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第二話「上空20000フィートの出会い」

「…高度6000mに到達。本迎撃戦闘隊は高度6000mに到達。」

そう無線機に五二型の声が響く。

『了解。偵察部隊および哨戒班から電報、正体不明機はアグレッサーで確定。敵アグレッサーは航空機型のみで構成。機影を見るに爆撃隊と護衛戦闘機隊と予測。レーダーによると高度は変わらず5500m。』

「邀撃戦闘機隊了解。」

五二型は返ってきた司令塔からの無線にそう言い、目の間の空に目を凝らした。

「航空機型は機動性だとこっちに敵わないけど数が多いから背後には要注意だよ。」

「わかった。ありがとう姉さん。」

二一型の言葉に五二型は返答をする。

ユニットのプロペラの音が空と雲に消える中、一一型は口を開いた。

「時間的にもうすぐ接敵かな。2人で1ペアなのを忘れないで、なるべくお互いを見れるように立ち回って。」

「了解、姉さん。」

二二型がそう溢した。

五二型たちの目に機影が映る。

四人は500m下のアグレッサーを目掛けて緩降下し始める

「掛かれ!」

一一型のその一言で速度の乗った四人はアグレッサー編隊に銃弾を叩き込む。

空に機銃の音が響き渡る。

編隊中央にいた爆撃機は機銃弾をまともにくらい黒煙を上げて一気に墜ちていった

「なんだか慣れないわね…この光景は…!」

五二型はそう言ってひらりと回り、護衛の戦闘機へすれ違いざまに機銃を打ち込んだ。

そのアグレッサーは20mmが当たったのかバランスを崩し錐揉みしながら墜ちていった

二一型はそれを見ながら一機を背後に引きつけながらもう一度緩降下し始める

それに敵機は追い縋って機銃を撃ってくるが二一型には当たらず、弾が逸れていく。

降下速度をのせながら横滑りすることで弾を逸らしていたのだ。

チラッと敵機との距離を確認すると、二一型は急上昇し始める。

それを追ってアグレッサーも急上昇し始め機銃を撃つ。だが二一型には一切合切当たらないのである。

するとアグレッサーの機首がガクンと下がる。失速が起こったのだ。

二一型はそれを見てスラップを一気に広げると、グンっと下に曲がった。

機銃弾を数発打ち込むとアグレッサーはガラガラと黒煙を上げて崩れ落ちた。

そんな中でも二一型は冷静に無線に呼びかける。

「高度優位無くなったからちょっと離れて再上昇する!」

二一型はもう一度降下する。

速度を稼いでから再上昇してなるべく早く戦線に戻ろうと考えたのだ。

そうしていったん離脱していく二一型を横目に五二型と二二型は背中を合わせるように互いをカバーしてアグレッサーを撃退していく。

だが本来の目的は戦闘機を撃ち落とすことではない。爆撃を防ぐことなのだ。

「二二姉さん!戦闘機を引きつけてくれない!?」

「オッケー、任しといて!」

二二型は五二型とすれ違うと7.7mmを挑発するかのように撃って牽制する。

その隙に五二型は爆撃機に近づいていく。

もちろん防護機銃がとび回る。同高度では蜂の巣になってしまうだろう。

五二型は咄嗟に降下し、機体下部からの攻撃を思いついた。

まだ執拗に撃たれる防護機銃を避けながら下腹を狙った20mmが火を吹いた。

20mmを一気に撃ち当てたおかげか、爆撃機はどんどん墜ちていく。

だが五二型は失速間際まで上昇したため速度が少なくなっている。

その隙を狙っていたかのように潜んでいた戦闘機のアグレッサーが二機、しめしめと寄って来ていた。

「しまっ…!!」

それに気づいて五二型は後ろに向くがアグレッサーとの距離はもう余裕がない

「五二!」

そう急いで援護しようと二二型が20mm機銃を向けるが一号銃の偏差では届かない距離だった。

だが、そのアグレッサーに弾丸の雨が降ってくる。

全く同じ口径の弾がアグレッサーに振り注いだ。

五二型は目を見開いた。

なぜなら、そこには猫耳のようなフードを被った少女が急降下していたのだから。

「Hi!ZERO、腕が鈍ったんじゃない~?」

そう言った少女のユニットは紺に染まっていたが、そこに記された白い星が輝いていた。

「…ア、アメリカの…!?」

そう五二型が言った瞬間、その少女は少し笑った。

「That's right!」

グンっと速度を上げたその少女は無線で何かを呟いた時にアグレッサーが少女を狙ってヘッドオンをしてきた。だが、その少女は狼狽えずに言葉を発す。

「邪魔。」

その直後12.7mm機銃をアグレッサーに喰らわせたかと思うと一瞬でアグレッサーが消えていた。

「…すごい…」

その光景を見た五二型はそう呟いた。

二一型はそのさらに上空から見下ろしていた。

「全く…まさか早々に着くとはね。」

そういうと二一型は無線を取り出す

「敵アグレッサーの退避を確認。指示を願います。」

その場にいたそらむすめにも司令部にも声が届く。

『こちらもレーダーで退避を確認した。奇襲に警戒して帰還せよ。』

「了解。」

その無線を聞いた零戦らは何も言わずに集まっていく。

五二型は集まる前にクルクルと見回したが、あの少女は見当たらなかった。

――――――――――――――――――――――――――

五二型は滑走路が見えると、ユニットをグッと抑えて着陸する。

不慣れだと着陸速度に足が折れたり擦ったりするそらむすめもいるが、そんなヘマもせずにきちっと足をつけた。

そしてユニット室に足を進めた。

「なんとか撃墜されなかったけど…あの人って…」

五二型はあの少女にどこか見覚えがあった。

そして自分を被弾から守った彼女が何なのか考えていた。

「アメリカ…猫のような…」

ユニット室に入ってユニットを解除する。

「五二、なに考えてるのー?」

そう二二型が五二型に聞く。

「いや、さっきのあの人…」

そう言いかけた瞬間、ユニット室のドアが開く。

そこには先ほどの見た白い星が付けられたユニットを背負った少女だった。

「あッ!?」

「さっきぶりだねZERO!対面で話すのは初めてかな~」

少女がそう言うと、猫耳のフードを下ろした。

「Hello, my name is the F6F "Hellcat"!」

そう。彼女はアメリカ海軍の艦上戦闘機、F6Fヘルキャットであった。

「ヘルキャット…!?なんであんたがここに…」

そう五二型が言うのも無理はない。日本防空学園に他国機が入学したことは基本ない。

だがF6Fは当たり前かのように言った。

「まぁアメリカからの留学って名義だもん。どっちかというと海外派遣だけど!」

「…え?」

素っ頓狂な五二型の声が部屋に響いた。

第二話を見ていただきありがとうございます。作者です。

この小説では初めての戦闘シーンでしたがいかがでしょうか。

またマイペース投稿になります。また見てくれたら嬉しいです。

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