我儘狐の居候 3
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本日3回目の投稿です。
中庭を歩き回り、ついでにハレムの中も適当に回ってみたが、これと言って手掛かりはなかった。
いつの間にか日が落ちて、空が藍色に染まっている。
(お腹すいたー)
そう言えば、夕食はどうなるのだろう。部屋まで運んでくれるのだろうか。それとも、お付きの女官がいないので、厨房まで取りに行かなければならないのだろうか。聞くのを忘れた。
シャハラは部屋に戻る前に厨房を覗いてみることにした。そこで聞けば何かわかるだろう。
(お父様が届けてくれた荷物も、部屋に到着して入る頃よね?)
もし夕食が用意されていなかったら、一緒に届けてくれることになっているお菓子でも食べて今日はすごそう。明日からどうすればいいのか厨房で確認しておけば、明日以降の食事は問題ないだろう。
そんなことを考えながら厨房へ向かうと、料理人の一人が不思議そうな顔をした。
「どうなさいました?」
「ええっと、今日から部屋を賜ったアブダラの娘ですが、食事について聞き忘れたと思いまして。部屋で待っていたら届けてくださるのでしょうか、それとも、取りに来た方がいいのでしょうか?」
「夕食であれば配膳係が届けますよ。お部屋に届いていなかったですか?」
「まだ確認してないんです」
「失礼ですが、お部屋はどちらで?」
シャハラが自分の部屋の場所を伝えると、料理人は途端に青ざめた。
「あ、アズラクの間ですか」
アズラクの間というのがシャハラの部屋の通称らしい。確かに、部屋の扉には青色の花の模様が入っていた。
「ほ、本当に?」
「ええ、本当に。本日からその部屋を賜りました。シャハラです。どうぞよろしく」
料理人の困惑した表情に憐憫が混ざった。
幼い見た目の娘が怪異の起きる部屋をあてがわれて、もしかしたらいじめと勘違いしたのかもしれない。
「あの部屋には、食事は運ばれていないはずです。その……、すみません。すぐにできるものを用意しますので、本日はそれでご容赦いただけないでしょうか? 明日の朝からは用意しておきますが、ええっと……」
料理人が言葉を濁した理由がわかった。
怪異のある部屋には誰も近寄りたがらない。それは使用人も同じだろう。配膳係の女官が嫌がって届けてくれない可能性があるのだ。
「食事なら、厨房に用意しておいてくれれば自分で取りに行きますよ」
すると、料理人はあからさまにホッとした顔になった。「すぐに用意しますね」と料理に取り掛かってくれる。
手持無沙汰になったシャハラは、料理が出来上がるまでの間、ぼんやりしながら考えた。
(この様子だと、お風呂のお湯も準備してもらえないかしら。ということは、大浴場の場所も聞いておかないと)
これでは快適生活とは程遠い。
(早く怪異を解決して、女官たちが怯えずに配膳してお湯を運んでくれる環境を整えなくちゃ……)
シャハラはこっそりため息をついた。
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