第十九話 ホームルームと筋肉痛
体育祭翌日。
ホームルーム。
教室はうるさかった。
「筋肉痛やべぇ」
「足上がんねぇ」
「団長声出てねぇじゃん」
西野が睨む。
「うるせぇ」
でも本当に声が少し枯れていた。
「ほらな」
「団長喉終わってる」
爆笑。
西野は机に突っ伏した。
「寝る」
「団長が死んだ」
さらに笑いが起きる。
その時。
担任が教室へ入ってきた。
箱を抱えていた。
「先生何それ」
「没収品」
一瞬静かになる。
「嘘です」
「びっくりした」
担任は箱を机へ置いた。
中身を見る。
ジュースだった。
教室がざわつく。
「約束のやつです」
「マジ?」
「先生ありがとう!」
「ピザは?」
担任は即答した。
「ありません」
静寂。
そして。
「あ」
江口だった。
「ああああああ!!」
教室中が反応する。
「ピザ!!」
「忘れてた!!」
「そうだピザだ!!」
「あと少しだったじゃん!!」
「三年強ぇんだよ!!」
一気に騒がしくなる。
担任は呆れた顔だった。
「二位です」
「知ってるよ!!」
「惜しかったんだよ!!」
「同点だったじゃん!!」
「優勝したかったなぁ」
少しだけ。
教室が静かになる。
その時だった。
「でも楽しかった」
安西が言った。
「まぁな」
宮坂が頷く。
「応援団リレーとか最高だった」
「団長走ってたし」
「団長真面目だったし」
「団長泣いてたし」
西野が顔を上げる。
「泣いてねぇ」
「泣いてた」
「泣いてない」
「泣いてた」
女子側が盛り上がる。
爆笑。
御影は黙ったままジュースを飲んでいた。
少しだけ楽しそうだった。
担任が出席簿を閉じる。
「次の行事は文化祭ですね」
それだけだった。




