13話
8月2日:東国都市部
白を基調としたグレー色屋根のついた家の前の庭にて
普段は駐車場として使っているのだろう。
カーポートから濁された太陽の光が差し込む
二つバーベキューコンロが並列しており、一番奥には緑髪の少女が座っている。
その少女に一人の男が話しかけてくる
野々宮父が言う
「おい、大丈夫かー?顔色悪いぞ~??」
野々宮父が言う
「ちょいちょい、ロイド先生もお見えらしいよ。」
し...師匠...?
ロイドが言う
「おっと...これはこれは。久しぶりだね。」
ロイド・クルー。こむぎの師匠であり、魔法をこむぎに教えた存在だ。
こむぎが言う
「師匠...」
ロイドが言う
「どうした?」
こむぎが言う
「師匠も...一緒に戦っては...くれないの?」
ロイドが言う
「...何言ってるの?
《《人を沢山殺した人間が、人を救う権利なんてないんだよ。》》」
こむぎがつぶやく
「すみ...ません...」
ロイドが言う
「いやいや、気にしないで...」
こむぎが言う
「本当に....すみません。」
そうしているとこむぎの元に一人の女性が近づく
???が言う
「やあやあこむぎ!!」
従妹だ。
田中沙良...っていう名前...だ。
ポケットの下にあるナイフを握る手が汗に滑って上手く握れない。
本当にここで殺していいのか?
今...本当に殺すのか?
........................。
沙良が言う
「ちょっと~!!どうしたのこむぎ~!!無視しないでよ~!!久しぶりの再会なんだから~!!」
こむぎが苦笑いをする
「いやぁ...ごめん...最近あんまり寝てなくてさ...」
沙良が言う
「私、このあとすぐ用事があるから、プレゼント渡し終わったらすぐ帰らなきゃなんだ~!!ごめんね!!」
こむぎが言う
「う...うん。《《一緒にケーキ、食べたかったな》》。」
誕生日パーティー...まあ、ほぼバーベキューだが、それももう後半だ。
野々宮家はだれかの誕生日には盛大に祝い、バーベキューをするのが恒例だ。
そして誕生日パーティーの終盤は、各個人が持っていたプレゼントを渡す儀式がある。
こむぎはみんなに囲まれて、大きなケーキを前に立っている。
そうしていると
「はいはいちゅうもーく!!」
野々宮母の声が響く。
「今日はこむぎの誕生日!!プレゼント交換会を~!!しま~す!!」
イェーーイ!!
野々宮父がプレゼント箱を持ってくる
「おめでとう。お仕事大変かもしれないけど。負けるなよ!!」
そう言い、ガッツポーズのような姿勢をとる
こむぎが言う
「ありがとう...」
野々宮母がプレゼント箱を持ってくる
「は~い...頑張ってね。もしつらいことがあったら...お母さんに言うんだよ。」
こむぎが言う
「ありがとう...また連絡するね。」
田中家父
「お誕生日おめでとう。」
こむぎが言う
「ありがとう...本当に...」
田中家母
「誕生日おめでとう。応援してるからね。」
こむぎが言う
「ありがとう...ございます...」
涙があふれてくる...
ごめん
ごめん。
本当に...ごめん。
田中沙良が紙袋を持ってこむぎの前へゆっくり近づいてくる
一歩。また一歩。
どうしてかその一歩は
遅くも
早くも感じた。
田中沙良が言う
「お誕生...おめで───────
ごめんなさい。
その動作は、あまりにも手慣れ過ぎていた。わざわざ小さなナイフを使ったのに、その感触は...なぜか何も感じなかったようだ。
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2041年:冬
中学校の体育館の裏で私は幼馴染の友達「るな」と遊んでいた
るなが言う
「ねえねえこむぎ。るな、こむぎが学校久しぶりに来てくれてうれしいよ!!」
こむぎが照れながら頭をかく
「いや~...ありがとう...」
るなが言う
「ここなら誰にも邪魔されたりしないね~」
こむぎが言う
「そうだね...」
るなが言う
「鬼ごっこしない?」
こむぎが言う
「ここで?w」
るなが言う
「うんw」
そうすると友達が駆けてきて、こむぎの肩をポンッと軽く触る
るなが言う
「はい鬼~」
そう言ったと思えば魔法で宙に浮きそのまま体育館の屋根に上る
こむぎが言う
「あぁ~!!やったな~??」
そう良い、身体強化魔法で飛び上がり追いかける
こむぎとるなが体育館の屋根を駆ける。
その時は永遠の様にも、一瞬の様にも感じた。
二人共笑顔で、本当に...《《ただの遊び》》だったんです。
こむぎの手がるなの肩のに迫る。
その手がるなに届いた時。
こむぎが言う
「タッチ!!」
グチャリ
え...................?
こむぎの使用魔法は身体強化魔法。
通常であれば2、3倍程しか強化できないが、ロイドがそのこむぎの才能を発見し、こむぎを育てた。
当時のこむぎの身体強化倍数は、《《5400倍》》にも達していた。
あぁ....必死に...必死に頑張った先がこれなら....
《《あの時死んでおけばよかった。》》




