天使な婚約者にバレてしまう
「、、、、、、、、これは、」
「誕生日、おめでとう、優姫」
「、、、、全然気付かなかったです」
豪華に飾り付けされたリビングに足を踏み込み、ビックリした表情をさせながら言う彼女、恋をしなている相手である優姫。
まさかこんな手の込んだ事をする様になるとは思わなかったと同時に、自分の新たな才能気づけてしまった。
誕生日当日、優姫は実家に帰ると言う予定があるのを利用し、事前に用意していた飾り付けグッズを飾り、宅配ピザや優姫が喜びそうな料理を注文し、急遽ながらも受け付けてくれたケーキ屋のケーキを受け取って息を切らせながらの出迎えだったが気づかれてない様で安心だ。
ササッと椅子を引いて優姫を座らせる。
まだ驚いているのかそれとも実感がないのは、ボーッとした表情だ。
「最近美琴君が何か考えている時があるとは思ってましたが、まさかこんな事だとは」
「うっ、それは気づかれていたのか。こう言うのはやるタイプではないんだがな、竜胆達がやれ、とうるさくてな」
「ふふっ、私は結構嬉しいですよ。なんだか華やかみたいで」
「そうか?、、、、とりあえず、食べよう。優姫が喜びそうなのを選んだ」
「ありがとうございます」
考え事をしていたとまでは気ずかれていたとは、と内心少し焦りが出る。
慣れない事を考えていたからか顔に出ていたのか仕草に出ていたのか分からないが慣れない事はするものではないな、と思うと同時に嬉しそうな優姫の顔を見るとやって良かったと言う気持ちになる。
美琴が選んで宅配された料理はどれもザ洋食と言うラインナップだった。和食も好きだがこう言う時はと言う美琴の考えだったが優姫は余程珍しいものを見るかの様な目で見ている。
普段宅配をしない事を知っている美琴からすればどれも手作りで済ませているんだろうな、と考えると色んな経験させないと世間知らずのままになるな、と美琴は考える。
優姫が慣れない手つきでケンタッキーのチキンを持ってるのがなんか違う作画っつ感じがして違和感を美琴は感じた。
「、、、、!、美味しいです。サクサクしててジューシーです」
「それは良かった」
「鶏肉がパサパサしてなくて、ふわふわで、、、、どうしてなのでしょうか」
「研究しなくて良いからな」
美味しそうに食べて、ほっぺを膨らませ目を輝かせている優姫を見ると自然と頬が緩む。美味しいものを食べるといつもとはちょっと違った雰囲気と表情になるからそこも可愛いと思ってしまう。
だが、やはり料理好きの血なのか、どうして美味しくなっているのが気になる様子に笑いながら止めてしまう。
企業努力だ、と言いたいが優姫の性格を考えれば完全再現しそうな雰囲気を放っていたからだ。
ふと、優姫の祖父母宅を思い出す。あの家での誕生日は何が出るのだろうか、と気になってしまう。
「優姫の家だと毎年何が出てたとかあるのか?」
「私の家ですか?、、、、、、、、好きな料理が出たりしますね。他ですと手巻き寿司が出ます」
「良い魚出てそう」
「なんですか、それ」
美琴の言葉が余程面白かったのか、優姫は食べていた手を止めて笑う。その顔が可愛かったのだろう、美琴の顔はとてつもなく赤い。
美琴は辛いものを食べてもなければ、熱がある訳でもない。いつになく感情が表情に出ている。それを自覚して居ないのかはともかく美琴の心臓はいつになく言葉に出来ない程に鼓動して居た。
人は恋をすると此処まで狂うのか、と理解してしまった。
「美琴君の家はどうなんですか?」
「俺?、、唐揚げとかすき焼きとか好きなのを乗せれるカレー、とか天ぷらとか焼肉だな」
「、、、、楽しそうですね。カレー、、」
「じゃあ今度やるか???お互いにカレーに乗せたいのを買ったりして」
「!、はい」
嬉しそうな顔で返答してくれてこっちも嬉しくなる。
多分だが優姫は自分がどんな提案をしても喜ぶし楽しむだろうし、色んな考えで二転三転の展開を起こしたりするんだろうな、と思ってしまった。
ピザを食べながら、この後優姫に渡すプレゼントを考えながら、顔の赤みをどう抑えるかも考える。
まだ恋心をバレてはいけないと思う気持ちがあるが、バレても困りはしないんだがな。
「はい、プレゼントだ」
「!、、、、このブランドは」
「見るまで言うな」
食後、ケーキを堪能してからむず痒さを感じながらも優姫に綺麗に包装された箱を手渡すと、包装用紙に書かれてたブランド名を見て一瞬で理解したのかバッと顔をあげる。
理解が早くて助かるとは思うが、早く開けて欲しいと言う気持ちとそのキラキラとした目で見られるのは勘弁して欲しいと言う気持ちが美琴の中で入り乱れる。
優姫が手慣れた手つきで包装を解いていき、箱を開ければ一見高級感を漂わせるがしっかりと見れば手作りだと分かる桜と薔薇のチャームが付いたネックレスが綺麗に収められていた。
ソワソワと美琴は優姫の反応が気になる様子。
喜ぶのは確定としても、その喜び方が笑顔で喜ぶのか、泣いて喜ぶのか、ビックリしながら喜ぶのか、と色々考える。
「、、、、これ、私の為に作ってくれたのですか?美琴君が?」
「あぁただ買ったら味気ないし、それに俺は世界で1つだけのネックレスを貰ったんだ。なら、優姫にも世界で1つだけの物あげたいだろ?ある意味お揃い?」
「!!!!!!、、、、す、好きですぅぅぅぅぅぅ」
「おう、顔真っ赤にして言いながら、座り込むな」
ビックリした表情から一変、余程嬉しかったのか、それとも照れたのか分からないが顔を赤く染む床にユルユルと座り込みネックレスの入った箱を大事そうに包み込む様に持つ優姫を見て、何故か冷静な考えでツッコんでしまった。
碌に顔をも見れなかったのに、優姫がいつも通りの猛アプローチと変わらない対応のおかげなのか変に意識する、っと言う事がなかった。
そのおかげなのか、変に勘付かれてはいないらしい。
恋心を自覚した、なんて優姫に気付かれればどんな反応をされるか分からないし少しばかりの不安もあるからだ。
「でも、、、、良かったです」
「?何がだ?」
「美琴君がここ数日私に何か隠し事と言うか、少しだけ距離を空けられてそれに私と目を合わせてくれなかったりしてたので」
「ぁ、、、、ぁー、」
優姫の指摘に美琴は言葉を失いかけた。
図星だった事もあるが、優姫が気付いていた、と言う事もあった。
勘の鋭い優姫ならもしかしたら気づいてるかもしれないと美琴は考えてはいたが、そこまで自分自身が挙動不審な態度が表に出ていたと言う事が何よりものショックだったのだろう。
普段から顔に感情が出ない分の弊害なのか、行動に出てしまう部分を何となくは直さなければと考えてはいたが此処で出るとは、と美琴はため息が出そうになる。
実は「恋心自覚したから避けようとしました」なんて口が裂けてもいけない。
変に誤魔化せば、勘づくのが優姫の性格だ。
「、、、、私、もしかしたら美琴君が私に恋に落ちてバレない様にってしてた行動なんかじゃないかって思ってました。結果として私の誕生日計画だったとは、、失礼な事をk」
「え゛、何で分かっ、、、、、、あっ」
「、、、、え?」
人生で1番の失態をしてしまった。
優姫からのまさかの発言に対し動揺を隠せず、優姫の発言を肯定するかの様な発言をし、誤魔化そうと口元に手を近づける。
明らかに分かりやすい行動をいつになくやってしまった。
そんな姿を見たら優姫だって目を見開くのはしょうがない事だ。
自分に恋に落ちた、なんて冗談まじりにだがもしかしたら、なんて思って発言をした優姫だからこそまさかここまで動揺し、そして肯定されるとは思わず優姫自身も頭の中で考えを巡らせているのだろう。
それよりも、美琴自身は顔を赤くし何を言えば良いのか、誤魔化すのか、それとも、そのまま実は、、、、と言うのか、そんな事よりもこの空気をどうにかしたいと言う気持ちが1番にあった。
そんな空気を壊す様な、いや、もっと重くさせる発言を優姫が口から溢す。
「美琴君が、、、、私に恋に落ちた??、私の事が恋愛的に好き???」
「、、、、ッ」
美琴はもう何も言えなかった。言ったら失言をする、いや多分誤魔化そうとしてしまう。
この場で誤魔化すのはダメだと頭が言っているからこそ、踏み止まった。だが目の前で混乱しながらも嬉しそうにだけどビックリした様な表情で顔を赤くしている優姫を見ると可愛いと思ってしまっている。
(あぁ、、、、大好きだなぁ)
男子高校生、言葉にすれば良いはずなのに照れと小っ恥ずかしさが押し問答し、言えず顔を背ける事しか出来ないと言う何とも腑抜けな事をしている自覚は非常にある。
だが許して欲しい、恋心に気付かれた男子高校生の殆どはこうなるんだと。




