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- 第11話 初めての友達 -

それから、俺とティオは、

ほぼ毎日のように一緒に過ごすようになった。


朝、広場に行けばティオが待っていて。

午後には、木の枝を剣に見立てて戦いごっこをして。

夕暮れには、肩で息をしながら並んで座った。


ティオは、陽気なやつだった。


小さなことに大笑いして、

すぐにふてくされて、

またすぐに立ち直る。


まるで、子供らしさを絵に描いたような存在だった。


そんなティオと一緒にいるうちに、

俺も自然と笑う回数が増えていた。


最初は戸惑っていた。

前世では、人とこんなふうに笑い合った記憶なんて、ほとんどなかったから。


だけど、今は──


笑うのが、悪くないと思った。


ある日のこと。


二人で小さな丘に登り、

村を見下ろしていたとき。


ティオが、ぽつりと言った。


「なあ、ライナス。オレ、将来すっげー騎士になるんだ!」


「騎士?」


「そう! 強くて、かっこよくて、みんなを守るんだ!」


ティオは、目を輝かせていた。


その横顔を見て、

俺は、ふと羨ましいと思った。


(俺には、そんな夢……あったっけ)


「ライナスは、何になりたい?」


突然、ティオに聞かれた。


言葉に詰まる。


──なりたいもの。


そんなこと、考えたことがなかった。


前世では、

ただ、目の前を流されるように生きていた。


夢も、目標も、持たなかった。


でも。


今の俺には、

守りたいものがある。


フィリア。

家族。

そして、ここで出会った人たち。


それを守れるくらいには、

強くなりたい。


「……強い人に、なりたい」


やっと絞り出した言葉に、

ティオは満面の笑みを浮かべた。


「そっか! いいな、オレもだ!」


そんなふうに、

まるで当たり前みたいに言ってくれるティオが、

たまらなく嬉しかった。


空を見上げると、

高い高い青が、どこまでも広がっていた。


その下で、

小さな俺たちは、

未来に向かって、確かに踏み出し始めていた。


──ライナス、七歳の夏。


初めての「友達」との絆が、

静かに、でも確かに結ばれていった。

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