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天使な婚約者は俺にだけ愛が重過ぎる (旧案:天使な婚約者は俺にだけデレデレです)  作者: 橋本衣兎
第1章

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天使な婚約者の負傷


「優姫(ゆき)、、、、!」


「美琴(みこと)君!」


 病院に着き、中に入るとエントランスの椅子で座ったいる優姫が目に入り早歩きで向かいながら名前を呼ぶと、パァッと目を輝かせて立ち上がって名前を呼んで来た。


 だがそれで捻挫した部分が痛んだのか、ストンっと椅子に逆戻りになる優姫の姿を見て精神的には元気そうで安心はするが心配になる。

 優姫の足元に視線を向けると、右足に湿布と包帯?が巻かれているのが分かった。


(怪我なんて、珍しいな、本当に)


 そばに駆け寄ると優姫のそばに居る人間、チャラそうだが芯はある20代半ばの男が視界に入りそれが誰か分かって、目を逸らしかける。のを気付かれた。


 医者なのに遠くからでも誰か分かりやすい見た目なのはどうかと思うし髪色はどうにかした方が良いだろ、何で長文を美琴は心の中で文句を垂れる。


「もうみー君目を逸らさないでよ!」


「龍介(りゅうすけ)兄さん、何で此処に」


 小児科医をしている次兄・龍介がこの病院、大病院に居るのは当たり前だが優姫のそばに居る事が謎だった。

 優姫が小児科に受診した訳ではなさそうだから、桜木(さくらぎ)家との関係を知っている内部の誰かが龍介に伝えたんだと分かるが、面倒くさいと予知する。


「一応小児科医だからね、俺!それに身内ではあるからね、看護師に教えて貰ってさ」


「美琴君が来るまで色々美琴君の昔のお話を教えて貰いました」


「、、、、余計な事言ってないよな?」


「んもぉ、信用ないな!」


「それで、捻挫は?」


 昔の美琴を教えて貰ったと言う言葉に明らかに嫌な顔をして、龍介に視線を向けるが信用ないとかの話ではなくその内容がとんでもない内容だった時のダメージが深いんだよ、と美琴は思っている。


 優姫に怪我の状態を聞くと、鞄から診断書らしき紙が入ったファイルを手渡して来た。


「診断書です。1週間ほどで治るそうですが、その間は走ったり重いものは持ってはいけないそうです」


「そうか、、、、因みに何で怪我したんだ?」


「、、、、それは、その」


「、、、、、、、、まさか」


「え?何々?お兄ちゃんの知らない話しないでよ」


 診断書に目を通しながら怪我の理由を聞けば、分かりやすく目を逸らす優姫。

 目を合わせようと同じ視線になる様にしゃがんで目線を向けると足が痛くて座ったままの優姫は観念して目を合わせる。


 龍介が分からないって顔をしているが説明は面倒いので言わないと決めた。


 そして誤魔化そうとしてる口調と雰囲気からして、優姫の怪我をした理由が分かった。

 鍋を取ろうと脚立に乗って落ち掛けた事がある。その時は美琴がだたま2階に降りていた時の事だったらから難を逃れ、その時にちゃんと怒ってちゃんと頼れと言ったのを美琴は覚えている。


 だから、ちゃんと理由を言わなかったと言う事は、優姫が上記の事をしたと言う事だ。


「、、、、ハァ、無茶するなって言ったよな?」


「、、、、はい、ごめんなさい。でも、ちゃんと取れる様に頑張ったんですが、虫が、虫が現れちゃいまして、それで」


「だからって、、、、次無茶をしたら説教だからな?」


「はい、、分かりました」


 ゴゴゴゴゴッ、と凄まじい圧を優姫に向けると相当反省しているのかショボンとしているのが目に見えて分かる。それがちょっと新鮮で可愛いと思ったが周りの患者や医療関係者からの視線だと美少女に詰め寄ってる高校生の図になってる気がしてちょっと大丈夫かとも思ってしまう。


 しゃがんで居たのを治してスッと体を姿勢を正して、診断書に再び視線を向けると、ある項目が目に入りピシッと体が固まる。

 信じられない内容が表示されていたからもある。


 この事を聞こうとしたが、それよりも先に口を挟んでくるのが龍介だった。


「んもぉ、俺なしで話するとか寂しい〜」


「2人の分かる話だからしょうがないだろ」


「それはそれで悲しいじゃんか。まぁ、みー君が可愛いから良いけど、無茶はしない様にってのは医者として言う事だけかな」


「はい、分かりました。気を付けます」


「本当か?」


「本当です!」


 相変わらずのブラコンなのか分からない龍介の反応はさておき、気を付けると言って忘れた頃にやるのが優姫だからな、ちゃんと確認はとっておく。


 本気の顔で言うから一応は信じておくが、今は怪我の方がまだ心配だ。


 龍介と別れ、美琴は優姫の手を握り病院を出る。


 まだ痛いのか右足を少し引きずって歩いている為、美琴は歩くスピードをいつも優姫と歩く時のスピードよりも下げて歩く。

 それが分かっているのか、優姫が熱を出したのかと思えるぐらい全身が真っ赤で白い白玉の肌が熟した林檎の様になっていて通り過ぎた人達は微笑ましい視線を2人に向けて行く。


「明日は学校休むんだぞ」


「、、、、え?」


 待たせておいた車の中に優姫を乗せ、自分の車に乗り発進させて、決定事項の様に言えば「休む」と言う言葉まるで聞き慣れない言葉かの様な顔をしたかと思えば理解した瞬間、ビックリした顔に変化して少し面白いと思ってしまった。


「ど、どうしてですか?」


「怪我したまま行けば歩き方でバレる可能性はある。余計に目立って話しかけてくる輩が増えてくるだろ」


「!、それって私の為に言ってくれているのですか?」


「他に誰の為に言ってるんだよ」


 正直な話、優姫の事を深く知ってからは優姫が目立つ事は少し嫌だと思えている自分が居てだが本人がそれでも平気だと言うから黙認はして来たが、今回の怪我を利用する男子生徒は必ず居る。

 それが男のサガと言うものだ。


 美琴からすれば、学校に行けば必ずしも頼まれごとをされる可能性すらある環境で怪我をしている優姫を行かせれば「良い子」気質が染み付いた優姫が引き受けてしまうのは目に見えていた。

 それを美琴は想像するだけで口角が下がる。


 優姫は休む事をあまりしようとしないのがこの約4ヶ月での経験で美琴は分かっていた。

 休みの日は周りの学校の生徒や大人達が休んでいるから自分も休むと言うかの様に、家事はしながらもちゃんと休んでは居る。


 だが平日は休むなんて言葉がないかの様に家事も勉強も完璧に行なっている姿を見ると美琴は自分が息抜き出来る相手なのを分かっているのに、休む事をしない優姫をどうしようかと考えていたのだ。


「俺も明日は休む。その代わり優姫は家事も休んで俺が全部の家事をする」


「そんな、、私の為にそんな事」


「そんな事じゃない。俺が気付くまで全部の家事してたのは優姫で今は分担してるけど1日分の家事を俺がやれば帳消しとまではいかないが、同じにはなるだろ」


「!、、、、分かりました、美琴君。休みます」


「それで良い」


 申し訳なさそうな顔をして断ろうとしたが美琴の言葉で考えを改めたのか、覚悟を決めた様なそれでいて幸せそうな顔をして了承した優姫の声を聞いて美琴は嬉しそうな顔をして頷く。


 休む事も大事だと伝えなければ、風邪を引いた時にも無理に学校に行く可能性すらあり得るぐらい真面目な性格な優姫だ。

 休む事が悪い事じゃないって教えるのもホワイトデーのお返しの一部に入れるか。


 なんて事を考えているとジーッと優姫の方から視線を感じるが自分に向けられていると言う感じではない。


「、、、、あの、美琴君その紙袋は?」


「え?、、、、ぁー、まぁアレだ、アレ」


「アレ、ってなんですか?」


 詰め寄られそうなのを何とか誤魔化して事なきを得た。

 ホワイトデーのお返しの入った紙袋を優姫に見える様に置いたのは気の緩みだったと完全に反省する。


 紙袋がデパ地下のお菓子屋の袋だと言うのは勘と言うよりも経験として分かっている優姫に誤魔化しをし続けても無駄だと分かるがなんとか今日までに中身を知られる訳にはいかないと心に深く誓いをする。


 気になっているが先ほどの事もあり深くは聞けないのがむず痒いのかムスッと頬を膨らませる優姫を見てキュンと胸が締め付けられるぐらい可愛いと思ってしまう。

 そして、モチモチ肌をツンツンしたいと言う気持ちが出て来そうなのをなんとか我慢をする。


 短時間で色んな感情が行き返りしてしていて、忙しない感情に美琴はただただ自分自身の変化の方が、ヤバいと心の中で思うのであった。


































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