表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄昏のオダマキ  作者: ないある
戦々恐々編
45/56

45話【神々と創造神】

「そなたが地上に降りたお陰で見つける事が出来た次第…それにしても創造神にしては理解に及ぶ姿をしている。随分と人に近い」

「何故、全ての宗教を同時に存在する二律背反の宇宙を創り出したのか理解に苦しむ」

ミフルの目的はただ一つ。この創造神(アンガシャ)から神のオミッションの存在意義を問うこと。

「大日如来に聞いてみたらどうです?」

そう言いアンガシャは宙を見上げる。沢山の目玉が暗闇の中で爛々と輝きアンガシャを見ている。

エジプト神話のラーが、北欧神話のオーディンが、ギリシャ神話のゼウスが、日本神話の天照大御神が。

様々な神話の神々が自国の神話を穢す創造神のアンガシャを見ている。ミフルがミキを使い呼び出したのだろう。

その瞳には怒りが見える。オミッションとして生まれさせられた事に腹を立てている。自分が偽物として存在するのが耐えられない。

特に一神教の天使は自身の神のオミッションが創られなかったことには安堵しているがそれでも自身の出生…天使の偽物として生まれたことを恨んでいる。オミッションの天使が本来の聖書の姿と違うのも人間が作り出した漫画やゲームなどで美男美女の理想の姿を作られそれが広まった。それ故聖書と乖離した姿をしている。

そして今人間に利用されているとある神の自由を取り戻す為にアンガシャに、あるいはランバに責任を取らせようとしてる。

何処かの神が苛立ち批評する時にトマトを投げるかの如く槍を投げつけた。しかしアンガシャに触れる前に塵と化しその塵が淡い光となり消えた。

今此処にいるアンガシャ以外の存在がアンガシャにおそいかかっても勝算はゼロだ。

「一つ尋ねる」

「ふふ、何でしょうか」

「何故我々は生まれた?」

「ただ私のの管理から外れたランバの情緒が自然の流れでこの世界を動かしたというだけの事です。何も怒る事などないではないでしょう。」

世界のOSがバグりそれで何が起こるのか眺める。人間がゲームをバグらせそれを裏技と称して遊ぶのと同じであるとアンガシャは話している。


宇宙の起源説は様々なものが提唱されるがそれら全てが同時に存在する。人間個人の信じる、あるいは考えた宇宙が生き物全てその人用に存在する。宗教、科学、全ての宇宙が在るように創造した為今になり天災が引き起こりランバがデバッグしきれず溢れ出した。人間の無限の思考をサラダボウルのようにぐちゃぐちゃに混ぜた結果だ。その先の宇宙がどうなるのかを見たいが為。

「そなたの言い分は理解した。故に謝罪では済まされないと理解して貰う也や」

右手に持ったナイフをアンガシャに向ける。戦って勝てるという事はあり得ない。もしも、アンガシャを殺せたとしてもそれはこの宇宙の崩壊を意味する。そこには何も残らない。反対にアンガシャも無闇矢鱈と此方を殺すことも無い。世界に自身が介入することを嫌がる。しかしミフル達オミッションの神々も一撃お見舞いしないと気が済まない。

「神とは時に理不尽に語られる者也」

ミフルの言葉を合図に神々が己の司る太陽、雷、海などの権能を振りかざしアンガシャに襲いかかる。

アンガシャの周りで宇宙の色をしたグリッチが発生すると神々の攻撃が飲み込まれ音もなく四散する。

アンガシャが一本の腕の人差し指を動かしミフルに向けた。するとミキが身体を膨張させ鋭い刃をむき出しにミフルに喰らいつこうとする。

ミフルがミキの大口を左手で受け流すとナイフでミキを突き刺し切り刻む。ドスドスドスと重い音が響き巨体では躱すことができなかった。ミキは今際の際にミキは空間転移を使い消えてしまった。

アンガシャはわずかに目を見開いた。指示したとおりに動いたと思えば勝手に持ち場を離れてしまった。今際の際に行きたい場所があったのだろう。

「地上へ降りましたね…私よりも信頼する主人が出来たのですか」

バグシィと違い名も与えなかった試験的に創り出したペット。ミキはアンガシャよりも自身に名を与え可愛がってくれたカクに信頼を置いていた。

「創造神が我々やミキとやらも…よもや自分の創り出した存在に嫌われるとは」

「……返す言葉もありません」

アンガシャはほんの少し項垂れている。アンガシャとてオミッションの神々と敵対する気など毛頭ない。怒りを買おうとも思っていない。神は自然体で接する。アンガシャにとっての自然体は『これ』だった。

「何を言うかと思えば随分と正直だ。もう少し素直になれば良かろうに」

「これが私です。宗教の高位の神は孤高で気高いのですけれどね…私はただ孤独なだけです。その結果がこの様という訳ですよ」

「何ともまぁ自虐的な創造神だ。そなたの立場上悩ましいが…これからは人間の様に未知に驚き、楽しむことが出来れば少しは我々も心休まるのだがな」

「慈しまれているのですかね」

「いんや我々はまだ怒っているぞ。顔面にナイフを突き立てたいくらいには。…まぁランバは今秩序を正そうとそなたの代わりに奔走しているからそれは良いが。そなたはどうする?」

「怒りも悲しみも当然の流れです。私は今貴方方への贖罪を考えておりますのでそれまで暫しお待ち下さい。そして…」

「お帰りくださいませ」

グリッチが発生し神々は強制的に空間から切り離され地上へ落とされ強制的に幕は下りた。

アンガシャが最後のミフルの言葉に少し感情を表に出ていたのをミフルは万の目で見逃さなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ