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屍少女は何になる  作者: 島原流星群
第二章 入局・探索・氾濫
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第二十六話 狩猟

 



「ようこそっす。新宿ダンジョン前線基地へ。まあ俺が勝手にそう呼んでるだけなんすけど。」


 柏田はそう言った。ここは新宿ダンジョン1Fの入り口。そこではいくつかの物資と一枚の扉、そして数人の人員が配置されていた。


「おっす、久しぶり柏田。」

「久しぶり柏田くんー。」

「久しぶり柏田。今日も変わらずお疲れ様。」

「どうも、お久しぶりっす。志野さん、澤田さん、陽毬先輩。」


 私たちは口々に挨拶する。しかし......


「陽毬、先輩?」

「あー、前に俺、陽毬先輩に『研究課』で対戦相手してて......その時ストレートで負けたんで、俺陽毬先輩のことを陽毬先輩って呼んでるっす。」

「ん。忠犬タカ公。」


 説明をする柏田に、なぜか胸を張る陽毬さん。結構な付き合いだからわかるようになったがこの人は結構ふざけたりするところがある。あと遠慮が大分無いだけで結構お喋りだ。


「はあ......ところで柏田?私たちの武装は?」

「あ、はいはい。ちょっと待ってくださいっすよー?」


 と言って柏田は私の短剣、美幸の警棒、そして陽毬さんの牛旁剣と大盾を取り出した。


 ちなみに私たちのステータスはこれ。


<名称:志野 紗綾香(Sayaka Shino)

 種族:[人間族]《聖職者》


 Lv:1/99

 年齢:16

 体力 50/50

 魔力 40/40(lock)

 気力 40/40

 力:15

 硬:10

 知:60

 技:10

 信:65

 ステータスポイント:0


 専用スキル:〔聖〕〔医術〕〔布教〕


 汎用スキル:〔聖魔法 lv4〕〔光魔法 lv4〕〔信仰術 lv1〕〔魔力自動再生 lv5〕〔言語(日本) lv9〕〔言語(英語) lv4〕〔短剣術 lv3〕


 称号:      >


<名称:澤田 美幸(Miyuki Sawada)

 種族:[人間族]《調合師》


 Lv:1/99

 年齢:15

 体力 60/60

 魔力 100/20(lock)

 気力 50/50

 力:20

 硬:10

 知:30

 技:30

 信:5

 ステータスポイント:0


 専用スキル:〔調合知識〕〔魔力貯蔵〕〔等価交換〕〔錬金空間〕〔夢幻〕


 汎用スキル:〔魔力操作 lv3〕〔魔力放出 lv2〕〔融合進化 lv2〕〔分離退化 lv2〕〔解析 lv3〕〔言語(日本) lv9〕〔言語(英語) lv4〕〔棒術 lv2〕〔火魔法 lv3〕


 称号:     >


<名称:五十嵐 陽毬(Himari Igarashi)

 種族:[人間族]《盾持人》


 Lv:1/99

 年齢:19

 体力 80/80

 魔力 10/10

 気力 80/80

 力:25

 硬:20

 知:20

 技:20

 信:15

 ステータスポイント:0


 専用スキル:〔衝撃吸収〕〔盾重量無効〕〔パリィ〕〔心情察知〕〔踏ん張り〕


 汎用スキル:〔自動回復 lv4〕〔気力自動回復 lv2〕〔防御 lv4〕〔魔力変換 lv2〕〔盾術 lv5〕〔能力変容 lv4〕〔言語(日本) lv9〕〔言語(英語) lv5〕〔言語(韓国) lv2〕〔槍術 lv2〕


 称号:    >


 ステータスの部分はほとんど変わっていないがスキルが増加し、全体的に上昇している。これならば油断しなければ大丈夫だと八千代課長のお墨付きを貰った。


『まあ、死ぬ時は死ぬのでその時は好きな記憶でも愛でるか精一杯生きようともがいてみればいいんじゃ無いです?』


 そうニヒルに笑う八千代課長は珍しくこちらでは無い遠くを見ていた。何があったのだろうか。


 ちなみに(lock)とはこれ以上魔力が上がらないということらしい。『研究課』曰く、元の値の3分の1までなのだそうだ。しかも上書きされるので魔力が上がるたびに増やさなければならないとのこと。


「紗綾香ー?行くよー?」

「あ、うん。じゃあ柏田、行ってくるから。」

「行ってらっしゃいっす。無事に帰ってくるんすよ?」


 そして私たちはダンジョン内部に進んだ。





「しかし会わないなぁ。」


 10分後、私は疲れながらそう言った。


「1階は魔物がポップすると大体前線基地に進んで行くから少なくても仕方がない。あと紗綾香、ペース配分間違ってる。」

「え?あ、ほんとだ......」


 どうやら自分でも気がつかないうちに気張っていたようだ。


「はい、紗綾香コレ飲んでー。」

「いや、いいよ。少し休めば......ごめん、やっぱもらう。」


 私は少し休めば回復するから貴重な物資を使うわけにはいかないと思っていたのだが、それで大事な時普通の意味での体力がないというのは結構間抜けだ。それならば物資を使ってでも回復したほうがいい。


「来た。」


 私が美幸の作ったポーションを飲んでいると、陽毬さんが声を上げた。


「「ギュー!」」


 という鳴き声を上げて出てきたのは二匹の短いツノの生えた兎だだ。


「ふ......!」


 兎二匹の突進を陽毬さんが受け止める。そのあと銃剣を突き出すが当たらない。


「ひ、光よ......!」


 私はそう言って光で作った矢を放つ。


 探検から放たれた矢はそのまま角兎の一匹に向かって、


「ギュウ!?」


 綺麗に爆散。その臓物を飛び散らせ、そして魔石のみを残して灰になった。


<《角兎》を殺害。経験値を獲得します。>


「ギュ、ギュウ!?」


 そうやって驚いた兎は逃走。そのまま曲がり角に進んでいった。


「この、待て!」

「待ってー!深追い禁止ー!」


 美幸の言葉を聞いて私は足を止めた。しかし遅かった。


 ———罠!


 その先では脚に力を貯める角兎。その赤い眼には嘲笑の色がある。私は即座に短剣を構えた。瞬間、青い軌跡と白い軌跡が交差する。


「ギ......イィ......」

「......ぶはぁ!」


 勝ったのは私だった。角兎は体の縦半分に切り裂かれその身を二つに分ける。


<《角兎》を殺害。経験値を獲得します。>

<経験値の獲得によりlvが1上昇しました。>


「紗綾香!大丈夫!?」


 美幸が近寄ってくる。


「ああ、うん。なんとかね......いでっ。」

「なんとかね、ではない。紗綾香が突っ込んで勝手に危機に陥ってだけ。」

(よく『特対課』で見た光景ねぇ。)


 反応した私を陽毬さんはチョップし、紗枝さんは何度も見てきたことのように言った。


 こうして私たちの初陣は勝利なれど大失敗に終わったのだった。




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