表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流転の國 vol.7 〜幻と記憶が交差する宙色の物語〜  作者: 川口冬至夜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/79

第四十八話 正しい禁術の使い方

何としてでもミノリを救いたい。

その一心で書庫に入り浸っていたルーリは、宝玉に関する魔術書を見つけ出し、同時に『能力強奪』魔術の活用方法を思い付くのでした。

しかし、それには彼女の協力が必要です…。

「シロマ、私と魔術適性を交換してくれないか?」

ある日、シロマを書庫に呼び出したルーリは突然そう言った。

「魔術適性の交換…にございますか?」

「ああ。正確に言えば、私は自分の魔術適性を手放した上で、お前に対し『能力強奪』を発動する。その後、私の身体から離れた雷系統魔術の適性をお前に受け取ってもらいたい」

その禁術はシロマも覚えている。

「『能力強奪』とは、クロネちゃんの一件でルーリ様が発動するおつもりだった禁術にございますね…?」

…そう。クロネに対して使おうとしていたが、魔術書の注意書きに気付いて直前で発動を取りやめた禁術のことである。

「あれを安全に使うことが出来るとおっしゃるのですか?」

「ああ。今すぐ発動するわけにはいかないが、私に考えがある」

ルーリが言うには、二種類の『宝玉』を作り出し、それを使って適切なタイミングで魔術を発動することにより『魔術適性の交換』が可能になるらしい。

「流れとしてはこうだ」

①ルーリが自分の魔術適性(雷系統魔術)を手放し、用意しておいた宝玉に込める

②ルーリが『能力強奪』の宝玉を使ってシロマの魔術適性(白魔術)を得る

③シロマがルーリの魔力が宿った宝玉(①)を発動して魔術適性(雷系統魔術)を得る

「工程は少し複雑だが、事前準備さえ完璧に出来ていれば成功するはずだ」

説明を聞いたシロマは少し考えた後で、

「ルーリ様でしたら『能力強奪』魔術の宝玉を作ることは可能だと思います。しかし、魔術適性を宝玉に込めるとは、聞いたことがございません」

「それは私も初めて知った。『解毒』の方法が載っている毒系統魔術の本を探していたら、宝玉に関する魔術書を見つけたんだ」

ルーリはそう言って魔術書をシロマに渡す。

既に何度も読み返したと見えて、魔術書には付箋が貼ってあり、細かい字で書かれたメモが挟まっていた。

「この本によれば、魔力の宿った身体の一部を捧げることで、魔術適性を宝玉に取り込ませることが出来るらしい」

「ルーリ様の身体の一部を…!?」

話を聞いて怯えるシロマに、ルーリは優しい声で説明を続ける。

「シロマ、そんなに怖がらなくても私の肉を切り取ったりはしないって。…私が宝玉に捧げるのは髪の毛だ。何もしなくても髪には魔力が宿りやすいと言うし、宝玉に捧げるにはうってつけだろう?つまり、私の全ての魔力を宿した髪を切って宝玉に取り込ませれば『雷系統魔術適性』の宝玉とでも言うべき物が出来上がる。…分かるか?」

「はい…。その後、魔術適性を持っていない状態のルーリ様が私に対して『能力強奪』を発動し、さらにその後で私は『雷系統魔術適性』の宝玉を発動する。…この方法ならば、魔術適性の交換が可能だとおっしゃるのですね?」

シロマはルーリの説明に必死でついていく。

「そういうことだ。魔術適性を持たない状態ならば『能力強奪』を発動しても死ぬことはないだろうからな」

ルーリは言う。『能力強奪』魔術を利用して二つ目の魔術適性を得ようとする者は例外なく命を落とす、というデメリットを回避しながら禁術を使う方法を思い付いたのだ。

「この方法がうまく行けば、私はお前の持っている白魔術の力を手に入れられる。そうすれば、ミノリの身体を治せるはずだ」

しかし、これまでシロマがいくら回復魔法を施してもミノリの身体が治ることはなかった。

白魔術の適性を得たところで、ルーリはどうやってミノリを救うと言うのだろう。

「色々と不思議に思っているだろうが、もう少し説明させてくれ。…私は思い出したんだ。マヤリィ様が授けられた毒系統魔術のマジックアイテムが存在することをな」

ルーリはそう言うと、ひとつの魔術具を取り出し、シロマに見せるのだった。



★用語解説★


『能力強奪』…本来は相手の特殊能力を奪い取る禁術。魔術適性を奪うことも出来るが、発動する側が既に何らかの魔術適性を持っている場合、例外なく命を落とすとされている。今回、ルーリがわざわざこの禁術の宝玉を作るのは、発動する際の魔力消費を抑える為。

※クロネから黒魔術の適性を取り上げる為に習得したものの、上記の注意書きに気付いて発動を取りやめた。


『魔術適性の宝玉』…魔力の宿った身体の一部を捧げることで、自分の魔術適性を宝玉に込めることが出来る。「身体」の一部とは言っても、魔力の宿りやすい髪の毛を捧げるのが最善策。これを受け取り発動した者は宝玉に込められた魔術適性を得ることが出来る。

※先日ルーリが書庫で発見した宝玉に関する魔術書に書かれていた。一定以上の強さの魔力があれば作り出すことが可能である。

ルーリは書庫で見つけた宝玉に関する魔術書を読み、シロマと「魔術適性の交換」をする方法を考え出しました。

そして、ミノリを救う鍵となるのは、今は亡き毒系統専門の魔術師がマヤリィから授けられたマジックアイテムです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ