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屍少女は何になる  作者: 島原流星群
第三章 休暇・勧誘・激突
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第三十七話 思考

「......どうして、こうなったんですかね。柏田先輩。」

「知らねえよ、それよりも......考えは変わらないか?」


 柏田先輩に私は問いかける。柏田先輩が言葉を返した時、そこにいつものウザい笑みはなかった。


「ええ、私は『特対課』に所属していたい。だから......お誘いは断らせていただきます。」

「......そうか。じゃあ仕方ねえな。」


 柏田先輩が警棒を構える。その形は異様で、先端がとても大きく膨らんでいてメイスのようだ。......少なくとも人に向けるものではない。


 それに合わせて池先輩がボウガンを構え、美座和先輩が魔力を貯める。きっと機会を窺っている影崎先輩も木刀を構えていることだろう。


「......殺す気ですか。」

「いいや......死なないくらいにはするさ。どうせ治せるだろうからな。」


 遠慮がなさすぎる。私は内心溜息を吐きながらもう一人の私———皐月に問いかける。


(そっちは大丈夫なんだよね?)

『まあね......じゃなくて、ええ。これから美幸の援護に向かわせていただきます。それではしばらく通信を切ります。では。』


 あっちはうまくやれるだろう。もし妨害を食らっても間に合うようにしてくれると助かる。


 それに華名木が美幸の護衛にずっと着いてる。これならば安心だ。


 私は蒼の短剣———プロティアを構える。


「じゃあ......行かせていただきます。」



 さあ、蹂躙を始めよう。




 §




 ……ん。


 どうやら私は目覚めたようだ。


 ステータスを確認する。



<名称:志野 紗綾香(Sayaka Shino)

 種族:[不死族]【E+級】《イモータル・アコライト》


 Lv:1/30

 年齢:0

 体力 450/450(lock)

 魔力 75/75(lock)

 気力 200/200(lock)

 力:125

 硬:86

 知:150/150(lock)

 技:150(lock)

 信:200(lock)

 ステータスポイント:200


 専用スキル:〔不死〕〔痛覚遮断〕〔魔〕〔腐敗無効〕〔捕食本能〕〔眉目秀麗〕〔聖〕〔聖属性無効〕〔光属性無効〕〔医術〕〔絶対権限:五十嵐 陽毬〕〔多重人格〕〔分身〕


 汎用スキル:〔捕食 lv2〕〔闇魔法 lv1〕〔自動再生 lv3〕〔演技 lv3〕〔魔力自動再生 lv4〕〔偽装 lv3〕〔言語(日本) lv9〕〔言語(英語) lv4〕〔演奏 lv3 〕〔料理 lv5〕〔聖魔法 lv4〕〔光魔法 lv4〕〔恐怖耐性 lv2〕〔狂愛 lv10(MAX)〕〔信仰術 lv2〕〔牙 lv1〕〔銃使い lv2〕〔精密射撃 lv1〕〔結界 lv1〕〔短剣術 lv3〕〔軍勢 lv1〕〔並列思考 lv1〕

 スキルポイント:7


 称号:〔はじまりのゾンビ〕〔特異個体〕〔起死回生〕〔名付きの殺害者〕


 聖典スキル:〔安息 lv3〕        >


《イモータル・アコライト》

[不死族]が信仰を強めた場合になる種族。聖の力と光の力に特化しており、このような種族が生まれることは滅多にない。生まれた場合はすぐに殺害することをオススメする。それは既存の信仰とは異なる信仰を築くが故に。

また、この種に弱点と言える部位は存在しない。


〔多重人格〕

自身と異なる魂自身の体内のみにおいて生み出すスキル。生み出せる魂は一つのみ。


〔分身〕

自分のステータスを分割し1/2のステータスと同lvのスキルを保有した分身を作成する。作成可能な分身は一つのみ。


〔並列思考〕

自身の思考を分割するスキル。分割可能な思考はスキルlvに依存する。



 ......lock表示が多い。まずいな、これに達する人が出ると皐月がバレるぞ......いや、魔物のステータスの成長は別ってことで何とかできるかな?


『まあできるんじゃない?今の世界は何でもありなんだからさ。』

「!?」


 私は驚いて周りを見渡す。しかしそこには誰もいない。


『いやいや、いないのは当たり前だって。私は「私」なんだから。』

「......ああ、そういうこと。」


 ここに来てようやく私も理解した。これは〔並列思考〕だ。


『どっちかと言えば〔多重人格〕の方が近いかもだけどね。まあ「私」にとって悪い存在じゃないから警戒解けばいいんじゃない?』

(それもそっか)


 傍目からは独り言を言っているように見えるだろうからこれからは頭の中でしゃべることにする。


『それで「私」?折角だから〔分身〕試してみない?私乗り移れるかも!』

(いや......どこから見張られてるかわかんないのにそれは......)

『大丈夫、陽毬さんの協力があればいけるでしょ!なんなら家でやってもいいし。』


 ......まあ、確かにそうか。でも今はなしだ、流石にバレる。


『ま、それもそっか。ところで......いや、やっぱなんでもない。』

(?ちょっと———)


 私が「私」に問いただそうとした時、


「紗綾香ー!」


 という声と共に美幸がやってきた。


「み......美幸!?げふっ......!」

「紗綾香!紗綾香!さやかー!」


 美幸は私の座っているベッドに飛び込んでくる。勢い余って私の腹に突っ込んできたので私は腹を痛めてしまった。痛い......


「紗綾香......紗綾香......」

「......もう、美幸ったら。別に死ぬわけじゃないんだからさ?」

「いやだよ......置いていかないでよ......」

「......」


 しかしそんな思いも美幸のこんな弱々しい姿を見ていると無くなってくる。


 ......私が進化したから、美幸を苦しませたのか。ならもう進化しないでおくか?


「あ......じゃあ美幸、心配させたから、これあげる。」

「?紗綾香ー、これ何ー?」


 私が渡したのは調合手引き書だ。そういえば二回進化したから後でミッション報酬受け取らないと......


「調合手引き書って言ってね?今の美幸に必要だと思ってさ。どう?」

「え!?いいの、これー!」

「いいよ、大事にしてね?あ、この調合手引き書に関しては私と美幸だけの秘密だから!」

「あっ......うん!わかったー!」


 ? 私と美幸だけの秘密ってところで美幸がぶるって震えたけど何かあったのだろうか?


「.......まぁ、いいか。」

「?紗綾香ー、どうしたのー?」


美幸が聞いてくる。私は「なんでもないよ。」と答えた。






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