No15.白軍との交渉
ロシア内戦で赤軍,黒軍,白軍が争う中、ドイツ帝国は白軍に対して講和条件を突きつけていた。その条件は以下のものだった。
第一条 停戦および講和
1.ロシアとドイツは、東部戦線における一切の戦闘行為を即時停止する。
2.両国は互いに敵対行為を行わず、軍事衝突を回避する義務を負う。
3.本条約は両国間の正式な講和条約として扱われる。
第二条 領土に関する規定 ロシアは以下の地域の離脱・独立・割譲を承認し、これらの地域に対する一切の主権・権利を放棄する。
(1)独立国家として離脱する地域 ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニア、ベラルーシ、ウクライナ、フィンランド、グルジア、アゼルバイジャン、アルメニア。
(2)ドイツ帝国の勢力圏に編入される地域 バルト海沿岸の軍港および鉄道施設、黒海沿岸の主要港湾(オデッサ、ニコラエフ、ケルチ)、ドン川下流域の一部。
第三条 軍事条項
1.ロシアは軍の解体・縮小を行わない。
2.ロシア軍は、ドイツおよびドイツの保護下にある諸国家に対し、軍事行動を行わない。
3.ロシア軍は、割譲地域への進軍・駐留を禁止される。
4.ドイツ軍は、ロシア本土への干渉を行わない。
5.両軍は国境線において挑発行為を行わない。
第四条 政治条項
1.ドイツは、ロシア白軍政府を交戦当事者として承認し、本条約を正式な国家間合意として扱う。
2.ドイツは、ロシアの正統政府について中立の立場を取る。
3.ロシアは、割譲地域の政治・軍事・外交に干渉しない。
4.ロシア白軍は、ドイツが黒軍を支援することに抗議しない。
5.ドイツは赤軍への支援を行わない。
第五条 経済条項
1.ロシアはドイツに対し、穀物・石油・石炭・鉄鋼の長期供給契約を締結する。
2.ロシアは賠償金として、総額六十億マルクを十年分割で支払う。
3.ロシア国内におけるドイツ企業の経済活動を優先的に認める。
4.ドイツはロシア本土の経済活動に干渉しない。
第六条 内戦に関する規定
1.ドイツはロシア内戦に直接介入しない。
2.ドイツは黒軍への支援を継続する権利を保持する。
3.ロシア白軍は、これに抗議しない。
4.ドイツは赤軍への支援を行わない。
5.ロシア白軍は、内戦遂行に必要な軍事行動を制限されない。
白軍としては領土に関しては、既に実効支配できていないため問題なかった。問題になったのは賠償金の六十億マルクであった。ただでさえ内戦で主要な穀倉地帯を失っていた白軍には到底払える額ではなかった。この条件を受け入れることは経済的にドイツに従属することを意味していた。しかし、ここで拒否すればドイツがそれを口実として全面介入してくる可能性もあった。つまり断らなければ経済従属、断れば滅亡という最悪の状況であった。甲論乙駁あったものの、最終的に白軍政府はこの講和条件を全面的に受け入れた。ここにドイツ帝国の全面的勝利で第一次世界大戦は終わった。しかしロシア内戦は続いており、実質的には戦争は止まっていなかった。こうして世界は次の混乱が渦巻く停滞期へと入っていくことになる。
今回で一次大戦は終了です!
次回からは戦後世界とロシア内戦の続きに入ります!




