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黄昏のオダマキ  作者: ないある
黄昏のオダマキ 【アルヘア】
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19話【弁神論】

錯乱しているバルダーを座らせスビンから水を貰った。しかしまだぐったりしている。

セベロが「ウ(・)ル(・)ツ(・)、フリーダ。コイツらは知り合いか?」と聞く。

「ウルツ…?」

その言葉にランバ達は首を傾げる。今までアディーと思っていたのに彼女は本当に何者なのだろうか。

『先を越されてしまった也や』

「だが目立つことは出来たぞ」

カジスと話すミフル。ランバにはその姿が見えていた。確かカクが見た存在だとアズメが話していた。

そしてカジス、ミフル、ランバはセベロの側にいるエイルが見えている。

エイルの目的はウルツの治療。しかしその前に話が始まる。


ポスッとネストルがカバンから取り出されると飛び上がりティタをの服を引っ張り転ばせた。

「お前はいつもそうだ!」

「でも上手くいくじゃんか」

喧嘩が始まる前にフリーダが口を開いた。

「それで何ですか?…ウルツを助けてくれる人はいるんですか?」

「ちょっと…」

スタメダリアスの後ろに隠れていたウルツは何か言いたそうだった。

「僕の、僕の身体、助けてくれる人…探してて…」

「遺漏で女の子になって…」

カジスも漸く合点がいった様子だ。

「最初から言ってくれれば良かったのに」

ティタはそういうもそれが難しいことはわかる。

自身の体と心の性別の違いなんてまだ八歳の子供には知らない大人に話すには大きな勇気が必要だ。相談という方法を取れないのも無理はない。

「…難しいかぁ…そりゃそうだよね。でもよく頑張ったと思うよ」

それを聞いてウルツは泣き出してしまった。フリーダが優しく抱きしめた。ずっと側にいることしか出来なかった。死という手段を選ばないように見張るだけ。でも漸く他人に頼る事が出来た。

狂気的に人を魅了し先導するメアリー・スーのアディーから普通の等身大の人物として周りの人を引っ張れるように成長できるはずのウルツに戻る為に。


しかしランバが固まっていた。自分のわがままのせいでアンガシャに逆らう為に遺漏を放置していた。

「私の、私が、あの…っ私が…」

「私のせいだ…私が神にわがままを押し通したから…ウルツが苦しんでいる…」

その言葉はウルツを激怒させるのは容易かった。嘘だろうが本当だろうがそれを口にした時点で敵だった。

「お前が…っ…?」

「お前がああアアアッ!!!お前のわがままのせいで!!!僕は女の子になったんだぞ!!!」

力の限り叫ぶ。

「彼奴をぶっ殺せ!!脅かして元に戻すように言ってやれ!!」

力の限り叫ぶウルツ。金切り声が響きその痛々しさにランバの罪悪感が増していく。


そして神の眷属ではないティタ、ルアン、ネストル、スビンイラリオ、スタメダリアス、ファティ、バルダー、ブライトンが一斉にランバに襲い掛かった。

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