↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍少女は何になる  作者: 島原流星群
第二章 入局・探索・氾濫
26/47

第二十二話 室長

 

「おはようございまーす。」


 次の日、私は『特殊地下構築物攻略課』こと『特攻課』にきていた。


「あ、おはようございます志野さん。」

「おはよう〜。」


 そう返事したのは八千代課長と優希課長秘書。


「すぅ......」


 そして五十嵐さんはデスクでよく眠っている。


「あの......五十嵐さんどうしたんですか?」

「ああ......彼女、昨日書類整理手伝ってもらって、遅くまで手伝ってもらったからその時の疲れが溜まっちゃって......」

「ああ、なるほど。」


 それで今は遅めの睡眠中と。


「あれ、でも課長達はあんまり疲れてないですね?」

「あ、それはね?ステータスの恩恵みたいなものだから......あとはメイクとエナジードリンクの誤魔化しかな?」


 優希課長秘書は言う。つまり強くなったら彼女達のように何日も働かされるということに......


「そういう志野さんこそ、大丈夫だった?顔合わせの日の夜、すごい恐怖が送られてきたわよ?」

「ああ......そっちはですね......まあ、解決しましたので安心してください。」

「ならいいんだけど。次の日は澤田さんからも恐怖の感情が送られてくるからビックリしたわ。そっちは結構長く続いたかと思えば一瞬でなくなるし。」


 成程、どうやら私たちの精神状況をちゃんとモニタリングしていたらしい。


「というか何思ってたかわからないんですね?」

「まあね。流石に私もみんなの心の声みたいなのを四六時中聞いてたら集中力がもたないから、普段は感情だけ受け取ってるの。それにあなた達はまだ接触時間が少ないから近くないと念話は出来ないし。」


 優希課長秘書はそう言いつつ、缶チューハイを開けて口に含んだ。


「......仕事中じゃないんですか?」

「私はね?お酒飲んだ方が仕事できる女なの。」


 そう話すのは優希課長秘書の周りは見てみれば缶チューハイだらけだ。奥にはクーラーボックスも見える。


「そういえば。」


 とここで挨拶以外何も喋らなかった八千代課長が言葉を発した。


「澤田さんは今日はいらっしゃらないんですか?」


 また淡々としている。ただ今回はこっちに感情を向ける余裕がないだけのようだ。


「美幸は......休んでた日のテストを今やってますね。」


 美幸が休んだ日はちょうどテスト最終日だったため、その日に休んだ美幸は一人でテストを受けていた。


「そうですか。ところで転入届書いてきましたか?」

「あっそうなんですよ!課長!転入届を父に破られてしまったので、もう一枚くださいませんか?」


 そうして私はもう一枚の転入届を手に入れた。よかった......


「今度からは気をつけてくださいね。」

「はい!ありがとうございました!」


 と返事する。


「お父さんに破られたって......一昨日の恐怖はそういうことね。大丈夫だった?」

「はい、本当はバレない方が良かったかもしれませんけど......でも、父もなんとか説得することができたので大丈夫です!」


 いや、父が「昨日の転校届だが気が変わった。行ってこい。」と言ったのは本当にビックリした。聞き返すと「なんだ?不満か?」と睨まれたので私は逃げるようにここに来たのだ。


「ん......」


 と言って五十嵐さんが起きた。


「おはようございます、五十嵐さん。」

「あえ......?なんで私の部屋に......?」


 しかしまだ寝ぼけているようだ。そんな五十嵐さんは周りを見渡し、


「あ......ごめん。ここ私の部屋はなかった......おはよう志野。」


 と挨拶してきた。


「よし、ちょうど五十嵐さんも起きたことだし......」


 そして優希課長秘書は立ち上がり言う。


「二人ともこれから『訓練室』に行きましょうか!」




「というわけでここが『訓練室』よ!」


 そう言って案内されたのは一つの部屋だった。そこには『訓練室』とだけ書かれている。


「あの......ここ3階ですよ?オフィス内に訓練室があるとは思えないんですけど......魔法とかもあるし。」

「ふふふ、そう思うでしょー?まあ入ってみてよ。」


 言われるまま部屋に入る。


「失礼します.......」

「はいいらっしゃい。」


 そう答えるのはひとりのチェック柄の半袖を着た髭を生やした男性だ。


「あ、どうも。えっと......お名前は......」

「適当に『室長』とでもしておけ。名前を教えるのは面倒臭いんだ。敬語なんかするな、嫌になってくるからな。」

「えぇ......?」


 彼、『室長』はそういうが、流石に自分より大柄で年上の男性にそんなこと言われてもやりにくかったりする。柏田は別だ。


「了解した。博士、訓練室というのはここであってる?」

「ちょ、五十嵐さん......」


 しかし五十嵐さんはそうではなかったようだった。


「おっいいな。そういう素直なやつが大好きだぞ?面倒が少なくなるからな。」

「嘘は嫌いだから。それで質問の答えは?」


 どちらも似たような人物だからか距離感が近い。


「まあ間違ってもいないし、合ってもいないな。簡単に言えば俺が『訓練室』だな。」

「?何を言って......ああ、柏田のようなもの。」


 ん?『室長』が『訓練室』?訓練室は場所ではない?


「さて、それじゃあ開けるぞ?」


 そして『室長』は部屋に備え付けられた扉を開ける。その中は蜂蜜色で満たされていた。


「えっ......!?」

「こんなんで驚いてたらキリがないぞ?さっさと入れ。」


 と言って『室長』は躊躇いなく入っていく。五十嵐さんと優希課長秘書も入っていく。


 私も躊躇しながら、扉をくぐった。


「っ!?」


 瞬間私の前に熱い火の矢が迫った。

 しかしそれは『室長』の手に塞がれた。


「おいテメェら!何してやがる!」

「いや『室長』?これはただの遊びじゃないっすかねえ?」

「そうそう、次からは流石にしないっすよ。俺らもやられたことだし。」

「アレは金森が勝手にやったことだろうが!何恒例みたいしようとしてんだ!」


『室長』の怒号が響き渡る空間で私は腰を抜かしていた。

 勿論火の矢に驚いていたというのもある。だがそれ以外にも———


 床を流れる水色の光。

 周囲の壁や床の色は電子的な黒色だ。

 そして培養ポッドのようなものがありその中には緑色の液体が満たされている。


 そこは、近未来的な広大な研究所があった。


「あー、すげえ手荒い歓迎になったが......まあ、改めてようこそ。『訓練室』......正式名称『特殊害獣研究課』へ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。