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新史:第二帝国  作者: 桜虎


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No13.レーニンの焦り

一時的に協力関係となった黒軍と白軍は敵対を止めた。それは即ち両軍の矛先が赤軍に向いたということでもあった。




「同志レーニン!南下させた部隊は白軍に迎え撃たれ、黒軍はドイツの援軍と共にモスクワに向かって進軍しているぞ!」




「しかし我々にも余力はない!63万いる総兵力のうち、38万は南部戦線に割いているのだ!モスクワの守備隊に最低でも8万は残さねばならん!そうすると黒軍を迎え撃つのは17万しかいない!黒軍はドイツ軍を含む25万以上はいるだろう。真っ向からでは勝ち目はない!」




「しかし南部戦線から引き抜く訳にもいかないぞ。それを行えば南部戦線は崩壊してしまう。」




「そんな事はわかっている!私は打開策を聞いているのだ!」




「黒軍に対して互角の戦いをするためにはトゥハチェフスキーを軍司令官に据えるしかないかと。」


当時トゥハチェフスキーは白軍を脱走し、南部戦線の師団長として戦っていた。




「しかしまだトゥハチェフスキーには赤軍での実績がない。師団長でも破格なのだ。軍司令官など無理だ。」




「そうなると西部戦線は支え切れません。モスクワを放棄するしかないかと。」




「それも不可能だ。モスクワを放棄すれば我々は民衆からの信頼を失う。そうなれば負けだ。」




「ならば白軍と一大決戦を行い、高速で勝利し西部戦線に回すしかありません。」




「それもだいぶ賭けだな。」




「しかしそれしかありません。これが失敗すれば赤軍は負けます。」




「よく分かった。東部戦線司令官であるフルンゼに伝えよ。何としてでも早期決戦を行い、西部戦線に合流せよと。」




「ははっ!」










「皇帝陛下。赤軍は38万の兵力で我々に攻撃を仕掛けております。」




「我々は北部戦線司令官であるニコライ・ユデーニチに任せるしかない。彼は白軍の天才だ。必ず赤軍を追い払ってくれるだろう。」




「しかし陛下。ユデーニチ将軍は25万の兵しかおりません。13万の兵力差で勝てるのですか?」




「大丈夫だ。たとえ我らが負けたとしても、敵に痛手を与えれば良い。そうすれば黒軍が敵を打ち破る。」




「万が一黒軍が負けたときにはどうするのですか?」




「万が一黒軍が負けたとしても、赤軍には大損害が出ているはずだ。そこを我らが攻撃すれば勝利は明白である。」




「ははっ!」




孤立した赤軍にとっての勝ち筋は最速で決戦で勝つことしかなかった。トゥハチェフスキーと並ぶ天才と言われるミハイル・フルンゼ。彼は早急に白軍を叩き潰し、西部戦線での戦いに間に合うことはできるのか。しかし白軍の北部戦線司令官は山岳戦・冬季戦を得意とする白軍の天才、ニコライ・ユデーニチである。白軍・赤軍の主力決戦はどちらが勝利するのか。

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