天使な婚約者と家族達との初詣
美琴達の住む地域から約30分かけて車で向かったのは県内でも有名な神社に到着すれば、やはり参拝する人達は多かった。
新年一発目だから多いとは予想していたが、大混雑とまでは行かない人数だが、人混み程度ではあった。
数十分ぐらいで人が途絶える事はなさそうだ。
駐車場に車を停めて先に降りた美琴は、動きずらい着物を着て慣れないブーツを履いた優姫が降りやすい様に手のひらを向ける、
「!、、ぁ、ありがとうございます」
「いや、危ないから掴まっとけ。人も多いし離れるかもだし」
「、、、、は、はい」
「やるじゃない、美琴」
「何が?」
「なんでもないわ」
母、美咲の言葉に不思議に思いながら問いかけると、話を逸らされた。
手のひらに置かれた小さな優姫の手の触り心地に、朝の事を少し思い出すと、顔が赤く染まる。
神社の鳥居に入ると人の多さに少し息を呑む。人と人が密集している訳ではないが、肩と肩がぶつかりやすい程度の人数であった。
こちらも気を配って歩かなければならないと思いながら、隣に居る彼女を見つめる。
「ほら、姫奈人さん1番身長高いんだから目印で1番前に歩きましょう」
「では、優華は私の隣に居てくれ」
「、、、、ゎ、分かったわ」
「あらぁ、、奏介さん、私達もします?」
「もうそんな年でもないだろう、美咲さん」
お互いの両親のイチャイチャとも思える光景に目を背けたくなった美琴と優姫が顔を背けたのがお互いに居る方向で、目がバッチリと合い美琴は気まずさを、優姫はトキメイた。
桜木夫妻を先導に手水舎をテキパキと終わらせる。
その際に着物を着てる優姫は良く目立っていたし、多くの視線が向けられていた。
着物を着てる参拝者は少なくはなく、目立たないと思ったが儚い天使系の正統派美少女が和装をすれば更に目立つなんて想像は付いていた。
美琴自身も女性からの視線を向けられている感覚はあったが、慣れているのか意識すらしていなかった。
だが、何故か優姫が面白くない、と言う様な表情をしてハンカチで手を拭きながら美琴の隣を陣取る様に近付く。
「どうした?」
「何でもないです」
ムスッとしている理由は何となくは分かるが、少しすれば治るだろうと思いながら、優姫を手を再び握ると優しくだけど離さないとでも言うかの様に握り返してきた。
参拝している列は長蛇とまではいかないが、時間を考えて先に御神籤を引こうと提案する美咲の言葉に賛同する他大人3人に何も言えず御神籤を引ける所へと向かう後に着いて行く事しか出来なかった。
「どうだった?」
「私のはえっと、吉ですね。大吉の次なので結構良いのではないでしょうか。美琴君はどうでしたか?」
「俺は、、、、小吉、下から3番目だから微妙だな」
先に引き奥で御神籤を紐に結び付けて居る両家両親を横目に、引いた御神籤の確認を一緒にする。
優姫は自身は勿論美琴の運勢も気になって居るのか、目を輝かせながら御神籤の内容を確認して居る姿が妙に可愛らしい。
彼女の視線が最初に向かったのが願い事の部分で、昨夜の事を思い出してもしかしたら、と思ったら案の定良かったのか嬉しそうに顔を向けてくる。
「ぁ、見て下さい、願い事の所は叶うでしょう、恋愛は諦めなければ叶う、です!」
「それを言われて俺はどうすれば良いんだ」
「じゃあ叶えような、とか言って下さいよ」
「言えるか、、、、俺は普通だから、、恋愛、、難はあるが順風満帆」
「、、、、どう言う意味でしょうか?」
「さぁな、、って、優姫、病気の所足元に注意せよって書いてあるぞ」
「え?ぁ、本当ですね。足元?」
嫌ではないが分かりやすく恋愛の話をされ、どう返答すれば良いかと言う恋愛偏差値が低い美琴は咄嗟に、他の部分に注目させ話を逸らす事に成功した。
恋愛感情としてまだ見れていない分もあり、そう言う話を直接されると、どう返答すれば良いか、そう言う技術を持たなかった事を此処で後悔する。
こう言う時気を効いた事や、誤魔化せれば良いのだろうが、生憎そう言う技能を持ってないと心の中で美琴は誰かに誤魔化す。
今年一年も優姫からのアプローチがあると思うと照れを感じてしまう。
御神籤をスマホで写真で撮り、神社が用意して居る用意して居る結び処で背丈に合う位置の空いて居る処で御神籤を結ぶと、隣、優姫から着物を引っ張られる。
「?何だ?」
「美琴君の隣、私の結んで下さい」
「別に良いけど、こう言うのは自分でやった方が良いんじゃないか?」
「私が美琴君の位置の所に結べると?」
「分かったからそんな目で見るな」
結びたいけど結べないんです、と言う目を向けられこれ以上言ったら怒ると察した美琴は優姫から御神籤を受け取って自身が結んだ隣に結ぶ。
結終わり美咲達の方に視線を向けると参拝の方に行こうとして居るので、優姫の手を取りその後を追う。
ビクッと少し優姫の体が反応するが、喜びでの反応だと言うのは分かっていたのでそのまま何も言わず歩く。
「母さん達何処に行ったんだよ」
参拝を終えて列を離れた所で先に参拝を終えたはずの両家両親の姿がない事に気づき、隣に居る優姫を目視で捉えながらスマホを取り出し美咲に電話をかける。
人混みもあり目視で両親達を捉えるのは難しいが、優姫の父親である姫奈人と実父である奏介の身長を考えると簡単に見つかるはずだが居ないと言う事は離れた所に居ると言う事だ。
「ダメだ、母さん出ない。誰かと通話中みたいだ」
「そうですか、、鳥居に行ってみますか?あそこでお姉様達と待ち合わせをして居るとお母様から聞きました」
「そうだな」
優姫の言葉に同意をし、鳥居を目指す。
人は減ったとは言えまだ多いと感じる。それと昼前と言う事も重なってか、家を出て行動する人が多くなって居る様にも分かる。
ギュッと手を握る力が少し強くなる。
やっとの事で鳥居に着いたが両家両親の姿はなかった。
まだ来てないのか、と思い再び電話をしようと握りしめていた手を離す。
少し寂しそうな顔をして隣に居る優姫を見ると少し罪悪感を感じる。
が、2コールで美咲が電話出てそっちに少し意識が向く。
「ぁ、出た、、、、母さん、何処に居るんだよ」
『何処って駐車場よ、忘れのしちゃったのよ』
「まさか全員?」
『そうよ、今から鳥居だけど、美琴達は?』
「俺と優姫も鳥居に居るから、早く来いよな」
ため息混じりに急かす様に言ってから電話を切った瞬間、大学生ぐらいの男達が楽しそうに話しながら優姫の隣を通り過ぎ様とした時、1人の男の膝が優姫の背中に当たりかけるのを気付き咄嗟に優姫の腰に腕を回し掴み引き寄せる。
優姫の顔が丁度、胸部分に来て何が起きたのか分からないと言う様な顔をして、顔を上げるのが可愛いと思ったが、あのままぶつかっていたら転けて怪我をしていた可能性があると少しゾッとする。
自身の状況に気付いたのか、ポポポッと効果音が聞こえそうな程沸騰してるぐらい顔が赤くなる優姫。
「きゅ、急にどうしたんですか?」
「ぶつかりかけてたぞ」
「、、、、だったら、じ、事前に言って下さい!心の準備と言うものがあるじゃないですか!」
「そっちもこっちの心の準備をしてないのに、色々してくる時あるだろ」
「それとこれは話が違うんです!」
プンプンと言う音が聞こえそうな程、怒ってるのか照れてるのか分からない顔をしながら、抗議してくる姿が可愛いな、と思ってしまう。
だが、優姫の姿を周りの男達が顔を赤くしながら見てるのは、何故か気に入らない。
優姫のこの姿を他に見られるのは何故か嫌だと思ってしまった。
この感情が何か分からず、モヤモヤと心の中で渦巻く。
「あらぁ、私達が居ない間に何イチャイチャしてるのよ」
「ゲッ、母さん」
「よっ、美琴」
「みー君、久しぶりぃ」
「みこ、久しぶり」
「美琴兄様、お久しぶりです」
「兄さん達、美鈴」
「優姫、久しぶり」
「優姫ちゃん、久しぶりね」
「優姫、久しぶり」
「お姉様、お兄様」
鳥居に来た美咲の声を聞いて、振り返ると口元に手を添えて微笑ましそうにだが面白そうなものを観てる顔をしてこちらを眺めてくる美咲を見て美琴はゲンナリする。
だがそれよりも、美咲の背後に奏介、優華、姫奈人、そして美琴兄3人と弟の美鈴、優姫の姉2人と兄1人が居たのを見て強い事は言えなかった。
頭を掻きながら真ん前に居る優姫を見ると、さっきまで顔が赤かったのに、いつもの顔色に戻って流石、演技力の高さに圧巻する。
何故か優姫の上の姉であろう方が赤ん坊を抱っこしたまま、こちらを目だけが笑ってない笑顔を向けてくるのは本当に疑問しかない。
4.000PVありがとうございます!
まだならないかな、と思ってましたが見たらなっていてビックリしました。
これからもよろしくお願いします!




