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黄昏のオダマキ  作者: ないある
黄昏のオダマキ 【アルヘア】
73/77

17話【特別な特別な作戦】

ファティが目を覚ました。

気絶するのは初めての経験でまだ少し頭が混乱している。揺さぶられていたのを思い出しすぐ横を見るとネストルが心配そうにこちらを見ていた。見かけによらない低音の声。

「…ひとまず大丈夫そうで良かった」

自身を守ろうとしてくれている小さな背中が頼もしい。

ファティは自身の性格とは違う正義をネストルから見出していた。

「貴方は立場的に安全な場所にいるべきでは?」

そう尋ねると首を横に振った。

「今はまともに動ける人が少ないんだ。上だろうが下だろうが動けるものが動く」

「正しいです。正義の為ならルールを犯しても正義たりうります」

しかしネストルはあまり納得してない。時折流れ弾のように跳んでくる石の破片を防ぎながら。

「限度を知れ」

(………)

もう少し自分の行いを見つめ直す必要があると諭してくる。立ち上がりファティはネストルに指示を仰いだ。

「ならば私に指示をください。その通りに動きます」


頷いたネストルが口を開きかけたとき間延びした声が聞こえた。

「良かった〜此処にも協力者が」

「…ティタ君?準備が終わったのか?」

「やっ、助っ人を集めてきたよ」

ニコニコと笑顔の彼の後ろにオリンピュアの選手や観客達が集まっていた。


その光景に三人の視線がティタに集まる。攻撃の手が止まるのを見てティタは口を再び開く。

「力の差が圧倒的でもさぁ…戦わない理由にはならないよねぇ」

遺漏を持たない。それでも戦い道を切り開く姿。その姿にシズを思い出してしまう。いつも前線に出ていた彼。

だが遺漏を持たない人の肉体は遺漏者より脆い。


(離れないと当たる可能性がある…)

「三人とも手を止めて!ちょいと待ってくれないかい?」

ティタのその要求にバルダーだけは嫌そうだったがカジスとランバを一度に相手にするわけにもいかない。仕方なく戦いの手を止めた。


「いやー色々調べててね我今一を集めててさ。アディーを救う為に」

ティタは使えそうな遺漏を持つ人を集めていた。多くの人を集めるわけにもい数々を絞り尚且つメアリー・スーの汚染が少ない者。結果集まったのはランバやルアンと交流をしていたスビン、イラリオ、ブライトンだった。そして今ファティも計画に組み込もうとしている。タイミングも本人の意思も込みで考えてもかなり不思議だった。偶然縁があった人達だ。

(不思議だよなぁ…選手はともかくランバにルアンと話していた一般の観客も影響が少ないなんて)

それよりもネストルや自身も影響を少なからず受けていた。それが何より恐ろしい。自覚がなかったのだから。

————

スタメダリアスは血を流しながらひたすら命令を実行していた。探し求めるのは治癒の力の持ち主。しかし使えそうな神々には手痛く追い返された。ひとまず該当する別の人を探すことにしたが飛び回るうちに激しい戦闘の音が聞こえてきた。

「なんじゃぁ?」

上を見ると下半身の消えたスタメダリアスが降下してくる。

アディーを助けようとセベロを倒す為にルアンに加勢しようとしている。

————

「まぁ生き当たりばったりだけれども」

「えっ?!えっっぇ…!?使うのか?!」

こんな力使えるもんじゃないと思っていたが…

「発想を捻ればね。ネストルとファティもちょっと協力してくれればより確実」


「さぁ無理やり全員集合作戦の開始だよ」

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