メッセージ
よく、思い出せないんだけど。
最後の視線は、貴方と、交わっていたかなぁ。
私の目は、確かに貴方を捉えていたのだけれど。
愛しい、金色の髪。
少し遠すぎて、表情までは見えなかったような気がする。
それでも十分過ぎるほどに、私の胸は、ドキドキしてた。
あの、長い階段を降りれば、貴方に会える。
そうしたら、長い間空いた時間も縮まって。
そう、まるでお伽話に出てくる主人公みたいに。
再び、出逢う。
そうなると、確信してた。
だから。
お願いだから。
目を覚ましたら、昨日の朝とかに戻っていて。
全部、夢だった、なんてことにはならないで。
百歩譲って、もしも、夢なのだとしたら。
いっそ、このまま。
目を覚まさなくて、良い。
夢の世界で生きていかせて。
そうして。
どうか。
夢の続きを見させて。
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春の暖かな木漏れ日が、穏やかな風と共に窓から入り込む。
私は、スルスルと途切れることなく落ちていく林檎の皮を、食い入るように見つめた。
「足を滑らせて階段から落ちる、とか。本当に、花音ってばドジなんだから!!」
憲子はさっきからぶつぶつと小言を言っているのだけど、慣れた手つきは少しもブレない。
「しかも駅に行くのに、どうして普段使わない歩道橋とか使うのよ?!反対でしょうよ!?」
「いや、えっと…ちょっと冒険してみたくなって…」
「馬鹿!意味わかんない!」
理解できないというように、憲子は頭をぶんぶん振って、切り終わった林檎のひとつを、私の口に放り込んだ。
「ん!おい…ひぃー」
階段から落ちた直後の記憶は、飛んでて、ない。
医者の話によると、私は階段の中腹にある踊り場で止まったらしく。下まで転がっていたら死んでいただろうねとさらっと言われた。
幸い、打撲と腰のなんとかって部分を骨折しただけで済んで。
頭の検査も済ませたが、異常なしとのことだった。
二週間と3日の入院。
大体元気なので、暇です。
「あー、でも救急車、初体験だったのに、乗った記憶がないとか残念すぎるなぁー」
林檎を飲み込んだ後、残念そうに呟くと、憲子が呆れた顔をした。
「そんなんより、入院中に誕生日っていうのの方がよっぽど残念だと思うけど?」
「うっ…」
誕生日というキーワードを聞いて、私の脳裏には嫌なことしか思い浮かばない。
入院して5日になるが、当然の事ながら、この大騒動は親にも伝わっていて。
勿論、誕生日に会う予定だった祖母の耳にも入ったらしく。
大騒ぎして見舞いに来た両親からとんでもないことを伝えられた。
『おばあちゃんそれはそれは心配してねぇ!見合い相手も日取りも完璧決めちゃったのよ!!』
心配した後の矛先が間違っている気がする。
余りな出来事に腹を立てた私は、世話をしに、暫くこっちに滞在するつもりだった両親を、半泣きで追い返した。
けど、お見合いはなくならない。
「…いいもん。どうせ退院したらロクなこと待ってないもん。」
私はぶすっと膨れっ面を作り、枕を抱いた。
憲子はパイプ椅子に座り、そんな私を今度は哀れそうに見つめる。
「本当に、ツイてないわよねぇー。」
「・・・」
ぎゅうぎゅうの六人部屋だけれど、窓際だった事だけはツイていたと、私は内心思っている。
それからとりとめのないことを暫く話して、憲子が帰る支度を整え始めた頃。
「櫻田さん、また、届いてますよ。」
看護師さんが、カーテンの間からひょっこり顔を出した。
「あ、ありがとうございます。」
「毎日、良いですね。」
差し出されたそれを受け取ってお辞儀すると、看護師さんはにこりと笑って部屋を出て行った。
「…こないだから気になってるんだけど、どんどん増えていくその花、誰から??」
その様子を黙って見ていた憲子が、眉を寄せ、首を傾げた。
「それが、、、わかんないんだよねぇ…」
入院して次の日から。
丸い形をした薄いピンクのバラが、二輪ずつ、病室に届く。
差出人は、名前を言わないのだと看護師さんが言っていた。
一瞬、中堀さんかもしれないと期待して、髪色を訊ねたら、黒だった。
「多分…藤代くん辺りかと思うんだけど。」
来る時間帯は不規則で。
夜だったり、朝だったり、今みたいに昼だったり。
腰が痛くて、歩くのも難しいので、誰か確認する為に追いかけることも叶わない。
「へぇ、藤代??忙しそうなのにね。よっぽど花音の事が好きなのねぇ。」
憲子が茶化すように言うので、そんなんじゃないと苦い顔をして見せた。
私と一緒に転がった携帯は、ものの見事に破損して。
連絡は病院の公衆電話から、実家と会社と憲子だけにしかしていない。私の記憶力の限界だ。
社内で憲子は藤代くんを何度か見かけているらしいけれど、忙殺されていて、まともに話もできやしないと言っていた。
だから、忙しい合間を縫って、とりあえず花だけ届けにきてくれているのだろう。
藤代くんのことだから、きっとすごく心配しているに違いない。
あの夜の告白を信じていいのなら、まだ私のことを好きで居てくれているから。
残念ながら、私にはその気持ちに応えることはできないけど。
「入院中にバラだけってどうかと思うけど…花音にあげるっていう点に限っては、まぁまぁセンスがあるわね。やるじゃん藤代。」
ベージュのスプリングコートを羽織った憲子が花瓶に近づき、花を人差し指でそっと突く。
「センス??」
今しがた受け取った花のリボンを解きながら、私は横目で憲子を見て訊き返す。
「うん。花音さ、このバラ、なんて名前か知ってる??」
えっと。
すごい、可愛いバラだなとは思っていたけれど、知らない。
花瓶に挿さっている六つの内の一本を、憲子はすっと取り出して、首を振る私の頬に近づける。
「正解は、アプリコットファンデーション。」
「え?」
なおも首を傾げる私を見て、憲子はくすりと笑った。
「この花、色白の女の子が頬を染めたみたいに見えない??」
言いながら、憲子は持っていた花を花瓶に戻す。
「花音に、そっくりの花だよね。」
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それから二日後の夕方。
「遅くなってごめん。」
藤代くんが、大きな果物バスケットを抱えて、病室に訪ねてきてくれた。
「いや…ていうか、どこに置けばいいの、それ。」
「一応、総務の皆から、なんだけどね。」
藤代くんも苦笑いだ。
「藤代くんはもう課が変わったんだし、忙しいんだから、憲子にでも頼めば良いのに。」
呆れ顔で言うと、藤代くんは渋い顔をした。
「その篠田から早く行けってせっつかれたんだよ。元々行くつもりだったけどさ。」
とりあえず、パイプ椅子を出してもらい、その上に置いてもらうことになった。
入院なんて初めてしたから、わからなかったけど。
剥いていくれる人がいないと、果物って面倒よね。
直ぐ悪くなっちゃうし。
ていうか、こんなに食べれないし。
もらうだけもらっておきながら、心の中ではこんなこと考えてるんだから、私も誰かのお見舞いに行く機会があったら、気をつけようっと。
藤代くんは、果物バスケットの隣にもう一つパイプ椅子を出して、そこに腰掛ける。
「…ずっと気になってたんだ。櫻田が怪我したの、あの夜だろ?直ぐに確認したかったのに、携帯は繋がらないし…」
神妙な面持ちで話し出す藤代くんからは、緊張めいたものも感じた。
「なぁ・・・、足滑らせた、なんて、嘘だろ?」
一瞬の沈黙の後の、藤代くんの声は、静かで、低い。
「・・・・」
私はベッドから起き上がった状態で、無言で俯いた。
「俺、、結局あれからあの人に会いに行かなかった。けど、向こうからの連絡もなかった。…すごく、不安で…だから、もしあの人に何かされたなら俺、、」
「違うよ。」
藤代くんを遮って、私は首を振った。
「けど、櫻田」
「私がおっちょこちょいだっただけ。」
笑って舌を出すと、藤代くんは困ったような顔をする。
「櫻田。助かったから良かったものの…」
「いいの。」
今度は窘めるような口調になる藤代くんに、私はきっぱりと言い放った。
「っっ…」
そんな私の様子を見て、一瞬藤代くんは何か言いかけたようだったけど、やがて大きく溜め息を吐く。
「ホントに、頑固だよな。」
「別に頑固っていうわけじゃ…」
膨れる私の頬や、腕に貼られた湿布に、藤代くんは無言で痛そうな視線を送ってくる。
やがて一通り辿り終えると、私の視線と再び重なった。
「…ごめん。」
「え?」
ぽつり、呟く藤代くんに、私は虚を衝かれた。
「俺、、、本当に馬鹿なこと…、、守るって言っときながら、結局傷つけて…」
「…良いの。」
項垂れて明らかに気落ちし、また自責の念に駆られている藤代くんを、私は笑って許す。
「櫻田…」
私の言葉に勢い良く頭を上げた藤代くんの顔は、切なさを引き連れている。
そして。
「俺…あの夜、、飯山先輩に、言われたんだ…」
ぽつぽつと躊躇いがちに、話し出す。
「『俺を騙した仕返し』って。」
聞きながら、すれ違い様に何か言われていた言葉はこれのことだったのかと、思った。
飯山、性格悪。
あいつ、次会ったら蹴飛ばしてやろうかしら。
「言われて、はっとした。確かに俺は先輩達を利用したけど、それについては悪いなんて思わなかった。けど…同時に櫻田も騙してるんだなって。そしたら、自分のしてることは、何なんだろうって。」
言いながら、藤代くんの目がまたうろうろと彷徨い始める。
「一体何が正しいか、わからなくなって。最終的にはあの人の言いなりになってる自分がいて。。自分で判断することをやめて、後も先も考えてなかった。ほんと、、ごめん。。。」
「もう、いいってば。」
再び頭を下げた藤代くんに、私はぶんぶんと手を振った。
「あ、やべ。」
そこへ、携帯が鳴り響き、藤代くんが慌てて切る。
「中途半端で悪いんだけど…もう、行かないと。また、来るから。」
「あ、うん。忙しいのに、来てくれてありがとう。」
けれど。
急いでジャケットを羽織って立ち上がった藤代くんの動きが、急にピタリと止まる。
「?どうしたの??」
不思議に思って、訊ねると、藤代くんは罰が悪そうな顔をした。
「あのさ…、実はずっとひっかかってることがあって…こんなんで罪滅ぼしになる、とかチャラになる、とかは思わないけど……もしも、櫻田さえ良かったら―」
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「あ、忘れちゃったな…」
藤代くんが帰ってから、私はふと思い出して、ベットからよろりと立ち上がる。
「いてて…」
痛みに顔を顰めながら、花瓶の花達を見た。
「お礼言うの、忘れちゃった。」
小さく反省しながら、さっきの藤代くんとの会話を思い返した。
ちょうどその時。
コンコン、とノックの音がして。
「櫻田さん」
いつもの看護師さんの声が私の名前を呼んだ。
「あ、はい。」
バラから視線を外し、入り口の方に目をやって。
「え?」
私は固まる。
「また、今日も届きましたよ。」
看護師さんが差し出したのは、紛れもない、いつものバラ、二輪。
それを受け取りながら、私の頭の中をクエスチョンが駆けずり回っている。
「……あ、あの…」
おかしい。
藤代くんは、つい15分前に帰った筈だ。
もしも持ってくるつもりだったのなら、さっき渡せばいいのに。
つまり。
「さっき…お見舞いに来た人じゃ、なかったですか?」
私の質問に看護師さんは、首を振った。
「え?いえ…さっきの人とは違いますけど…」
バラの送り主は、、藤代くんじゃ、無い。
まさか。
「っ、その人、どっちに行きました!?」
気持ちが、逸って。
思わず駆けようとして、身体がよろけた。
「どっちって…、櫻田さん。こんな身体じゃ、追いかけられるわけないでしょう。」
看護師さんが驚いた顔をして、私を支えてくれる。
「でも…」
「いつも、裏口から出て行くみたいだったから。もしかしたらそこの窓から見えるかもしれませんよ。」
私の必死な形相を見て、看護師さんは思い出すようにそう言って、私の後ろの窓の外を指差した。
「!!!」
お礼を言うのも忘れ、私は直ぐ様窓際にへばりつく。
三階の窓からは、裏口を出た所から続く道路がよく見えるけれど、普段から人通りが少ない。
案の定、今も、一人の後ろ姿以外は、誰も居なかった。
もしかして、が、確信に変わる。
少し俯き加減で、早歩きの、その、後ろ姿に。
私は見覚えがあって。
その、背中も。
歩き方も。
全てが。
私の中の全神経を掻き乱すには十分過ぎる。
「空生っっ!!!!」
閉まっていた窓の鍵を開けて。
思い切り、大声で、名前を、呼んだ。
振り返りはしないけれど、後ろ姿のまま、中堀さんが、立ち止まる。
髪色は、黒いけれど。
夕陽を浴びて、やっぱりきらりと輝いている。
隠せないその髪色を、貴方は嫌いだと言うけれど。
私はその髪色が、大好きだ。
痛みも、全部、忘れて。
ただ、感じるのは、早鐘のような鼓動。
ねぇ。
「お花っ!!ありがとう!!!!!あのっ、、、、」
ずっと、わからなかったの。
ずっと、自問してた。
あの夜、歩道橋で。
私は確かに、貴方を見た筈なんだけど。
貴方は私を見つけてくれた?
私の名前を呼んでくれた?
それとも。
全部、あれは夢だった?
もう少しで会える筈だったのに、またすれ違ったのかと、確信するのが怖くて。
眠ったままでも良いとさえ、思ったのに。
結局目は覚めてしまって、その先に、貴方は居なかった。
「あのっ、私、やっぱりっ!!」
けど、夢じゃなく。
あの時、私はちゃんと、貴方に会えていたんだね。
もしも。
これで、貴方に会うのが最後になるとしても。
最後の、告白になるとしても。
もう一度、貴方に言の葉を送ることができるのなら。
「どうしようもなく貴方が好きですっ!!!」
今紡ぐ全てが、貴方の為になればいいと願うよ。
同じ部屋の患者さん達も。
直ぐ傍にいる筈の看護師さんも。
多分、こんな大声を出している病人の私を、あんぐりと口を開けて見ているんだろうけど。
残念ながら、私は必死なので。
振り返る余裕も、気遣う気持ちも、これっぽっちもありません。
でもお願いはあります。
邪魔をしないで。
「貴方がこないだ私に言ったことは、信じませんから!!!!」
伝えたいことを、伝えさせて。
零でも、他の誰でもなく。
「私は、【空生】が言った事を信じてますっ!!!」
何にも染まらない、空生を、信じてる。
「私、期待していいですかっ!?貴方がまだ、私のことを好きになる可能性があるって、思ってていいですかっ!?」
往生際が悪いと言われても良い。
「待ってても、良いですか?!」
私はあの二輪のバラに賭けたい。
なのに。
私がこんなに叫んでも。
中堀さんは振り返ることなく。
返事なんて、皆無なままで。
また、一歩、歩き出す。
「ま、待って!まだっ、まだっ、あるんですっ!!伝えたいことが!!!」
私は慌てて、呼び止める。
「傍に居る時よりも!空生が居ない方が、私にはよっぽど苦しいってことをっ!!知っててください!!」
これは、私からのメッセージで。
「あと!!!!お養父さんからの伝言預かりました!!!」
今度は、もう居ない中堀さんからの、メッセージ。
「『私が、』!『君に逢って』!!!!」
いいながら、いつしか私の目尻には涙が溜まっていく。
―『もしも、櫻田さえ良かったら、伝えて欲しいんだ。…俺さ、前にあいつの父親に会ったことあるんだよね。』
さっき藤代くんから聞いた話は。
―『妹が死んだ直後に手がかり探しついでに、力いっぱい責めて罵ってやろうと思って会いに行ったんだけど、会って拍子抜けしたよ。』
多分一番伝わって欲しい時の為に、遠回りして届いた、メッセージ。
―『見るからに人の良さそうな人でさ。…俺には憎くてどうしようもないけど、あいつのことを大事そうに話す家族が居る。妹に、俺が居たように。…俺が、あの時、あいつに復讐するのを止めて、忘れようとできたのは、あいつの父親のおかげだよ。俺のこと、友達か何かかと勘違いしたらしくてね、伝言を頼まれて…』
だから。
「『幸せだったのと同じように』!」
どうか、自分のせいで、皆が傷付く、なんて思わないで。
「『君が幸せであるようにと、いつも願ってる』!」
貴方だって、誰かを幸せにすることができるってことに気づいて。
「お父さんは、そう貴方に伝えて欲しいって言ったそうです!!」
それは、何もはっきりと目に見えるモノじゃなくても。
「誰かを傷つけない人は、この世界に一人もいません!!」
小さく思えることでもいい。
「私もっ、空生もっ、沢山誰かを傷つけて、でも、同じくらいっ、自分も傷ついてきたでしょう?!」
ただ、そこにいる、それだけでも、十分誰かを幸せにできる。
「もうそれで、十分じゃないですか!?」
また立ち止まっていた中堀さんが、今度こそ歩き出す。
「私は貴方にこれ以上傷付いて欲しくないっ!!!!」
頬を幾筋も涙が流れていく。
こんな泣き虫で、めちゃくちゃなこと言ってる私を。
置いていかないでと、本当は言いたかったけど。
「ひっ…くっ…」
もう、貴方の姿が見えなくなった。
視界から消えた。
もどかしい。
動かない、この身体なんて、脱ぎ捨てて。
窓から飛び降りてでも、追いかけたいのに。
飛べたら、良かったのに。
力のない、アルバトロス。
上昇気流を掴めないアホウドリ。
伝わらない。
届かない。
でも想いが途切れない。
「っつ…ふっ…」
どうしようもない。
今の自分の気持ちを、なんて言い表わしたら良いのかすら、思い浮かばない。
嗚咽を漏らしながら、その場にくずおれた。
何もなくなった景色が、やけに肌寒い。
願わくば。
私が伝えたいことの、ほんの少しでも良いから。
中堀さんの心に入ってくれれば良いのにと思う。
私が変わってないって、知っていて欲しい。
いつかを期待してしまう往生際の悪い私を許してね。
花を届けてくれた理由を、考え巡らしてしまう私を笑っても良い。
もう。。
二度と会えないとしても。
二度とない恋をした。
切なくて、辛くて、苦しくて。
結局、ちゃんと交わることは、なかったけれど。
愛しくて、愛しくて、仕方ない記憶。
こんな恋ならしなければ良かったなんて、思わないよ。
―その日を境に。
毎日欠かさず届いていた無言の花束は、途絶えた。
折角できた、薄皮一枚の繋がりを、自ら絶ってしまったんだろうと思う。
なんとなく、そんな気はしてたから。
不思議ともう、涙は出てこなくて。
ただ、あなたの幸せを、心から願った。
その隣にいるのが、私じゃなくても。
私は、あなたに逢えて良かった。




