天使な婚約者への想い
75話で、20万文字突破です!!ありがとうございます!
何分経っただろう、それすら分からず優姫の事を考えていた。
恋心を自覚しそれをちゃんと受け止めて、優姫に嫌われてないかもしっかりと考えた。やっと頭の中が整理出来て落ち着き顔を上げると、待ってましたと言わんばかりの表情をする竜胆と蓮華の顔が視界に入る。
(うっ、何分待たせたか分からないが、罪悪感が来るな)
文句も言わず待ってくれる優しさを持った親友を持てて嬉しいが、いきなり色々試すような行動を取ったのはそっちだろうと言う気持ちを持って罪悪感を相殺する事に成功した。
現実逃避もしかけたが、しょうがないと思う。
蓮華はともかく竜胆に罪悪感を持つのは何故か嫌な美琴であった。
「落ち着いた、と言うか整理出来た?」
「あぁ、、、、俺、優姫の事が恋愛感情として好きって事が」
「それなら良かったな!」
「と言うか、、、、俺って分かりやすい?そう言うなんか恋愛対象として扱ってる、みたいな」
「ぁ〜」
「うーん」
美琴がそう言えば、分かりやすく美琴の方を見ない様に目線を逸らす竜胆と蓮華。
護摩化そうとするのを見越し、先に全て話したんだぞと言う視線を美琴が2人に送れば観念した様な表情が露わになる。
そっちもしたんだから、言わないん選択肢があると思うなよ、と思いながら話し始めるのを待つ姿勢を取る。
「美琴と親しい人だったら多分、分かると思うよ。美琴が桜木さんに対して特別扱いして好きだって言うの」
「美琴を興味ない奴からすれば【桜の天使】の桜木さんだからそう言う扱いしてるんだな〜、ぐらいにしか映らないだろうし」
「、、、、じゃあ、紫苑も?」
「いや、彼氏の俺が言うのもなんだが、紫苑は一才気付いてないな」
「良かった、もし気付いてそれを優姫に言っていたらはっ倒す所だった」
「彼氏の前で良く言えるな、美琴」
2人の言葉にホッと胸を撫で下ろす。
親しい人以外にそう言う風に見られてないだけども一安心だが、紫苑にバレてるかバレてないかでも、今後の生活に関わるぐらいには紫苑は親しい相手には口が軽い。
竜胆に彼氏の自覚がちゃんとあるのはさっきで証明されたが、紫苑と付き合ったおかげで竜胆が多少なりともしっかりしたんだな、と思うと考え深く、お父さん嬉しい。
と、ふざけるのは大概にしておいて、優姫が好きだと自覚した以上、いつも通りの接し方が出来るかと言う不安も多少なりともある。
「でも、、、、美琴がちゃんと人を好きになれるってのが分かって良かった!」
「は?、何それ」
人を好きになった事がないみたいな言い草だな。そりゃあ恋愛感情として言うならない、それは断言出来る。
優姫が初恋だって言う自覚を今し方した所だが、それよりも誰かを愛おしいって思えたのは優姫だけだと自覚すると少し恥ずかしい。
それを竜胆に言われるのは妙に癪に障る話だが。
「いや、さ、美琴の性格を良く分かってる俺からすれば、美琴は桜木さんを天使とか関係なく好きになってって感じだろ?」
「美琴は周りの噂で人を決めつける様な性格ではないし、ちゃんと知ってその人を判断するタイプだから、美琴はちゃんと桜木さんの内面を知ったって事だね」
「、、、、好き勝手良いやがって」
「そりゃあ、親友だし?」
「親友だからね、僕達」
ため息混じりに美琴がそう言えば、満面の笑みで言う2人に笑みが溢れる。
自分の事を理解されている恥ずかしさや呆れよりも先に、嬉しさがくる。揶揄ってくる時はあるがちゃんと人の気持ちを馬鹿にしたり貶したりはしない、そう言う人としてちゃんと出来ている竜胆と蓮華だから親友として長続き出来たんだなと美琴は心の中で思う。
ふと、優姫の事が頭の中に浮かぶ。
今何をしているか、紫苑と何を話しているか、そして会いたいと言う気持ちが頭の中で強くなる。
泣いてないか、泣いてないだろうけどちゃんと紫苑と仲良くなっているか、そんな気持ちになる。
「、、、、優姫はさ」
「ん?」
「優姫は、優しくて真面目で結構ドジで意外と抜けてる所があって、だけど芯がちゃんとある。周りの目を変に気にしてるし周りの求める人物像になろうとしてる部分があって、でも素は穏やかで甘えん坊で我儘を言うのが苦手で、しっかりと想った気持ちを伝えてくれて、、、、可愛いんだよな。って、何言ってんだか、俺」
気付いたら2人に優姫の想いを言葉にしていた。優姫相手には言えないが、この2人なら何故か言えた。親友だから、なのか。
少し照れ臭くなって耳が熱くなるのが分かる。顔を上げると馬鹿にした様な顔は竜胆も蓮華もしていないし寧ろ優しい顔をしていた。
それがホッと安心して胸が熱くなる。
「、、、、なーに、惚気てんだよ!」
「なんか、僕だけ恋してなくて寂しい人みたいじゃん!」
「じゃあ、蓮華も好きな人作れば?」
「作ればって言って作れるものじゃないでしょ!!」
「まぁ俺が1番の恋の大先輩って事で」
「それはない」
「それはないかな」
「おい!!!」
気付いたらいつもの空気感に変わった。
2人がその雰囲気に戻したんだ。ちゃんと気持ちの整理が出来たのも、自分の感情を理解出来たのも、この感情が偽物じゃないって分かったのも、2人のおかげなんだ。
それには感謝しかない。
それ以上に優姫に会いたい、って気持ちがまた一段と大きくなる。




