目指さないといけなくなるもん。任務での一番重要なことは情報なのだ。
僕はこのまま尾行してこいつらの目標を知る。
........いや。待ってくれだもん。
この基地に来た理由。それをよく考えてみて欲しいだもん。この基地に来るメリット、この基地が他の基地と違うところは巨大対空砲の有無とか....それだ。
こいつらは巨大対空砲を狙いに来た。つまり、巨大対空砲でしか落とせない高高度でなんかするつもりだ。
憶測だけで考えるのは良くない。だが、こいつらをここで仕留めなければいけないことは事実。狙いがどうであろうとここで戦わなければいけない!!
廊下の外から物音が聞こえる。
テレポートの件もあってか、普段よりも敏感になっていた2人の五感は容易にそれを捉えた。
その刹那窓ガラスが割れてヨサン・フリーロが飛んでくる。
それを認識した椿は身構える。だが、ヨサンの足が首に既に絡みつき、体制を崩される。
早紀は大剣を召喚し、そのままヨサンに向けて大剣を振り下ろす。
ヨサンが暴れる椿の頭部に手を当てて魔法を放つ。
魔法:「闇斬」
ガギ―ン!!!
!?!?!!?!?
硬すぎだもん!?!?
まずい、このままだと僕だけが斬られるもん.....!!
絡みつけた足をほどき、後ろに下がる。
だが、早紀はそのまま止まりきれず、椿の頭の殴ってしまう。
ガギーン!!!
痛ッッッ!!
ヨサンが構えながら言う
「なかなか反応が良い上に硬いだもん。その感じから見ると、攻撃力よりも防御力とっかだもんね?厄介だもん。」
椿が頭をふらふらさせながら言う
「私の名前は、大友椿。正々堂々、かかってきてください。」
早紀が言う
「私の名前は飛鳥野早紀。正々堂々、かかってきてください。」




