No18.モスクワの危機
フルンゼ率いる赤軍主力部隊が南部戦線から撤退し、西部戦線に急行している頃。モスクワは陥落寸前の危機に陥っていた。黒軍の進軍に気づいた赤軍は西部方面軍の17万人で足止めを図ったものの、シュリーフェンの奇襲によって完膚なきまでに叩かれていた。そのことによりモスクワには守備兵8万と西部方面軍の敗残兵を加えた10万弱の兵力しか残されていなかった。
「レーニン同志!黒軍はズヴェニゴロドに布陣しています!このままでは数日以内にモスクワは陥落します!モスクワの陥落は即ち赤軍の負けを意味します!」
「そんな事はわかっている!既にフルンゼには電報を送った!我々はフルンゼ率いる主力軍が来るまで耐え忍ぶぞ!」
「しかし恐らくフルンゼ将軍率いる主力軍がモスクワに到達するまでは二週間程度かかるかと。それまで耐えきれるかどうか....」
「徹底的にモスクワの守備を固めよ!城門は閉じ、強固な守備陣地を構築せよ!」
「ははっ!必ずや守り抜きます!」
こうして赤軍は決死の陣地構築を行っていた。その頃モスクワ西方60kmのズヴェニゴロドに布陣している黒軍部隊は偵察部隊を南部戦線に放っていた。
「シュリーフェン参謀長!ヴォロネジに布陣していた赤軍主力はモスクワに転進している模様です。ヴォロネジには5万程度の兵士しか残っていないとのこと。」
「ユデーニチ将軍に電報を打て。ヴォロネジに対陣している敵主力は転進している。背後を突き、損害を与えたしとな。」
「しかしいいのですか?」
「よい。今は白黒両軍が協力する時だ。」
「ははっ!今すぐ電報を打たせます!」
「ユデーニチ将軍!シュリーフェン参謀長からの電報です!」
「シュリーフェンからの電報だと!?」
「はい。ヴォロネジに対陣している敵主力は転進している。背後を突き、損害を与えたしとのことです。」
「よし!追撃をかける!部隊に命令せよ!」
「しかし良いのですか!?罠の可能性がありますよ!?」
「よい。偵察攻撃をし、反応を見れば敵主力がいるかどうかくらいは分かる。いなければ攻撃を仕掛ければ良い。」
「ははっ!」
こうして赤軍は南部戦線では白軍の攻勢、西部戦線では黒軍の攻撃に晒されていた。この二正面作戦によって赤軍の範囲はどんどんと狭まっていくこととなる。




