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〈世界の終焉ティータイム〉 神徒、れもんてぃー片手に多世界めぐり  作者: かんちゃそ(神無月茶祖)
第1章 邂逅 バグっちゃったよ世界!後悔するのでクールなもふもふガールと仕事する!
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第15話 緊張 神徒の側近/超偉い神様に会いに行きます

「うは〜…そろそろ休まない?結構歩いたし、それにここら辺は休憩するには丁度良さそうだし〜」

「そうですね。目的の街まではかなりありますし…。では、少し休憩を取りましょう」

「つ、疲れたぁ…。マスターさん歩くの結構速いっす…」

「あら、そうでしょうか?」

「レ、レヴェンを見てくださいっす…」

そこには、ルーイに肩を持ってもらいながら、

ゼーハーゼーハー行っているレヴェンの姿があった。

「す、すみません…。少し速さを落としますね…」

「あ、ありがとう…ございます…」

皆の会話を聞きながら、適当に腰を下ろす。

シノ、元気にしてるかなぁ…。

いや、強いし大丈夫か。

そういえば、壊斗にも色々任せちゃったな…。

まあいっか!

いつも解決してるし!






「はあ…」

「ん〜?壊斗おにいちゃん、どうしたの〜?」

「い、いや、何でもないよ〜…」

遂に着いてしまった…。

神界の中心にあるこの神殿は…

やっぱり一般人には厳かすぎる…。


 神殿の中では、多くの神徒や神眷達が、

忙しそうにあっちこっちで走っていた。

いつもの静かな雰囲気も苦手だけど、

こういう忙しない空気感も嫌だなあ…。

「えーと、会議室は…あっちだったっけ…」

本当、神殿というにはあまりにも大き過ぎるし、

いつも行く会議室以外は全然覚えられないな…。


丁度会議室の前に到着したタイミングで扉が開き、

中からぞろぞろと神徒や神眷が現れた。

会議中に入るとか気まず過ぎるからありがたい…!

「あっ猫夢じゃん〜!」

「わー!久しぶり!」

「元気してたー?」

猫夢と皆が退出するのを待っていると、

数人の神徒や神眷が猫夢に声を掛けていた。

「また遊ぼうねー!」

「バイバイ!」

「うん!バイバーイ!」

皆、明るい口調とは裏腹に、

疲れが溜まっていることが伺える。

目とかっていうよりも、

体全体から「疲れたオーラ」が溢れている。

そうして列は過ぎていった。

会議室に入ろうとすると、突然見知った顔が現れた。

「ユハおねえちゃん!ひさしぶり!」

「あら猫夢、久しぶりですね。いつでも猫夢は可愛いですね」

「えへへ…」

「ところで、やはりここに居ましたか。まあコミュ障の壊斗さんならここにいるのも予想がつきますが」

「い、いやいや、ユハさん、偏見が厳しいですって…。コミュ障でなくともここにいる人だって居ますよ…きっと」

ユハさん、苦手なんだよなあ…。

この人が自分のことを面白がってからかっているのは

わかっているけれど…。

そもそもユハさんは神徒で、

自分は神眷という立場だし、

それに、立場抜きにしても、

言い返したら恐ろしいことになりそうだから…。

「まああなたがコミュ障であることは決定事項ですので、時間の無駄ですね」

「い、いや、まあ…」

「神様は中でお待ちですよ。ほら、さっさと歩いてください」

「は、はい」

「猫夢は私と手を繋いでいきましょう」

「はーい!」

「た、態度違い過ぎませんか…?」

「壊斗さんは可愛くないですから」

「別に可愛くなりたいとかではないけど、何かショック…」


 ユハさんに色々言われた後、会議室に入ると、

最も奥の厳かな席に、「神様」がいらっしゃった。

「壊斗、猫夢。よく来た」

「た、大変ご無沙汰しております…」

「おじちゃん!久しぶり〜!」

「ね、猫夢…その呼び方は…!」

「ああ、久方ぶりだ。壊斗、気にせずとも良い。むしろ気さくに会話できる相手が少ない故、猫夢のような存在には大変助かっている。それに猫夢は格好良いと思い我をそのように呼ぶのだろう?」

「うん!すごくおとなってかんじでかっこいいから!おにーさんよりもおとななおじちゃんがいいかなって!」

「はは、そうか。常々感謝しているぞ、猫夢」

そう仰って、神様は猫夢に微笑んだ。

優しいお方ではいらっしゃるのだけれど、

だからこそ怖いというか何というか…。


 神様は猫夢と少々会話した後、

こちらに視線をお戻しになった。

「さて、そろそろ本題に入ろうか」

「は、はい」

「猫夢は私と遊びましょう」

「やった!あそぶ!」

「ご、ご配慮ありがとうございます…」

「構わぬ。猫夢に心配をかけたくないのはお主も我も同じであろう?」

「…そうですね」

「…」

「…」

しばし、沈黙が流れる。

緊張は嫌いだけど…。

神様との間に流れる静寂は、まあ…いいかな。

「れては?」

「…えっと…その…」

「また遊びにか?」

「ええと、はい、まあ、そうですね…第一世界へ遊びに行く、と仰って…。ですが、今回ばかりは…」

「そうか…」

「…」

「憤っているわけではない。れてにはれてなりの事情があることは、理解している。しかし…」

「報連相が不足している、と…」

「ああ。加えて、周囲へは誤魔化してばかり…。それでは評価が下がる一方であるというのに…」

「…」

いつもれて様に言ってるんだけどな…。

自分も冷たい目で見られるからやめてほしいんだよなあ、あれ…。

「…少々話がずれてしまったな。彼は彼なりに上手くこなすだろう。壊斗、神界及び神徒等の管理世界で発生した現象…いや、事件については、どの程度把握している?」

「報告書に記載されていた…神界における議会等の機関の施設の爆破、管理世界への侵入者の確認、のみです。まだ完全に全貌を把握することはできておりません。そして、第一世界への侵入者も確認しました」

「なるほど。では、れては第一世界へ遊びに行ったのだな」

「そうですね」

「では、そちらは考えずとも良いだろう。次に、現在我々の把握している情報について伝えよう」

「はい、ありがとうございます」

「我々が把握している情報…とは言ったものの、こちらでも被害状況の詳細、ましてや原因までは把握しきれていない。しかし、一部の神徒、神眷と事件の関係者間で戦闘が複数発生した。関係者を捕えることにかなり難航しているようだ」

「純粋な戦闘力の問題、でしょうか?」

「いや、どうやら摩訶不思議な力を行使する、と」

「その力は一体…」

「報告によってそれは様々であった。地形や空気の操作を行った者が居たとするものもあれば、生物の遺伝子を書き換えた、空間を捻じ曲げた、時間停止を行った可能性が確認された、等々…」

「…それは…」

「お主も気付いたか?」

「…はい」

そうして、神様は一呼吸おいて、その言葉を口にされた。

「『我』に、もしくは『本』に、非常に近い力…言わば世界を操作する力だ」

「…!」

自分は思わず息を呑んでしまった。

わかっていたつもりだったけど。

いや、それ以上にれて様のあの言葉が。




「壊斗〜」

「はい?どうされましたか?」

「突然で悪いんだけどさ、備えてくれる?いや、言い方が悪いかなあ…心の準備っていうのかな?いやけども備えるってカンジだし…」

「えっと…それは一体…」

「運命、かな。あっちなみにさっきのは備えるっていうニュアンスの『感じ』」と、準備には『備』っていう『漢字』が…」

「運…命…」

れて様の駄洒落の説明を流しながら、

心の底でつぶやいた。

「聞いてないね、僕泣いちゃうよ。まあいいや、多分…っていうか、絶対来ると思うんだよね〜」

「運命が、ですか?」

「そうそう、ほら『本』なんてよくわからないもの作っちゃったでしょ?だからだよ」

「その…いまいちよくわからないのですが…」

「まあ時が来ればわかるよ。もし、『本』みたいな力で事件とかトラブルが起こったら…」

「…」

「即ち…それは運(・)命(・)だよ」

「れて様…おかしくなってしまったんですか?いえ、正確にはいつもと別の方向に、という意味ですが…」

「全くもう〜酷いなあ〜」

「ですが、急にこのような話をされて、大変驚きまして…」

「そうかもね。僕がこんな話をするのは珍しいかも。まあけど、やっぱり今の話は忘れてもらっても構わないよ。僕が覚えてるし」

「な、何ですかそれ…」

そう仰ると、れて様はいつものように笑った。

けれど、その後はいつもとは違った。

乾いた微笑みを見せて…。

「でも、これだけは忘れなくてもいいかも。さっき言ったやつ、運命だって言ったよね。運命が始まるってことは…」




「物語が始まるっていうことなんだよ」






『本』は開かれた。







ここまでご愛読ありがとうございました!

また来週、お楽しみに!

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