我儘狐の居候 8
お気に入り登録、評価などありがとうございます!
本日2回目の投稿です。
桃源郷から帰って、ユエにお風呂を用意してもらってさっぱりすると、シャハラはさっそく桃を食べることにした。
桃源郷の家から拝借して帰った包丁で切って皮を剥いて行くと、横からひょいっとユエが取っていく。
「ちょっと!」
「なかなか筋がいいぞ。桃は剝きにくいからな」
「じゃなくて、食べたいのなら自分で剥きなさいよ」
「俺の衣食住はシャハラが用意する契約だ」
「だから、そんな契約は無効よ! これ、早く取って!」
「やだ」
シャハラはムカッとしたが、この桃はもともとユエの住処にあったものだ。ぐっと我慢して、一個分の桃を向き終わるとユエの前に出してやる。
それから自分の分の桃を剥いていると、あっという間に桃を食べ終えてユエがふらふらと浴室へ向かった。
「じゃあ俺もひとっ風呂浴びて来るかな」
「ユエ、着替えは?」
「んなもんいるか。俺様は天狐様だぞ」
天狐であることと着替えが不要なことの因果関係がわからないが、妖怪――じゃなかった。仙とかいうものは着替えをしないのかもしれない。
(というか、そもそもなんで、ユエはハレムに住み着いているわけ?)
ユエからしたら、カディール国は異国だ。何か理由がなければ、わざわざこんな場所までやって来ないはず。
理由は不明だが、あの様子だとしばらく出ていくつもりはないのだろう。
シャハラは左手首の数珠を見て、そっとため息をついた。
「仕方ない。……しばらくは我慢しよう」
ひとまず、シャハラが見張っていればユエは怪異を起こすまい。
怪異をどうにかするという目的は果たしたのだから、王からお咎めもないはずだ。あまり早く解決したと言っても信じてもらえないかもしれないので、半月かそこら経ったあたりで、「無事解決しました」と報告しておこう。
「って、あれ? そういえば、怪異が解決したら誰に報告すればいいんだっけ?」
アブダラから聞いていない。
シャハラは悩んだが、考えるのが面倒になって来たのでやめた。
「ま、何とかなるでしょ」
あむっと口に入れた桃は、とってもみずみずしくて甘くて、大変美味であった。
面白い!続きが気になる!続きが読みたい!と思ってくださった皆様、
ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ




