第二十七話 見直
「というわけで第一回『特攻課』反省会を開始する。この反省会はこれから火急の用事でもない限り帰ってくるたびにするから、理解するように。」
「分かりましたー!」
「はーい......」
前線基地に戻ったあと、陽毬さん主導のもと私たちの第一回の反省会が始まった。
「それじゃあまず二人は自分の行動を見直して何かある?」
「私は......勢い余って警戒もせずに進んだ結果罠食らったことですかね......」
「私はー......特に何もしてなかったことー?」
私たち二人はそれぞれの問題点を見直す。
「その通り。なんなら私も第一撃を外したことが問題としては挙げられるけれど、それでもタンクとしては最低限はしたと思う。」
そのまま陽毬さんは私の方に目を向けて、
「紗綾香は後方アタッカーとしても前衛としても働きをしたけど前衛の働きをしなきゃいけなくなったのは紗綾香自身が深追いしたから。
あそこで何か投げ入れたりすればよかったし、盾を持ってる私が出ていけば今回のようなことは防げた。」
と言った。おっしゃる通りです......
「それでも紗綾香も魔物を倒したからまだいい。ただ魔法を使う時は私に近すぎないように気をつけるように。
それで次、美幸だけど、舐めてんの?」
しかし、美幸に対してのあたりは私より大きかった。
「えっとー......?」
「美幸が今回やったこと何?何もないよね?精々紗綾香にポーションあげたぐらい?でもそれなら荷物持ちでもできる。
もっと美幸は自分にしかできないことを考えて。酸作ってばら撒いたり毒作ってそれを美幸の短剣に塗ったり私の盾に塗ったり......そうすれば皮膚接触でも効く毒ならダメージを与えられるからそれを意識すること。」
「はいー......」
酷い。まさにフルボッコだ。そう思いながら私は反論できずにいる。ただの正論だったから。
(青春ねぇ〜。)
「紗枝さんも。」
(えっ?)
そしてその矛先は紗枝さんにも向いた。
「紗枝さん、さっき『特対課』でよく見た光景って言ってた。つまりこういうことがあるって事前に知ってた。なんで伝えなかったの?」
(あー、それは......一回体験した方がわかるかなって......)
「百聞は一見にしかず。それを否定するつもりはないけどだからって言って聞かせることを怠らないで。
私たちの耳は馬の耳じゃないんだからちゃんと言って。そもそも応援だけしかしないなら回線切って。思考の邪魔。」
(はい......)
どうやら、陽毬さんは大分怒っているようだ。珍しく顔を歪ませている。
「さっきも言った通り私たちはオンリーワンの部分を探さなきゃいけない。私は盾と牛旁剣、つまり防御を主とした刺突と斬撃といざという時の銃撃。盾も鈍器として使えるからそれもいい。
紗綾香は光魔法の攻撃と聖魔法の回復と信仰術......は置いておくとして、あとは短剣の斬撃がある。
美幸は《調合師》である以上毒や回復のその場での生成を考えて。それと他にも見つけること。美幸にも炎魔法があるけどアレは大して熱くもない、現状間接的にしか関われないのだから直接関わる方法を思いついて。
紗枝さんは過去の経験をとにかく私たちに教えること。事前知識は大事なのは学校のテストで何度も証明されてる。
以上。何か他にある?」
「いえ......」
「何も......」
(ございません......)
「あの......陽毬先輩、そこまでにしといた方が......」
打ちひしがれていた私たちを救おうとしたのは柏田だった。
「......分かった。でも、これはさっきも言ったように帰ってきたら何度もするから、そのつもりで。あと柏田、全員分の対毒対腐食対酸性手袋があったら今度用意して。似たようなのでもいいから。」
「は、はいっす!」
しかしその柏田も速攻でパシリになった。柏田ァ......
「それと、しばらくは1Fの探索をする。連携ができるようになってから2Fに行く。何か異論は?」
「「(ありません......)」」
というわけで第一回目の反省会は終始陽毬さんが怒ってばっかりだった。本当に申し訳ない......




