天使な婚約者との最大接触
「疲れた、、、、」
昼過ぎ、掃除機をかけ終えてソファにドカッと言う効果音をさせながら座る。朝から洗濯物を干し朝食を作り、お風呂とトレイ掃除、窓拭きをして昼ご飯を作り片付けをしゴミ出しをしそして今掃除機をかけ終わった所だ。
正直、疲れるは勿論だが分担せず1人でこなしていた優姫が凄いと思ってしまう。
慣れている、からとかではなく続けられるその凄さに心から尊敬の念を送りたい。
絶賛自室に居る優姫の方に視線を向け美琴は無言で尊敬の念を送っている。
側から見れば不審者だ。
「これを続けるって凄い事だな、、、、分担で少しでも疲労を分けられたら良いが」
分担だけでも量はあると感じる。
それでも毎日欠かさずこなす優姫に心から尊敬する。そんな優姫と同棲出来ている自分は幸せ者だろう。ずっとそばに居たいって気持ちはそこから来ているのかもしれない。
ふぅと体の力を抜くと欠伸が漏れる。この時間帯では学校でも欠伸は出るがいつもより疲労感は段違いだ。
リビングの匂いが妙に落ち着く。実家とも違うがだけど優しく、アレだ。部屋にある芳香剤の匂いが優姫の匂いに近いんだ。
だから落ち着くんだな。
「そう言えば優姫がリビングに居ないと少し変な感じだな」
部屋に居る事が少ない優姫は気付いたらリビングやキッチンに居て、それが当たり前だと思ったが、優姫が居ないだけでこんなに寂しいって感じるなんて変な感じだな。
優姫と居る時間が当たり前だと思って生きて来たが、いざ1人の時間をこんなに長く過ごすと美琴にとっては違和感を感じる程、美琴の中に優姫が特別になっていたのだ。
美琴はそんな事を考えながらまた欠伸をする。
ウトウトと、美琴の体が傾く。疲労感が強いせいもあるのか、いつも以上の眠気が美琴を襲っていた。
(、、、、少し昼寝、するか。起きたら洗剤、買いに)
行こう、と考える前に美琴は寝落ちした。ポスンッと言う効果音をさせソファのクッションに頭を落としてスヤスヤと眠る。
ムニュっ、と言う柔らかい感触が頬に感じて、意識がゆっくりと浮上する。
それと同時に甘い匂い鼻に届く。頭が何かに乗っかっているのが分かるがクッションでない事も分かる。手を顔付近に持って行くと柔らかい何かに手が触れ、優しく掴むとムニっと柔らかい反動が手に伝わる。
こんな柔らかいもの家にあったか?と内心思いながら妙に暖かさを感じるのは、何故と言う疑問が浮かぶ。
グリっと顔を動かすと「ふふっ」と言う可愛らしい声が上から聞こえる。
目をゆっくりと開け、視界には誰かの腹部が映る。
「、、、、これは」
「ぁ、美琴君、起きましたか?」
「ぇ、、、、」
耳に届く声が優姫だったと気付いた瞬間、目を大きく見開く。手に伝わる感触と頬に伝わる感触が誰かのだって言うのが分かった瞬間、体が固まる。
所謂、膝枕と言う事を優姫にされている。頭の中がグルグルと回りまくる。
理解すると顔が熱く感じるのが分かる。
美琴に取ってはこんなにも肌と肌が触れ合っているのが分かると何かが弾けそうな気持ちになると同時に、信じられない感情が心の奥で沸々と湧き出る感覚になっている。
それが何なのか分からないと同時に、優姫はそんな美琴の様子に不思議そうに思いながら、美琴の頭を優しく撫でる。
「、、、、美琴君、どうかなさいましたか?」
「ぁ、いや、、、その、いつからその、これを?」
「1時間前です。お茶を飲もうと降りて来たら、、それで寝にくそうだと思いまして」
「だ、だからってなぁ」
顔を真っ赤にしたまま、優姫の顔を碌に見れず文句を言おうなんてお門違いだが、それよりもこの状態が恥ずかしいが勝る。
カチカチと時計の鳴る音が静かなリビングの中で広がる。
何とか気を紛らわせようと時計に視線を向けると、16時を過ぎようとしていて、外に視線を向けると少し夕焼け空になっている。
そして、洗剤を買うと言う事を思い出して勢い良く体を起こす。
「わっ」
「す、すまん。ちょ、ちょっと買い物に行って来る!」
「、、ゎ、分かりました。お気をつけて下さい」
「あぁ」
急に美琴が起き上がった事でビックリした顔をした優姫だったが、さっきまでの赤面顔からすっかり元の調子に戻ったのを見て嬉しくなる。
優姫に見送られながら、買い物袋と財布を手に取って玄関で靴を急いで履いて家を出る。
美琴は近くのスーパーに向かい食器用洗剤と醤油とみりん、そしていつもより安くなってる鶏肉とひき肉と優姫が好きそうなバニラアイスの箱をカゴに入れて会計に向かう。
夕ご飯をどうするか、とか洗濯物入れないとだな、とかそんな事を美琴は考えながら会計を終える。
(思い切って宅配にするか)
せっかくの休みであれば特別感を感じる最後にしたら、優姫に休みの良さを分かるんじゃないかと思いながら買い物袋に商品を詰め入れる。
早く帰ろう、1人で居るのは誰だって寂しい。
優姫は結構な寂しがり屋だからな、そう思いながらスーパーを出てマンションへと帰る。
風が強く吹いて前髪が崩れる。




