天使な婚約者に親友達を紹介
非常に最悪だ、とため息が出そうになるのを隣で姿勢良く座る優姫を見ながら美琴は内心思う。
兄・龍介の到来で親友3人と優姫が遭遇すると言う大惨事を迎え、説明する為に仕方なく家の中に招いた。誤魔化そうとしても、この3人はこう言う場面では勘繰るし邪推して疑ってくるのが目に見えている。
ならば正直に言って余計な詮索を避けようと、全ての事、婚約から同棲までそして今までの話を全て話し終わった所だ。
勿論、しっかり口止めもしておいた。
「何で俺に早く言ってくれなかった訳!!?!?」
そして案の定、竜胆が暴走した。
いつものテンションで叫んでるのは落ち着く様でもう少しテンションを変える事は出来ないのか、と思ってしまった。
だが、このテンションに慣れてない優姫はビクッとしながらこちらにキュッと体を寄せてくるのが可愛いと思ってしまう。
そんな2人の様子をて紫苑が目を輝かせて、ニッコニコで見つめてくる。
「そーだよ!何で言ってくれなかったの!悲しいじゃん!」
「、、、、竜胆と紫苑、昔俺の家の事学校中にバラしたの、忘れたのか?」
「あっ、、、、」
「、、、、そう言えば」
「あの時は大変だったね」
学校中が騒ぎまくって、視線をは向けられて無駄に男子生徒も女子生徒も色眼鏡を向けられてお金をせがまれたり、奢ってと言われたり、今思えばこの2人と縁を良く切らなかったな、と思う。
その時の事を知っている蓮華は苦笑いをしてあの時の事を思い出してる様だ。
美琴の言葉で図星だったのか目を逸らす竜胆と紫苑が分かりやすくて、その分憎めないのが2人の良さと言う事だろうか。
優姫は同じクラスである竜胆と蓮華、そして他クラスの紫苑と関わりが殆どないからか、いつも以上に緊張しているのか、半分ほど体を美琴の背中で隠している状態になっている。
美琴はそれを見て思わず笑ってしまう。
「今回はこんな形で教える事になったが、なんでお前らはマンションの近くに居たんだ?」
「それは、、、、帰ってた時に美琴を見つけて後付けたら、このマンションに入って行くのを見て」
「それで、上見たら美琴が桜木さんとイチャイチャしてるのを見つけて」
「龍介さんとバッタリ会って中まで入れて貰った、んだよね」
「イチャイチャはしてないからな」
思わずツッコんでしまったがスーパーからの帰りを付けられて居たとは気付かなかったとは、優姫の事を考えて居て気が緩んでいたか。
だが、美琴と竜胆、蓮華、紫苑の会話を聞いて「ふふっ」と優姫が笑い声を溢す。
それを聞いて優姫の笑顔を見て美琴は頬を緩める。それを見て竜胆が少し珍しいものを見る様な顔をする。美琴が笑う姿を見慣れては居るが、今の美琴の顔は愛おしい物を見る目だったからだ。
その美琴の顔に気づいたのは蓮華と紫苑も同様で、紫苑はそれを言葉にしようとしたが、蓮華に口を押さえられて阻止される。
「、、、、ハァ、なんか変な想像してた俺が馬鹿みたいだわ」
「お前はいつも馬鹿な想像してるだろ、竜胆」
「そこはそんな事ないよ!だろ!、、、、あと普通に聞けよ」
竜胆の変な想像は多分だが「美琴が桜木さんを脅した」とかだろう。
家の事もあるし金を使って、とか竜胆なら考えるが非常に不満はある。馬鹿だと自覚はして居たみたいでそこは非常に満足はいっている。
「じゃあ、変な想像って?」
「お前がお金使って人脅したり、みたいな」
「、、、、殴るか」
「顔は辞めてね、美琴」
「紫苑!!?!?」
想像通りの解答に、少し言葉を失ったが、やはり失礼極まりないので一旦、殴るという選択を取ったらそれに乗っかる様に紫苑がふざける。
焦ったと言うよりもまさかの伏兵にビックリした顔をする竜胆に笑いそうになった。
蓮華はそれをニコニコしながら見て、この状況や雰囲気には生徒会で慣れている優姫は少しビックリした顔をするが、安心した顔をしているからこちらとしても安堵の表情が溢れる。
「そもそもそんな事を俺がすると思われてる方が心外だ」
「うっ、、、、それはごめん」
「まぁまぁ、、、、ぁ、もしかして、前に美琴が僕達にして来た相談って桜木さん関連」
「え?、、、、ぁ〜、まぁそんな感じ」
蓮華の言葉に一瞬何の事か分からなかいと言う顔をする美琴だったが以前、優姫の好き嫌いをどうやって知るか、を優姫と言う事を言わず相談した事を思い出す。
あの時の事を思い出すと美琴は少し照れくさくなる。あの時は優姫の事を知る為になりふり構わない所が少しあったからだ。
3人に相談したおかげで沢山優姫の事を知れたんだがな。隣に座る優姫は何となく察しが付いたのか嬉しそうな顔をしている。
本来はこう言う形での紹介は望んでは居なかったが、仲良くはなって欲しい、いや、若干一名、紫苑が仲良くなれるか分からない不安がある。
お茶を飲みながらシオンの方に視線を向け、無駄に余計な事を言うからと言う不安が浮かんだ瞬間、紫苑が阿呆な事を言いやがった。
「と言うか、美琴って桜木さんに恋愛感情とかあんの!?と言うかない方がおかしくない!?」
「ブッ、、、、ケホッ、ケホッ、、、、何言ってんだ、阿呆」
まさかの発言に思わず飲んでいたお茶が気管に入ってむせる。
普通本人のいる前でそんな事を言うか、いや、紫苑だから言うのかと思いながら少し睨みを向けるが気にしてない様子に更に呆れてしまう。
流石の竜胆も少し呆れた顔をしているが、彼氏なのだから止めて欲しいと言う気持ちになりながら、チラッと優姫の方に視線を向ける。
怒ってはいないだろうが、突然こんな事を言われたら動揺は多少なりともするだろう、と思ったが予想の斜め上の顔をして居た。
「そう、ですね、、、、その逆ですね、畑山さん」
「ん?逆?、、、、えっ、まさか」
逆、それを聞いて美琴は「え、言うのか?」小さく呟く。鈍感な紫苑でも優姫の言葉が理解したのか、目を丸くしている。
竜胆は分かってない様子で蓮華は薄っすらとは分かっている顔をしている。
優姫はニッコリと笑って次にはなった言葉に全員が言葉を失う。
「はい、私が美琴君の事が恋愛感情として好きなんです」
「え」
「え」
「え」
「、、、、優姫」
キュンってなってしまった。
優姫が優しく微笑み3人に宣言したのが、美琴は何故か嬉しく思ってしまった。
だが、美琴はすぐに気づく。数秒後に訪れるであろう大きな叫びから優姫を守ろうと咄嗟に優姫の耳を塞ぐ。だがまた気づく。美琴は自分の耳を塞ぐのを忘れた事を。




