37話
大領帝国都市部:パロマ宅
彫帝里襲撃任務が終了し、花札組の組長である花札は死亡し、花札組は弱体化。
だが、花札組により傀儡化した政府は未だ黒色だ。国家転覆により黒色に反転した市民はそう簡単には白色にはならない。この花札組への襲撃は大打撃だ。だが、この事態はそう簡単には終わらない。
ソファで寛いでいるこむぎの元へりんなが駆け寄る
「こむぎちゃ~ん♡何してるの~♡」
こむぎがタブレットでゲームをしながらりんなに対応する
「ちょっと待って...今忙しい。ランクやってるから...」
りんながこむぎのタブレットをのぞき込む
「こむぎちゃんいつもこのゲームやってるよね♡」
こむぎの扱う身体強化魔法は2倍であろうと歩くことさえ難しい。だが、こむぎは身体強化の倍は大きいにもかかわらずタブレットの操作、ましてやゲームまでできる。これはハッキリ言って異常だ。
異常が言う
「んぁ...喉乾いた...」
向かいでパロマと翔がお酒を飲んでいる。
りんながその座っている二人の横に移動し言う
「二人はいいよね~お酒飲めて♡私も飲んでいいかな~♡」
翔が酒缶を持ったまま言う
「流石に未成年飲酒は認めないよ。」
りんなが言う
「全然酔ってなくて怖~い♡」
こむぎがソファから立ち、3人の元へと歩く
「お酒を沢山飲むときは適度にお水を飲まないと脱水症状になるよ。」
翔がふーっとため息をつく
「こむぎからそんな言葉が出てくるとは思わなかった...わかった。よ」
パロマが言う
「おお?どっか行くのか?」
こむぎがタブレットをソファに放り投げる
「うん。ちょっと近くの自販機で水買ってくる。」
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パロマの家の外に出るとまず最初に見えるのが星空
その次には都市部の夜景が見える
パロマの家は首都郊外にあり、大領帝国と言う大国の特殊部隊なのでそれなりにお金はもらっているみたいだ。こんな大きい家を持っているのはパロマの活動歴が長いのも理由であるが。
翔とこむぎが二人で夜道を歩く。
こむぎはタブレットをよく触っているが、流石に歩きながらは使わない。理由は単純で触っている状態で人にぶつかると基本的に肩どころか腕が折れる。あるいは腕事態が消失する。
りんながこむぎによくくっつく理由はこむぎがあんまり抵抗できないからである。
こむぎが歩きスマホをしながら言う
「ねえねえ翔。自販機ってどこにあるの?」
翔が空を見ながら言う
「知らない。」
パロマの家は郊外にあるので、この歩いている道は暗い。
こむぎの触っているスマホの光がやけにまぶしく思える。
しばらく静寂が訪れる。2人の歩く音だけが聞こえる。
その静寂を破ったのは翔だった。
「こむぎ。」
こむぎが答える
「なに?」
翔が星空を眺めながら言う
「私ってすごいと思う?」
こむぎがつぶやく
「聖級魔法使いなんだから、凄くはあると思うよ。」
翔が足を止める
「ねえ。」
こむぎも足を止める
「....なに。」
翔が言う
「どうして...私は...聖級1位になれないのかな?」
こむぎがスマホをポケットにしまう
「....それはどうにもできないよ。私には。」
凍てつく空気の中しゃがみ込む
座ろうとしても足にうまく力が入らない
マフラーで必死に泣き顔を隠す
雪が頬を冷ます
翔が絞り出すように言う
「どうして....どうしてなの....?
こむぎにはあって...私にはないもの
《《才能》》....??
そうなんだ....こむぎには才能が....
ならどうして私にはないの?
どうして私には才能がないの?
才能がなくても
努力すればいいのかな?
才能がないなら
せめて....《《努力で勝たせてよ》》..」
雪は悲しみを包んでくれない
ただ
涙を凍らすだけだ。
こむぎがつぶやく
「私はね。人に頭を下げさせるために強くなったわけじゃないんだよ。だけどね。もしかしたら...私は...そういう人になってしまったのかも...しれない。」
ごめん。翔。私は...あなたを...《《殺してしまったんだ。》》




