天使な婚約者との関係発覚
「なーにやってんだ、優姫」
「ぁ、美琴君。いや、これはその、タオルが取れそうになってそれで」
「別に怒ってないっての、寒いだろ?中、入れ、あとは俺がやるから」
家に帰り、リビングに入るとベランダでタオルを手に持つ優姫が視界に入った。洗濯物を取る、家事の一部をしているのを目撃しそれに気付いてない優姫に声をかければビクッと体を震わせて振り返る優姫の顔が少し可愛かった。
外からでも風が強く感じていたから、洗濯物が取れかける気持ちは分かる。
まだビュービューと風が強く吹いてリビングからでも寒いと感じる。
暖房が付いているのにこの寒さは春先なのにおかしいだろうと、少し思う。
買い物袋をキッチンテーブルに置いてベランダに出て優姫からタオルを取る。優姫の手が少し触れると冷たくて、思わず優姫の両手を自分の両手で包み込んで温める。
ブワッと優姫の顔が赤くなるのが分かる。が、それよりも冷たいのが気になる。
「優姫、何分前からベランダに居たんだ」
「、、、、10分前、ぐらいですかね」
「ほぉ、、、、説教だな」
「美琴君、怒ってないって言ったじゃないですか!」
「怒ると説教は別だ」
美琴はそんな事を言いながら、ハンガーを手に取り軽いのだけは優姫に手渡す。
せっかくの休みだからと、布団も干しておいのを思い出し、布団を引っ張る様にして両手で取って、少しバランスが崩れかける。
(ヤベッ)
目を瞑った瞬間、背中に優姫の小さな両手で支えられて、なんとか倒れる事を免れた。
布団をリビングの床に置き、他の洗濯物を置いて一息しようとした瞬間、ピーンポーンと言う音がリビングに広がった。
ビクッと体が跳ねてそれは優姫も同じ様にビックリしたのか、インターホンの方に視線を同時に向ける。
今日誰かに来る予定はなく、少し緊張感がリビングに漂う。
「誰だ?」
「今日は誰か来るとは聞いてませんが」
「とりあえず出るか」
インターホンの応答ボタンを押すと、画面に映ったのはまさかの次兄・龍介だった。ニコニコと笑っている兄を見ると先程の緊張感が何だったんだとなる。
こちらの様子が見えているから、こちらの様子が分かっているのか手を振ってる姿をイラつくよりも龍介らしいと思ってしまった。
思わず美琴の口からため息が漏れる。それを見て、優姫が微笑む。
「ヤッホ!みー君」
「ヤッホ、じゃないよ。兄さんどうしたの?」
「お見舞い品持って来た〜」
「お見舞い品、って、、、、まぁいや、上がって」
「ありがとう〜」
解錠ボタンを押して、布団や洗濯物を急いで片付けて、優姫に玄関に向かわせて玄関扉の鍵を開かせる。
布団を運んでる時に、買い物袋の存在を思い出して片付けないとアイスが溶けるからと、布団を階段の途中でかけてリビングに戻る。
買い物袋を手に取り、冷凍庫の扉を開けると玄関の扉が開く音と同時に優姫の「えっ」と言う声が耳に届いた。
中身を出したアイスの箱を潰しゴミ箱に捨てながら玄関の方に顔を向けると、優姫の背中と龍介の笑顔の姿、そして今この場に居る事がおかしい、居るはずのない人物、いや自分達が玄関扉から顔を出していた。
「、、、、竜胆、蓮華、紫苑」
「美琴、、、、」
そう、友人、友人であり親友の3人がそこに居た。
言葉が上手く紡げない、空気が良く吸えない。優姫も同じ様に体が硬直している。
竜胆が信じられないって顔をして鋭く目線をこちらに向けられているのが分かる。
何で、3人が居る。いや、それよりも見られた、優姫と一緒に居る事を。
3人とも驚き過ぎて言葉を失っているのが分かる。唯一龍介だけが事態を把握出来てない顔をしている。そもそも、何でこの家の事は言った覚えがない。
どうやってこのマンションに辿り着いたのか、そしてこの状況をどうやってどうやって対処すれば良いかを頭の中で巡らせる。
美琴はリビングを出て玄関に近づくと龍介が嬉しそうな顔をする。
「お菓子持って来たよ〜、みー君。ぁ、竜君達とはたまたまマンション下で会ったんだよ」
「そ、そうなのか」
「俺これから夜勤だからこれでおさらば!若い者同士仲良くね〜、、みー君」
「、、、、分かってる」
相変わらずの龍介の雰囲気に少し空気は良くなったと言うよりも気まずさと混ざり合い言葉に表せない空気感になった。
龍介を見送りながら、以前としてこちらに視線を向け、隣では不安の顔をさせ、服の握り震えてる優姫が視界に入って深呼吸をする。
しっかりと、この3人に向き合って伝えなければならないな、と決意をする。
「とりあえず、3人とも中に入れ」
追記:7.500PVありがとうございます!次は71、72話は6日の0時、12時投稿です。




