↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〈世界の終焉ティータイム〉 神徒、れもんてぃー片手に多世界めぐり  作者: かんちゃそ(神無月茶祖)
第1章 邂逅 バグっちゃったよ世界!後悔するのでクールなもふもふガールと仕事する!
13/19

第12話 よしなし 風通し良し/成し得ぬ再会(前編)

 目を開ければ、そこには真っ白な雪景色が。

「この辺りで吹雪が吹いていなくてよかった〜。またシノに助けてもらわなくちゃいけないからね。これ以上お金と恩を借りてたら破産しちゃう」

ひしひしと伝わる寒さに震えながら、

街があった気がする方向に向かう。

シノにおぶってもらって移動してたからね、

そんな道なんて覚えてないのさ。

というか雪しかないから道も何もないしね。

そんな風によしなしごとを考えているうちに

白以外の色が視界を染める。

「あれは…煙?」

少し足を早めると段々と街が見えてきた。

いや、正確には"街だったもの"っていう方が

適切なのかもしれないね。

黒い煙が立ち上って、瓦礫だらけで、

もう建物なんてほとんどない所を街とは呼ばないし。

うーん…まあ…何はともあれ方向が合ってて何より!

兎にも角にも、シノは勿論、

マスターとかあの子達の無事を確認しないとね〜。


「こりゃあひどいなぁ…」

元街に着くと、そこは完全に荒廃していた。

建物は潰れ、道も凸凹でめちゃくちゃ。

綺麗だった赤レンガの屋根も、落ちてその色もくすんで見える。

おまけに遮るものがなくなったもので、

あちこちからの悲鳴やら鳴き声がダイレクトに伝わる。

見てて聞いてて、心地よいものじゃないねぇ…。

風通し良すぎるんじゃない?

とりあえず、知ってる人を探さないと…。

シノは山に帰った筈だし、

まずは店主さんのいるであろう喫茶店まで行ってみようかな。


「うーん、ここかしら…いや、違うような…」

曖昧な記憶を参考にそれっぽい建物を探してるけど…

原型とどめてなさすぎて全くわからない。

まあそもそもシノと話すのに夢中で街なんて

全然見てなかったから建物覚えててもダメだけど。

…仕方ない、あれを使おう。

これであれば、僕と彼の魂が共鳴するはず!

息を深く吸い、心を込めて叫ぶ。

「レモンティー!」

「…呼びました?」

「うわ、急に生えてこないでくださいよ。というか呼びはしたけど、ホントに来ると思わなかった…」

突然足元からガラガラと音がした。

そして、血を流しながら満面の笑みの店主さんが現れた。

「いえいえ。魂に響きましたから、あなたのその声が。思いが」

「あら、そうですか…」

良いこと言ってる風だけど、

レモンティーの話してるだけなんだよね、これ。

というか、結構イカれてる僕に、

やばいと思われるこの人もなかなかだよ。

「あ、敬語でなくとも大丈夫ですよ。私たちは盟友ですから」

「おっけー。じゃあ店主さん…いや、マスターもタメ口でいいよ」

「いえ、私は敬語に慣れていますので…れてさん、よろしくお願いいたします」

「うん、よろしく〜」

うーん、常識がある上でやばいのか。

そう考えていると急にある顔が浮かんできた。

あの子もそのタイプだよなぁ…。

数週間会ってないし、これが解決したら会いに行こ。

「何はともあれ、店主さんが無事ではなさそうだけど生きててよかったよ」

「ええ、何とか。あなたはご無事で何よりです」

「僕、街で起こったこと全然知らないんだけど、一体何が起こったんだい?」

「昨日の昼頃、突然大量の魔獣が街に向かってきたのです。魔物が街に攻めてくること自体が前代未聞であるにも関わらず、雪原を埋め尽くすような魔物の大群で街は混乱に陥りました。一応冒険者達が応戦したのですが…この有様です。現在は隣町への避難を準備している段階です。」

「なるほどねぇ…」

「ええ。そして討伐できなかった魔物達はあの雪山に姿を消しました。街に攻めてくる際にもあの方角から魔物達は押し寄せてきました。」

そう言って、マスターはある雪山を指差した。

あそこ…

「シノが住んでる雪山じゃん」

「なんと…そういえば、シノさんは一度も見ておりませんね」

「あらホント?じゃあやっぱり雪山にいるのかも」

「そうかもしれませんね。ですが、あそこまで行くには大変時間がかかりますし…」

「僕みたいな普通の人間が生身でいけるような土地じゃあないからね」

「はい…」

うーん…どうしよ。

やっぱり壊斗を連れてくるべきだったかな。

そしたらどうにかこうにかしていけると思うんだけど。

まあ流石に時間かかるし、

それにこれ以上仕事させたら可哀想だからやらないけども。

そう悩んでいると…。

「おーい!れてさーん!」

元気な声がしたので振り返ると…

「やあやあ、ロイド達じゃんか。無事だったかい?」

「はい!勿論です!」

「勿論…と言えるかはわかりませんが…」

「いや…多分、言えないです…」

「まあ…確かにめっちゃ無事って訳でもなさそうだね、ところどころ怪我してるし」

ところどころどころか、あっちこっちに手当の跡があるし、

ロイド達も街を守るために戦っていたんだろうなぁ…。

そう考えると感心感心。

「三人はシノのこと見てない?」

「いや〜わかんないっす!」

「一昨日れてさんといるのを見たのが最後で…」

ルーイもコクコクと相槌を打つ。

「そっかぁ…」

やっぱりあの雪山にいるのかな。

いやぁけど、探しに行くのは…。

けど、何もしないと変わらないよね!

「よし!あの雪山に行こう!」

「!…それは本気ですか、れてさん…」

「マスター、安心して。無理そうだったら戻るからさ」

「ですが…」

「大丈夫大丈夫!絶対帰ってくるよ!」

「何故でしょう。今の発言からして、生きて帰ってこない予感がします」

「んや、フラグってやつかな?そんなのないよ〜」

「フラグ?…旗が一体どうされたのですか?」

「自分も知らない言葉です」

「ああ、えっとね…」

眼鏡かモノクルつけてるやつは大体博識だと思うんだけど…。

レヴェン(眼鏡つけてるやつ)も、

マスター(モノクルつけてるやつ)もご存知ない。

この世界じゃ現代的な言葉は通じないか…。

これぞまさにカルチャーショック。

「うーん…うーん…まあ…」

「まあ?」

「まあ…生きて帰ってくるって言ったやつが、死んで帰ってくるみたいなことだよ」

「なる…ほど…」

あぁ、なんとも言えない目で見られているよ。

僕語彙力ないから無理無理。


「…そろそろ話を戻しましょうか」

「うん、それがいいと思う!」

マスター、ナイスアシスト!って感じ!

「何はともあれ、僕は雪山に行くよ!」

「しかし、先程も言った通り、過酷な環境で普通の人間では…」

「そうですそうです、あの雪山でどれだけの方が亡くなったか…」

「いやいや、吹雪に直面したら帰ってくるよ。シノは耳がいいからきっと呼んだら来るよ、知らんけど」

「まさか、そんなうまく行くはずは…」

「けど、マスターさっき呼んだら生えてきたじゃん」

「まあ確かに生えましたが…」

「「「???」」」

マスターが生えるとか言ったら意味わからないよ。

ほら、三人を見てみなさい。

まるで(((まさか自分たちの頭がおかしいのか?)))って

感じで困ってるよ。

「あれはレモンティーに対する愛があったからでありまして…」

「じゃあ僕とシノの間には借金があるからね、十分だよ」

「借金…そのようなもので…」

「レモンティーの代金」

「でしたら十分かと…」

「「「…」」」

どうやら少年たちは理解を諦めてしまったようだよ、

マスター。

「それにここにずっといたって仕方ないし」

「そうですね、一理あります」

「でしょでしょ」

「…では、私も同行いたしましょう」

「あらいいの?」

「ええ、ここで盟友を失うのはあまりにも大きな損失です」

「ありがたいなぁ…」

「俺も退屈しそうだったんで行きたいっす!」

突然、ロイドが高らかに声を上げた。

「いや、退屈しそうって…ロイド…」

「避難しなきゃだから…」

「考えてみろよ!避難中ずっと馬車に押し込められて動けないまま一日中過ごすんだぜ!?だったられてさんと行動した方が良い気がするんだ!俺の直感がそう言ってるんだ!」

「んや、じゃあ一緒に行く?」

「良いんすか!?」

「うん勿論、メンバーは多い方が楽しいさ。2人はどうする?雪山に行くか、隣町に避難するか。まあ避難してた方が安全だと思うけどね。」

「…はあ。行きます。凄まじいメンバーのように感じるので…」

ルーイも激しく首を縦に振る。

「よし!じゃあメンバーも決まったことだし!雪山に出発!」

「オー!」

ロイドが叫ぶ。

「いえ、まだ身支度がありますので…」

「あぁ…そう…」

…。

コホン…。

「よし!じゃあメンバーも決まったことだし!準備が出来次第、雪山に出発!」

「オー!」

そうして再びロイドが叫び、

『第二回!! れての調査 in 第一世界の雪山 編!!』

が始まるのだった…。






ここまでご愛読ありがとうございました!

また来週、お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。