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流転の國 vol.7 〜幻と記憶が交差する宙色の物語〜  作者: 川口冬至夜


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第五十七話 悩むジェイ

(どう考えてもおかしい。『クロス』は今どこで何をしているんだ…?)

数日経っても誰も現れない訓練所の前で、ジェイは腕を組んで考えていた。

「『鑑定』発動」

何度も建物に向かって『鑑定』を使ったが、ここが『クロス』の拠点であることは明白である。

しかし、肝心のシャドーレはおろか隊員すら姿を見せない。

(もしかして連休?それにしたって長いような気がするけど…)

ジェイはこの辺りに身を潜めるのも限界があると感じていた。王宮の近くは豪華な邸宅ばかりで、街外れにあるようなホテルは見当たらない。『クロス』の訓練所と往復する形で、シャドーレの邸にも何度か足を運んだが、帰ってきた気配はなかった。

(非常事態の時みたいな緊迫感は感じられないけど、何かが起きていて総出で出動している可能性もある。もしくは、やはり連休と考えるべきか…。どちらにしてもシャドーレには会えそうもないな)

ジェイの予想通り、今『クロス』は連休中だった。さらに間の悪いことに、マヤリィ合同捜索の為に流転の國の者を呼び寄せたヒカル王が「しばらくは軍事面の心配はない」と断言したせいで、ただの三連休がゴールデンウィーク並みの大型連休に変わってしまった。お陰で訓練所はもう何日も空っぽのまま。

(宿舎は王宮の敷地内にあると聞いたから、うっかり入ることも出来ない…。それに、なんて説明したらいい?シャドーレの知り合いだと名乗ったところで信じてもらえないかもしれないし…)

ジェイは色々考えたが、どうすることも出来ない。それに、ここ数日訓練所に出入りする人間がいないか見張っていた為に体力的にもそろそろ限界だった。

(王宮の敷地に入り込んだら、それこそ怪しい者だと思われるだろうな…。ヒカル様は僕の顔を知っているけど、謁見が許される前に不審者だと見做されて捕まりそうだ…。だけど、この辺りを歩いてて職質されるわけにもいかない…。どうする…?)

ルーリが記憶を取り戻したことも、流転の國と桜色の都が再び盟約を結んだことも、ヒカル王がマヤリィを探していることも、ジェイは何ひとつ知らない。知っていたら、こんなに悩むこともなかっただろうし、マヤリィの居場所を皆に伝えることも出来ただろう。

(…仕方ない。職質されて捕まるわけにもいかないし、姫と合流することにしよう)

ジェイは散々悩んだ末、マヤリィを追ってエアネ離宮を目指すことを決めた。

(とりあえずあのホテルに戻って、少し休んでからエアネ離宮に向かおう。今ならまだ『空間転移』が発動出来るはず)

ジェイはかなり疲弊していたが、それでも何度か『空間転移』を使って、やっとの思いで「ミラーとジェイムズの拠点」となっていた街外れのホテルまで戻った。


ホテルの従業員はジェイがミラーの旅仲間であったことを覚えていた。

しかし、彼女がフランシスとともに街を出たことも知っているので、それについては触れることなく、ジェイを部屋まで案内するのだった。

流転の國で起きたことを何ひとつ知らないジェイ。

運悪く『クロス』の連休中に訓練所を訪ねたジェイ。


マヤリィを追ってエアネ離宮に向かうことを決めたジェイですが、彼女もまた頼るべき人物とすれ違っていました…。

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