第7話 街歩き How much?ある綺麗な人へのプレゼント(買うとは言ってない)
目が、覚める。
…体が痛い。
ここは一体…それにこの痛みは…。
「筋肉痛」
「だよねぇ…」
シノに断言される。
昨日は雪山で山菜取って、銃を数発撃っただけで筋肉痛になったみたい…。
いや、だけってのもおかしいね、訓練してない人が扱ったらそりゃあね。
けどまあ、それ以上に僕の体が軟弱!!軟弱!!なのかも。
やっぱり引きこもりには厳しいね…。
「あの銃、小型なのに相当威力が高そうだった…。それに衝撃も…」
「まあ僕の貧弱な体がそれに対応できるわけないもんねぇ…。それに久しぶりに使ったし…いやはや、練習しないとなぁ…。」
「…」
「あっていうか、今何時ぐらい?」
「11時ぐらい…」
「今から調査は…行ってすぐ帰ってくる感じになりそうだし…。何より僕がまともに動ける気もしない…」
「じゃあ、今日は休もう…」
「うん、そうだね。よいしょっと」
「?…休むんじゃないの?」
「多分一日中休んでても暇だろうしさ、ちょっと街に出てみようかなぁって。ほら、一昨日はギルド行って宿に直行したし、昨日も朝イチに街を出て、帰ってきてもギルドと宿にしか寄らなかったじゃん?」
「なる…ほど…」
「というわけで、観光に行こう!」
「これ…私も行くの?」
「あっダメだった?」
「いや…ダメ、じゃないけど…」
そんなわけで、街の市場にやって参りました〜!
寒いし、そこまで大きな街ではないけど、活気はあって良い雰囲気!
野菜やパン、肉みたいな食べ物を売ってるお店があれば、
宝石やアクセサリーみたいな商品を売っているお店もある。
けどやっぱり大きなお肉とかが目立ってるし、市場!って感じがするよね!
そんなことを思っていると、シノが突然立ち止まった。
「シノ、どうしたの?」
「いや、なんでも…」
尻尾も耳も、何なら鼻までも動いてますよ^^
「あっあのお肉?大きくて美味しそうだね!」
「…うん」
やっぱりシノはお肉が大好きなんだろうなぁ。
最初出会った時にお肉を出されたのも、
狩りでお肉が取れるだけじゃなくて、
好きだから沢山家にあるんだろうね。
「買わないの?」
「今はいらないから…」
「じゃあ、いつか食べたいときに買ったらいいね!」
「うん…」
シノは名残惜しそうに、一度チラッとその大きなお肉を見て、
僕たちはそこを通り過ぎた。
しばらく市場を進んでいると、大きな広場が見えてきた。
広場にも多くのお店が並んでいるみたいだけど…。
あっいい匂いがする!
広場にいる人を見てみると、みんなベンチでご飯を食べたり、
甘いものの食べ歩きをしたりしているみたい!
「いいなぁ〜僕も何か買おうかな?」
「…」
そんなこと言っていると、横から冷たい視線が...。
あぁそういえば借金しまくってるんだ。
ウーン…買っちゃダメか…今度にしよう…。
広場を抜け、更に市場の奥へと進む。
シノの耳や尻尾を見ていると、
彼女の興味のあるものがよくわかって面白いね。
こっちは見た感じ食べ物より、装飾品とか道具類が多いっぽいね。
指輪とかネックレスがあるけど、僕にはよくわからないなぁ。
わかるのはキラキラしてて、綺麗ってことだけ。
ただ、さっきからシノが武具類の品をチラッと見ている。
ナイフとか弓矢とか…本当に色々。
「シノは何か欲しいものっていうか、買いたいものとかないの?」
「…特に…」
「けどさっき品物見てなかった?」
「…良い物があれば、と思ってたけど…」
「なるほどなるほど…」
テンプレなら、可愛いヒロインにイケメンの男子がこういうところで
アクセサリーとか欲しいもの買ってあげるんだよね。
まあ僕はイケメンじゃないからその役は無理だけどさ。
「うーん」
まあシノのもふもふセンサーは反応してないし、
本当に欲しい!ってものもないだろうからいっか。
「れては?」
「いやぁ僕も遠慮しておこうかなぁって」
だって借金してる人の前で物買えるわけないじゃん?
それどころか値段を尋ねることさえ恐ろしいよ?
流石に僕でもわかるよ?
というか自分から聞いておいて目を細めないでほしいなぁ…。
「まあそれに、僕は歩くだけでも楽しいからね」
「そう…」
「ちなみに、シノは楽しい?」
「…」
「あっいや別にそんな深く考えなくても…」
急にシノは足を止め、俯いて考え始めてしまった。
結構軽く聞いたつもりなんだけど…。
…。
…。
グゥゥ…と、シノの方から音が聞こえた。
シノがこちらに目を向ける。
「…まあ今日いっぱい歩いたしね」
「…。…うん、何か食べてから宿に戻る?」
「うん、そうしよう!おすすめのお店とかある?」
「…さっきあっちのお店から良い匂いがした…。」
シノはTHE・酒場みたいなお店を耳と尻尾を動かしながら指差した。
なるほど、さっき通りがかった時にもふもふセンサーが反応してたのはそれなのね。
「いいね、じゃあそこにしよう。」
そんなこんなで、夕飯を一緒に食べることに。
まあ食べるアテもなかったし助かるねぇ…。
先走ってゆらゆらと揺れるもふもふを追いかける。
「…」
足を止める。
自分のバッグが僅かに揺れる。
「…どうしたの?」
シノが振り返る。
「いや、ちょっと靴の中に石が入っちゃってね」
「そう…ならいいけど…」
もうちょっとのんびりしたかったんだけど…。
まあお仕事だししょうがないよね。
ここまでご愛読ありがとうございました!
また来週、お楽しみに!




