天使な婚約者にドキドキキュンキュン
「じゃ、またな〜」
「また明日」
「優姫ちゃんまた女子会しようね〜」
星々が綺麗に映る夜空を見ながら3人を玄関まで見送る。夜になりちゃっかり夕ご飯まで食した竜胆、蓮華、紫苑に呆れつつも、優姫が楽しそうだったのが幸いだ。
玄関扉を閉め、ため息が出そうになるのをなんとか我慢する。
隣に立つ優姫を見下ろして、顔が熱くなるのが分かる。いざ、2人っきりになれていると改めてだが照れてしまう。
好きだと自覚して2人っきりになるのは普通にどうやって接すれば良いのか、分からなくなる。
「賑やかな人達でしたね、美琴君」
「ッ、そ、そうだな。ぁ、風呂先入ったら?俺食器洗うから」
「そうですか、ではお言葉に甘えまして」
優姫からの声かけにもいつも以上にドキッと胸が跳ねて、優姫の言動の1つ1つに意識してしまう。
逃げるかのように、顔を背けてキッチンに足を運ぶ。そんな姿を見れば何か気になった様な顔をしながらも、気遣いが嬉しいのか気にしてない様な雰囲気を出して自室へと向かう姿を見送る。
「ハァァ、明らかに挙動不審だったよなぁぁぁぁぁぁ」
優姫の姿が見えなくなった瞬間、深い深いため息が口から溢れシンクのフチの部分に手を置いてその場にしゃがみ込む。
好きだとか嫌いだとかそう言う感情に興味ないって関係ないって思ってた。
そんな感情に今、忙しなく振り回されているなんて思わないだろう。自分の感情に鈍感なせいか、感情の答えが分かるとその感情に抑えが効かなくなる。
好き、と言う感情に振り回されている。
「、、、、美琴君、どうしたんですか?」
そろそろ優姫が来るから立ち上がるか、と思った瞬間、横から優姫の顔がヒョコッと現れてビクッと体が跳ねる。
至近距離からの優姫の顔面と不思議そうな顔が視界に入りブワッと更に顔が熱くなるのが分かる。
「え、あっ、嫌なんでもない」
「?、、、、顔赤いですよ」
「えっ、、、、」
誤魔化そうとしたし熱いのは自覚していたが、赤いのは分からなくて、裏返った声が口から溢れる。絶対変だと見られた。
恥ずかしさと照れが同時に来て顔を背けかけたら、ピトッと冷たい小さい手のひらが額に当たる感覚になる。
カッと目を見開く。
(ゅ、優姫の小さな手が俺の肌に)
美琴の心臓がギュンギュンと跳ねるのが分かり痛くまで感じる。
優姫は心配した顔を美琴に向けて覗き込んで更に、顔は勿論体が熱くなるのが分かって、美琴は気付けばズサササッと音をさせるかの様に後ろに後退るが、壁に頭が付き逃げ場がなくなった。
突然の美琴の奇行に優姫は驚いた、美琴が照れているのが分かって嬉しそうな顔をする。
「美琴君、照れてるんですか?」
「いや、別に、、、、、、、、照れて悪いか」
「いえ、寧ろ可愛いです!」
「ッ、、男に可愛いとか、ないだろ」
「美琴君は男性でも可愛いんです!」
自信満々に圧混じりに言われて少し押されていて、言葉を失う。優姫の優しい嬉しそうな顔を見ると照れもあるが、可愛い顔が更に可愛い顔になって、心臓に悪い。
ドキドキするとかキュンキュンするとか、普段口にはしないし考える事でもないのに、好きだと自覚すると頭の中で思い浮かんでしまう。
優姫の顔を見ると好きだと言う感情が頭の中で溢れてしまう。
恋をすれば人は変わるとこう言う事なのかと美琴は実感する。
「、、優姫は俺の顔を良く見るな」
「美琴君の顔も好きなんですから当たり前です!」
「、、、、ズルい、ってこう言う事か」
「?」
ズルいと言われて優姫は不思議そうな顔をする。
今日の美琴君は少し可愛いな、ぐらいでしか優姫は思ってなかったが少し挙動不審な美琴が少しだけ気になっている。
この日、美琴はいつも以上に寝るのが遅くなった。
それは優姫の事を考える時間ではなく、頭の中で優姫が支配されていたからだ。
人は恋に囚われている、と人は言うが上手い言い方だろう。




