39話
大領帝国国内:遊園地
大領帝国特殊隊、戦場特殊救助隊たちは、遊園地に遊びに来ていた。
少しどころか結構寒い空気を耐えるために全員厚着をしており、こむぎはいかにも女の子らしい手袋をつけて、ふーふーと自分の息で体を温めようとする。
列の後方にいるアリスが言う
「ここの遊園地、昔から来た事あったけど。本当にこの階段長いな....」
一行は長い階段を上っている。すっかり木々も紅葉を終え枝だけの姿になっている。
厚着をしていても、衣服の隙間から冷たい風が吹いてくる。それを防風するために体を縮こませながらも足を運び続ける。
その時、背後から追いついてこむぎの横に二階堂蝦夷が来る
「野々宮さんは遊園地楽しみなのだ?」
こむぎが困り顔で応対する
「苗字呼びすんな...その感じから見て、ブランドだろ。」
(ブランドとは、こむぎのような著名人などに媚びを売って知り合いになり優越感を得る人のこと)
蝦夷が言う
「い...いやっ!?違うのだ!!」
こむぎが淡々として言う
「まあ、君の場合は実力もあるから、ブランドなんかしなくてもいいと思うけど。」
蝦夷が頬を赤くして首を振る
「そ...ソソ...そんなことない...のだ...////」
蝦夷が言う
「確かに野々宮さんが凄い人なのは知ってて...戦場特殊救助隊に入ったけど...それは野々宮さんが凄い人だからじゃなくて...///」
こむぎがマフラーをつかんで鼻まで上げる
「わかったから。ごめん。」
蝦夷がこむぎ側によりながら言う
「それなら犬野さんだって...ブランドなんじゃないのだ!?」
こむぎが籠った声で言う
「こいつは匂いフェチの変態だから違うよ。」
りんながこむぎにすり寄る
「ちょっと~♡証拠もなしに疑われると困るな♡」
こむぎが言う
「証拠じゃないなら私に抱き着いてくるときに毎回深呼吸する理由を話してもらおうか。」
りんながパーッと笑顔になる
「秘密でーす♡」
なんじゃこいつ。
階段を一行が昇り終えると、遊園地の全体の姿が見える。受付に行きチケットを買う。
翔がチケットを買っており一瞬こむぎの方を向く
「こむぎは小学生料金でいい?」
それはガチでなんでなん????
葵が真剣な顔で言う
「いやだって...身長130㎝以下の高校生とか、実質小学生でいいでしょ。」
いやガチでそれはなんなん???
翔が言う
「高校生料金にするなら学生証必要だよ。」
りんなが財布から何かを取り出す
「はーい♡」
翔がフムフムと学生証を見ている
「カラナタ女学院....これ全寮制の高校なんじゃ?」
りんながピースをする。
「貴族ぱわー♡」
終わってるよこの世界。
チケットを買い終わった後には複数のグループに自然と別れて行動する。
こむぎグループ(こむぎ、りんな、蝦夷)
翔グループ(翔、葵、アリス、優香)
パロマグループ(パロマ、祈、飛鳥野早紀、大友椿)
こむぎとりんな、蝦夷が歩いていると
蝦夷が言う
「あの...お二人...」
こむぎとりんなが答える。
「なに?」
蝦夷が言う
「えーと...もんじい...知ってますか?」
もんじい?...もしかすると藤松門下のことか。
やっぱりね。そういうことだと思った。それとブランドじゃなくてよかった...
こむぎが答える
「藤松のことだよね?」
蝦夷がコクコクとうなずく
こむぎとりんなはしばらく見つめあう。どう答えたらいいものか。もしかすると復讐されるかもしれない。この子の場合はそうではないのかも...だが、この世界で重要なのはどう進めるかではなく、どう進むかだ。
こむぎが言う
「死んだよ。生物リミッターを一度外した人間は、禁忌でも犯さなければ確実に死ぬ。」
蝦夷が俯き、目が髪で見えなくなる。
いいよ。蝦夷。この場で戦うこととなっても、私達はそれ相応に答える義務があると思う。
蝦夷が言う
「大丈夫なのだ...そんなに身構えないで欲しいのだ...少し...一人になってもいいのだ....?」
りんなが優しく答える
「いいんだよ。心を落ち着かせてね....」




