天使な婚約者と帰宅
桜木家旧本邸に帰り、豪華は夕ご飯を食べ夜になり、お風呂を上がって優姫の部屋に入ると、ベランダの扉を開けて、座り込んで夜空を見上げて居た。満月と言う事もあり綺麗な景色だった。
襖を閉める音にこちらに振り返ったの優姫髪は少し濡れて居た。
夜風が肌に当たって少しブルっと寒さを感じる。
「美琴君」
「どうしたんだ?外に出て」
「、、、、昔、此処から見える夜空が好きなんです。久しぶりですし、暫くは見れる訳ではないので」
「だからって髪ちゃんと乾かしてないだろ」
「ぁ、、、、夜空に気を取られて」
「、、、、」
しょうがないな、と美琴は心の中で溢れる。
ベランダを出て置かれたタオルを手に取って優姫の頭を優しく乾かす。
それが気持ちいのかふふっと鈴のなるような笑い声を小さく漏らすのがなんとも耳心地が良かった。優姫の言う通り、このベランダから見える夜空の景色は同棲しているマンションで見える夜空とは少し違って綺麗だと感じた。
マンションの夜空も綺麗だったが、此処のは何故か落ち着く様な綺麗さがあった。
ある程度乾かし終わり、優姫の隣に座ると待ってましたと言うばかりにピトッと肩と肩をくっ付き合わせてくる。
ジワっと優姫の温もりが肌として感じれて、少し照れる。
「私、実は今回の帰省少し不安だったんです」
「不安?」
「はい、祖父母は優しい人ですし美琴君の関係を認めないと言う事は言わないとは分かってました。でも、もしかしたらって思うとどうにも。祖父母は孫の事になると少し真剣になるので」
「、、、、それは、優姫、優姫達孫が大切って事だろ?孫を大切に出来る男、女性を見極めているって事じゃないか。心配になる気持ちは少しは分かる」
不安だと思ってしまう気持ちはそれなりに分かった。
親戚や兄弟に恋人が出来るってなると、家柄もあるから大丈夫なのかって気持ちになる。
と言っても、兄2人は物心ついた所には結婚したり婚約して居たりして居たから、3番目の兄と美鈴に恋人が出来るかって思うがな。
美琴の言葉を聞いて少し安心したのか優姫の表情は安心した様な表情をしたが、まだ少し何かを抱えてる顔をして居た。
「そうですか、、、、」
「他に心配になる事があるのか?」
「いえ、次に此処に来れるのは、いつなのかなっと思ってしまって」
その言葉を聞いて少しハッとしてしまった。
優姫にとって此処はある意味で故郷で実家なのだと、10年近く過ごした家を2日3日で充分に過ごせるわけもない。
それに今回は観光も着いていた。祖父母達と過ごす時間も減っている。
そう思ってしまうのはしょうがない、そう美琴は思いながらも今優姫に返答する解答の最適解を考えながら口を開く。
「なら、また来よう。春休みは難しいかもだが夏休みとか、ゴールデンウィークも行けるだろ?」
「!、、、、美琴君、、、、どれだけ私を惚れさせる気ですかぁ!」
「そう言うつもりで言った訳じゃないんだが」
何処で惚れ直したのか分からないが、ブワッと顔を赤くしたかと思えば両手で顔を覆い俯いて少し優姫の惚れポイントが分からないと思ってしまう。
だけど、赤く照れた顔が可愛いなって思って少し耳が熱くなる。
お風呂上がりという事もあり余計に体が熱くなるのが感じる。
明日も朝早くには此処、桜木家旧本邸を出る事になっているが、眠気が照れた気持ちのせいで全く来ない。
他の事で意識を逸らすか。
「、、、、そういや、優姫って京都弁とか喋るのか?」
「え、まぁ、一応は。長く京都で生活しているのでそれなりには喋られますけど」
「ふーん、、、、」
「言いませんからね。私、あんまり京都弁得意じゃないので」
「方言に上手いも下手もあるのか?、、、、まっ、いつか聞ける様になったら良いな、だな」
「なんなんですか、それは」
京都弁を京都弁を喋られると言う新事実に少し驚きとそれを一切生活の中で出さない優姫の器用さと危機管理能力に感心さえする。
だがこの会話のおかげで、眠気が再度来て、夜空も程々にベランダから出て扉を閉め、床に敷かれた布団に寝っ転がる。
「またいつでも来るやよ、優姫ちゃん、美琴君」
「うぅ〜、また早く来るんじゃよ!優姫ちゃん、美琴ちゃん!」
「爺様、泣き過ぎ」
「お祖父様ったら、また来ますから」
次の日、朝ご飯を食べ10時過ぎになり家を出る時刻になり本邸のこの屋敷に入った大きな門の前でお別れ式みたいな事をした。
ただ優姫の祖父、ヴィクトルがとても悲しいのか泣きながら見送られるのは大袈裟だと思うと同時に、照れくさくもなった。
見送りに来た八重と祖母、薫子と優姫はそんなヴィクトルを見て笑っているから、通常運転だと言うのをこの約3日間で理解し、この3人と少しばかりだが距離感は近くなったと思う。
「美琴ちゃんが孫になるなんてワシ嬉しい!」
「ヴィクトルさんと薫子さんの孫になれるのは嬉しいですよ」
「お爺ちゃんで良いって言っとるじゃろぉ〜!」
「そうよ、名前にさん付けなんて他人行儀やないの」
「俺の事もお兄ちゃんで良いよ」
「いや、八重さんはちょっと違うじゃないですか」
お爺ちゃん、お婆ちゃん呼びなんて、実の祖父母相手にだってした事がない。言おうなんて考えた事がないし、言うのに時間はかかりそうだ。
京都駅まで迎えに来てくれた森安さんの車が門の前まで来て新幹線の時間が迫っているのが分かる。
見送りもそこそこに優姫と車に乗り込んで窓から手を振り、京都駅まで送って貰った。
スーツケースをトランクから下ろして貰い感謝を伝えると森安さんは頭を深々と頭を下げてくる。
「ありがとうございます」
「いえいえ、またお越し下さい。我々使用人は勿論、旦那様奥様がお待ちしておりますから」
「そう言われると照れるが」
「私も少し照れます」
待っている、そんな事を言われると来る気持ちはあるがそれはそれで恥ずかしさを感じる。森保さんからの見送りを応じて優姫と共に京都駅の東京行きの新幹線に乗り込む。
座席の上にスーツケースと鞄を乗せ指定席に窓側に優姫を座らせ、通路側に座る。
新幹線を乗ったら電車で最寄りの駅まで乗り、タクシーでマンションまで帰ると言う算段だ。
やっと帰れると色んな意味でホッと体の力が緩む。




