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屍少女は何になる  作者: 島原流星群
第二章 入局・探索・氾濫
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第二十三話 訓練

 



「と、『特殊害獣研究課』......?」


 訓練室という名前に似つかわしくない名前だ。いや待て、確かその名前をどこかで聞いたはずだ。


『そもそも柏田に『特殊害獣対策課』に対する報告義務はありませんし、おそらくこの武器を作ったであろう『特殊害獣研究課』も『特殊害獣対策課』への報告義務はございません。』


 そうだ。確かに八千代課長が言っていた。柏田の出したあの蒼の短剣を作った筈と言ってた課だった。


「それってあの短剣を作った.......?」

「まあな。そういや桜の嬢ちゃんはいないのか?あの柳沢係長を言い負かしたことを褒めてやりたかったんが......」


 そう言って周りを見渡す『室長』。しかしこの場に八千代課長はいない。


「ごめんなさいね『室長』。桜ちゃんは仕事で今こっちにいないのよ。」

「なんだ、いないのか。まあ今じゃなくても言えるからな。」


『室長』は少し落胆した後、私を立ち上がらせる。


「ほれ、立て。」

「あっ......はい。」


 私は立ち上がる。


「それで、ここって......?」

「俺の専用スキル〔研究室〕だな。外界との接触を絶対に作らなきゃいけないからセーフエリアにはならないが、それでもイカれた空間を作れるって点ではチートだな。」


 成程。訓練室の室長ではなく研究室長というわけか。


「あの、ならなんで訓練室なんですか......?」

「おそらく研究と訓練を兼ねてる。」


 そう答えたのは私を見下ろす五十嵐さんだ。彼女はこの光景にも仏頂面だ。


「ま、そういうことだわ。てな訳でお前らのスキル構成見せろ。それで訓練内容考えるからな。」


 私たち二人はステータスを見せる。


「ふむ......まあ事前に聞いてたが、コレなら五十嵐は四番、志野は......希望の関係で二番と八番の往復だな。志野はまずは二番から行っとけ。」


「というわけで案内させていただくっす!」


 そこで出てきたのはひとりの少女だ。私よりも若く、白衣を着ている。だが、胸がでかい。中学生であろうに胸がでかい。


「クソが。」

「? どうしたっすか?」

「あ、いえいえなんでも......」


 おっと、秘めた思いが漏れ出てしまったようだ。

 私は案内の———


「えっと、名前は?」

「あ、華名木は華名木 湯地(かなぎ ゆち)っす!『特殊害獣研究課』の職員っす!よろしくっす!」


 華名木に私はついていくことにした。


「二番研究室にようこそっす!」


 そこでは、


「火よ!」

「雷!」

「頼む......出てくれ風ー!」


 ......もし私が事前にスキルの話を聞いてなければ、確実に厨二病患者のヤバいところと思っていただろう。


「ささ、華名木は記録官も兼ねてますので、どうぞやってくださいっす!」


 華名木は私にあの蒼の短剣を渡した後、タブレットで録画を始める。


「あの......そんなの言われてもやり方わからないんですけど......」

「大丈夫っす!みんな最初はそう言うっすけど、大抵なんとかなるっす!」


 ええ......?そう思いながら私は短剣を構える。その先には誰もいない。


「えっと......光よ......?」


 私はステータスの光魔法を意識しながら言う。


 シュバッ!


「ぎゃっ!?」


 短剣の先から迸った光に私は目を塞いだ。


「ふむふむ、光魔法はそう言う感じっすかー。」


 華名木は言う。そして、


「よし、次は八番の部屋に案内するっす!」


 と言った。え?今ので終わり?


「今ので終わりなんですか......?」

「だって、もう魔力無いんすもん。」


 そうやって見せられた私のステータスは確かに魔力 0/30となっている。


「はい、それじゃあ行くっすよ!」


 そのまま私は次の部屋に連れてかれる。


「じゃここで〔短剣術〕スキルが生えるまで訓練するっす!」


 と言われて短剣を取り上げられ、ウレタンを纏った一本の棒が渡される。


「え、あの。」

「さ!やるっす!」


 そのあと、何時間も棒を降らされた。



「お疲れ様、志野さん。」

「は、はい......」


 疲れた。私の体には球のような汗が浮かんでいる。


「終わった......」


 ここで五十嵐さんもやってきた。その体はボロボロだ。脚に力も入っていない。


「五十嵐さんもお疲れ。これから一ヶ月半———具体的には志野さんと澤田さんが転校するまではこれを続けるから。今回は基本訓練だけだったけど、ある程度経ったら連携や座学もしていくからよろしくね?」

「まだ......やるんですか......!?」


 私は耳を疑う。嘘だろう?


「大丈夫、桜ちゃんも通った道よ?貴女達でも出来るわ!」


 マジか。八千代課長これクリアしたのか。私もう心折れそうなんだけど。


「さぁ!みんな頑張るわよ!」

「「おー......」」


 元気のない私たち二人の声が出た。しかし、


 ドォォォン!


 という八番の部屋から響いた大爆音によってかき消されたのだった。



 §



 そして、私たちが『都立櫂然高校(かいぜんこうこう)』に入学する日が来た。




ちなみにちゃんとみんな係長が八千代課長に不敬を働いたり脅したりしたのは黙っています。ですが別に係長が言い負けたのは口止めされてないので一日くらいで局内に広がりました。コンマイ語ですね。


ちなみに魔法大全がないので手探りでやった結果詠唱魔法を飛び越し言霊魔法を始めてました。

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