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黄昏のオダマキ  作者: ないある
黄昏のオダマキ 【アルヘア】
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18話【無法の手段】

「さあ皆作戦通りに!ネストルとファティは我の指示に従って!」

ネストルの尻尾を引っ張りながらそう伝えるティタ。スビンは鞄に好きなだけものを詰め込める遺漏の【神々の手提げ鞄】にネストルを突っ込んだ。ネストルはされるがままだった。しかし収納される直前「後できっちり説明してもらうからな」と言っていた。

イラリオが引っ張られた尻尾を受け取りティタの指示に合わせ投げ飛ばす。


「本当にオレが先頭で良いんだな?」

ブライトンが修正ペンを手の中に顕現させ木々など邪魔になるものを消していく。

尻尾の上を走りアディー達を救いアディーの周りにいる人達を連れてくるのが目的だ。

「人助けならいくらでも頑張れるよ〜」

「はいはいどーもね〜」

ブライトンに追随するイラリオは攻撃を受け流していく。ブライトンへの攻撃も器用に自身に流し込んで受け流していく。

攻撃を仕掛けようとするスタメダリアスに足蹴りを食らわせる。

状況が飲み込めないセベロとルアンは一次停戦をしてブライトン達に攻撃をする。その隙間を縫いながらスビンは二人を無視しアディー(ウルツ)とフリーダを探し休憩室に飛び込んだ。

「二人共発見!もう大丈夫だよ!お姉さんに任せてね!」

酷く憔悴した様子の二人を抱き抱え走り出す。

攻防が繰り返される中スビンを見たルアンとセベロは一気に狙いをスビンに定めた。しかしファティの遺漏のファフロツキーズが石鏃や肉をスビンへの攻撃から守る盾にした。

「正義の邪魔なのよっ!」

「正義…!?」

訳がわからないとルアンは戸惑ってしまう。本当にセベロと一時結託して良いものか。対するセベロは時間を止めようと試みたが移動が早すぎる。停められる範囲にはもういない。ウルツとフリーダを抱える彼女の服装はマラソン選手であることに気が付き内心舌打ちした。長年車椅子生活だった自分と長年走ってきた彼女では能力が雲泥の差だ。

「保護しに来ただけ…お前らも」

ブライトンがセベロの足を払いファティが担ぎ上げる。さらにルアンをイラリオが手を引っ張る。

「早く合流しよ〜」

「えっえっ」


しかし此処で予想外の事が起きた。ランバ達がいるのを見つけた所だった。スタメダリアスはファフロツキーズで降った肉を体が再生していく。

「肉食べたら再生するの!?」

ファティが驚いた瞬間爆発が起きた。

全員吹き飛ばされながらランバ達のいる場所へ飛んでいってしまった。

————

「怪我っ怪我してないよね…?!」

「…大丈夫か?」

カジスとランバが見る限りそこまで大したことは無い。長距離吹き飛んだが流石に遺漏者は体が硬い。


「そもそも何で一箇所に集めてんだ?話し合いとかそういう簡単な事なら…自分はお断りだな」

バルダーは断固として不信感を消さなかった。話し合いで解決する問題ではない。治療が欲しいとアディーは話していたのだから。詳しいことは知らないが話し合いで傷は治らない。

「そう、そうだね…でも我は話し合いの為じゃない」

「じゃあ何だよ。とっ捕まえて警察署にぶち込むとかか?」

自身を害すると疑わない彼にティタはロバの形をした耳を見て近づいた。右耳に口を当ててボソボソと話す。

「あのさ、我の部屋のパ………」

「……」

こそこそと何かを教えられたバルダーは忽ち顔を赤らめて錯乱してしまった。

「やめろよおおおおっ!!!そういうのおおお!!!!」

「猥褻猥褻猥褻卑猥卑猥卑猥卑猥破廉恥破廉恥破廉恥破廉恥っああっあああーーーあああ!!!」

バルダーの遺漏はギリシア神話の『パーン』であり遺漏の元になったパーン神は性豪。しかしバルダー本人は反対に作用したらしい。つまり初心(うぶ)。性的な事柄への耐性が皆無。

「うわっ」

セベロはそんな彼を見て小さく肩を跳ねさせた。

ファティはバルダーが何を聞かされたのかを妄想して顔を赤らめてしまう。

「な、何よ…もうっやめてくださいよ!幹部はオリンピュアの顔なんですよ!?」

「我ただのアドバイザーだし」

ファティの抗議に全く意に返さない。そもそも彼にとって性的な事柄や言葉は恥ずべきとはあまり思っていない。人間は総じて性がなければ生まれないのだから。

(…………)

「何であんな事を…?」

「一先ず行動を邪魔されないために」

ランバは真顔で目を逸らした。心底関わりたくない。もう帰りたい。来た時もそう思っていたが。

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