No2.リエージュ突破戦
「諸君!我々は血の滲むような努力の末に欧州最強の軍隊を作り上げた。最強の軍隊を使う時が来た!傲慢不遜な三国協商を我々で叩き潰そうぞ!」
「Es lebe der Kaiser!」
こうしてヴィルヘルム二世率いるドイツ帝国はベルギー王国へ進軍を開始し、世界大戦の幕が切って落とされた。
「遂にドイツが攻めてきたか……」
「はっ。既にドイツ軍はリエージュ要塞に迫っております。援軍を向かわせますか?」
「いや。我がベルギー軍は六個師団しかない。ここで援軍を送れば国全体の守りが崩壊する。来たるべき会戦に向けて兵力を温存する。」
「了解いたしました。」
こうしてベルギー国王アルベール1世は、リエージュ要塞を“時間稼ぎ”として見捨てる決断を下した。
ドイツ帝国陸軍はリエージュ要塞に到達した。
「シュリーフェンよ。守備兵が少ないということは、ベルギーは野戦軍を温存するつもりか?」
「恐らくそうかと。援軍は来ません。」
「よし。重砲部隊に砲撃開始を命じよ。リエージュ要塞を粉砕してやれ!」
「了解しました。」
42cm砲15門を含む重砲隊が一斉に火を噴いた。砲撃開始から六時間後の午後七時、主要要塞群はすべて沈黙し、司令官ルマン中将は瓦礫の下で重傷を負い意識を失った。リエージュ要塞は半日で突破され、ドイツ軍はフランスを目指して進軍を再開した。
「何だと!?リエージュが半日で突破された!?既にドイツ軍はこちらに迫っているだと!」
「はっ。敵は42cm砲を使用した模様で、ルマン中将も重傷を負われました。」
「どうする?我が軍は五個師団しかない。フランス軍もまだ到着していない。このまま戦えば数時間で粉砕される。」
「ここはフランス領へ撤退し、フランス軍と合流すべきかと。」
「……分かった。全軍撤退せよ!」
「シュリーフェン総参謀長!敵はフランス領内に撤退しております!」
「追撃はどうだ?」
「砲兵の再配置と補給のため、短時間の休息が必要かと。」
「よし。全軍に休息を与えよ。その後シャルルロワ方面へ進撃する。」
「ベルギー側から侵攻してくるとは……」
「どうなさいますか、ポアンカレ大統領。ベルギー軍は我々との合流を求めています。」
「よし。フランス軍は総力を挙げてベルギー軍と合流し、シャルルロワでドイツ軍を迎え撃つ!」
こうしてドイツ、ベルギー、フランスの三軍は、決戦の地シャルルロワへと収束していくのだった。




