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黄昏のオダマキ  作者: ないある
人造オミッション編
20/26

20話【不純な存在】

敦己の提案を聞きアズメが自分達の居場所を建物から離れた人の居ない離れた場所、もう使われていない寂れた工場に身を隠す事を提案する。近くに丁度いい場所として紹介されたのだが長い間放置されていたこともあり心許ない気もするが強度としてはまぁ、そこそこだ。無いよりは良いということ。

恐らく狙われているであろうランバとレヰチは特に気をつけるべきだと思ったのだが…。


「つまりランバとレヰチは撒き餌ってことか!ぎゃはは!!」

敦己の提案の裏を読んだ花菜は声を張りけたたましく笑う。

「そういうこったねっ!!」

敦己も肯定した。まさかそんな事を考えていたとは思わずアズメは口を半開きにしている。

「え?安全に返り討ちは?」

「そんなの小物のする事だ!正々堂々真正面からぶつかりあってバグシィをその内に掻っ攫う!!これで計画はパーフェクト!!」

相手は恐らく神話関連のオミッション。それも悪魔のなかでも最高位の存在。それと戦うのに撒き餌なんて死ねと言っているものだ。

「え?」

「もしかしてあけぼのクラブって名前に反してかなり物騒な人の集まりだったりする?」

「愚兄と花菜と…あと一人くらいだけだから一括りにしないで」

(結構いるじゃん)

アズメはレヰチの大きな手を取りほんの数センチ程度ランバ達から距離を取った。

「え?え?」

何故自分が距離を取られたのかランバは分からなかった。

「わ、私は物騒じゃないよ!?」

閑話休題。アズメがアクリエイティに残り残りのメンバーの内ランバとレヰチを目立つ場所に置きバエルを誘き出し残りの面々で捕まえるないし駆除すること。しかしそれ以上の作戦の詳細、具体的にどう戦うのか、バエルの戦闘能力も分からないのが現状だ。

超スピード、悪魔としてなら66の軍団を率いると書かれているが…。

「行き当たりばったり上等!どうせ考える時間もねぇんだ!会って殺す!それだけ決めたなら上々!!」

双の親の仇へ殺意が生んだその言葉はある意味一番周りを鼓舞した。いつ何時襲ってくるかわからないのならもうやるしかない。もしも勝てないと思ったとしても迎え撃つしかないのだから。


しかしアズメはがレヰチをこのまま見送って良いものか分からなかった。生まれて間もなく会話もほとんどしていない。お互いのことを何も知らない。このまま危険な所へ向かわせてお別れになるかもしれない。

「……」

でも、何と声をかければ良いかわからない。

「…えっと、皆、気をつけてね…レヰチもね…!」

それで精一杯だった。


目的地の寂れた工場に辿り着き中で双たちが息を潜め待ち構える。

オレンジ色と紫色の空が地面を照らす。

――――

バエルもまた移動しながらランバ達の考察をしていた。

幾つもの死体を重ねてきたのか体中返り血まみれだ。

ランバ、バグシィ…そして名前は知らない異形頭。

恐らく神かそれに近しい存在…。若しくは何か大きな概念から生まれたもの。そうとなれば力も大きい筈。

しかしそれに歯向かい我を押し通すのが悪魔であり貶され堕とされた元神だ。


バエルは皮膚により開かなかった口をこじ開け敵を噛み千切る為に作られた歯を露出する。その悍ましい歯の1本1本がものを食べる為ではなく他者を傷つける為の尖さを持つ。

「不純な存在は解剖(バラ)せばいい」


バグシィもランバもあの異形頭もこの世界の理解の及ばない存在を不純として破壊する。


あぁ、あの猫もどきを先に潰しておけば良かったか。いや、もう到着してしまう。なら最後に潰せばいい。どうせ猫なのだから大した脅威でもないだろう。

――――

夕焼けを背後に乗せて姿を見せたバエル

ランバとレヰチの二人は戦闘の構えをとる。ランバはアズメから受け取った護身用の巨大なナタを何時でもバエルの腹の中から突き立てれるように気を張り詰めている。


「さて…この世の不純物を纏めて潰そうか」


そう言った瞬間だった。上から大きな雷と鉄骨がが落ちてきた。

「…やっぱり奇襲してくるよな」

体を変形しようとしたが大きな揺れに身体が揺さぶられ中断され押しつぶされてしまった。

「ゴフッ…ふ…っふざけてるな…楽観的になれない…っ」

鉄骨を投げ捨てながら頭を揺らす。ダメージはそこまでなさそうなのにわざと重傷のふりをしているのは火を見るより明らかだった。


「不純って…悪魔でオミッションのテメェもこの世の不純物だろクソボケが」

双が吐き捨てるとバアルは納得したように笑う。

「確かに俺も世界に見放された悪魔(不純物)だな!」

自身の首を跳ね飛ばし笑ったまま生首が白目を剥く。

「え?」


――――

「んにゃ、ぁあ〜…」

バグシィは困惑した鳴き声を上げる。閉じ込められていたとはいえ猫用ケージに入れられていただけで今は極めて穏やかな時間が流れていたのだが。


「んに?にゃあ」

大きな影が現れた。その正体を見てバグシィはわずかに尻尾を揺らした。


その人物はランバに自身を預けたあの異形頭だった。

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