天使な婚約者は最強である
ローズホテルの最上階、スイーツフェアをしているフロアに付き入り口を入ると店員の格好をした1人の男が美琴の姿を見て姿勢良く向かい頭を下げ挨拶をする。
「いらっしゃいませ、、、、井原美琴様ですね、オーナーからお伺いしております」
「そう、、はい、チケット」
「はい。2名分のチケットの確認が取れました。ではご案内をさせていただきます」
スマホに映し出された叔父から送られたチケットの画面を見せ確認すると、予約していたであろう席に案内をする。
その様子に慣れている美琴と同じく慣れている優姫は店内の雰囲気に呑まれない圧巻の美しさを保ちながら店内に足を踏み込み、席へと座る。
店員に飲み物を頼んでおき、店員は一礼して立ち去ってスイーツが置かれてる場所を見ると老若男女の様々な年代の人達が居た。
経営側としては嬉しい限りだなと美琴は思う。
だが、優姫の方に視線を向けると、緊張しているのが表情に出ている。
「緊張するんだな」
「し、しますよ、一応。数年ぶりですし初めての場所には誰だって緊張はしますでしょ」
「それはそうだな。まぁ、俺が居るし安心すれば?」
「!、、、、ですね。さっ、スイーツフェアを楽しみましょう」
「だな」
励ましたの言葉を言えば安心した様な嬉しそうな表情をして、席にカバンを置いてスイーツを取りに行く彼女の後ろを追う様にウエストバックを椅子に置き歩き出す。
ルンルンしながら皿を手にしてスイーツを見ている優姫の姿を見れば美琴も嬉しくなって、普段は取らないスイーツを取ったりしてしまう。
だが皿を見るとチョコ系のスイーツしか乗っておらず、冒険をしてないなぁ、と思っていると彼女が近づいて来る。
「ぉ、沢山取ったな」
「はい。流石と言いますが、フルーツを使ったスイーツが沢山あって、選びたい放題ですが、悩んでしまいします」
「それは確かに。まぁ困ったら半分こすれば良いしな」
「ですね!」
ニコニコしながら返答する彼女を見るとキュンと来るが、今朝の事もあり平静を保てれる様になったが、無意識にさくらんぼのスイーツを皿に入れていたのに気づいた時は彼女に意識をし過ぎだなっと、美琴は自分自身に引いてしまった。
そして今回のスイーツフェアのメインである苺が使われたスイーツコーナーには人が多く、取るのが困難で、行きたそうにしているが我慢した表情をしている彼女を横目に自分の皿を手渡して新しい皿を手に人集りに入って行く。
「!美琴君」
「すぐ戻る」
慣れた手つきで人混みを掻き分け、全種類の苺のスイーツを2個ずつ皿に置き優姫の元へと戻る手捌きは只者ではなかった。
一連の行動を見た優姫はビックリしながらも、食べたかったスイーツが目の前にあると言う事に目を輝かせながら何から言えば良いのか悩む顔をする。
それを見ながら美琴は手早く彼女に持たせた自分の皿を手に取って口を開く。
「あぁ言う人集りには慣れてるし、あぁ言うのは俺がやればお前は我慢しなくて良いだろ」
「、、、、ありがとうございます、美琴君。大好きです、結婚して下さい」
「ぎぇ、、、、、、、、何言ってんだ」
「なんか言いたくなりました」
「場所を考えてくれ、頼むから。席に戻るぞ」
「、、、、はい、美琴君」
優姫からの唐突な大好きとプロポーズに言葉を発する器官から信じられない声が出てなんとか冷静を保ちながら背を向け席に戻る。
が、耳が熱いと言う事は赤いと言う事、背を向けていても後ろにいる優姫からは明らかに見える距離と位置にあると言う事はだ。
そうなれば照れていると居る事が伝わっているって事になる。
そんな事が脳内再生されてテーブルに2皿を置くが椅子に座れば彼女がしている表情が頭の中で容易にイメージ可能で、座りたくないと言う気持ちが強いが、今居る場所が叔父そして井原家系列の会社となれば変な事は出来ないので渋々椅子に座るのであった。
「、、、、」
「美琴君って照れるの隠したいタイプなんですか?」
「当たり前だろ。カッコ悪いだろ、普通に」
「私はどんな美琴君でも好きですし、愛せますよ?」
何気なく言ってる様な微笑みながら言われると体が硬直して、顔が熱く感じ赤くなっているのが分かる美琴は、店員が持って来たホットコーヒーを飲んで冷静になろうと思ったが暑さで冷静になれず選択を誤ったと後悔するが今更遅い。
それを察しているのか優姫はニコニコと見つめて来て余計に顔が熱く感じるのにさえ恥ずかしくなりながら、重く閉じていた口を開く。
「、、、、、、、、普段の大人っぽいお前は何処に行ったんだ」
「失礼ですね、これが素の私なので」
「そんなのは分かってるよ」
「それに私は言いましたよ?アプローチをすると、好きな人に好きって伝えるのは迷惑ではないんですよね?」
そう言われて仕舞えばそうなのだ。
彼女からのアプローチなどに関して嫌悪感など嫌だとは思った事がないとが災いしたのだろう調子には乗ってないがちゃんとアプローチはしてくるし好意だって向けると言うある意味恋愛優等生の行動を取ってくる彼女。
何故か天使である彼女、桜木優姫からの好意には嫌悪感を感じた事がないがそれが彼女だからなのか天使だからなのか婚約者だからなのかは全くと言って良いほど分かっていない。
が、過去の自分の言葉に後悔は感じている、
「、、、、過去の自分を殴りたい」
「酷いですね」
「と言うか、ちょっと意地悪だな、それも素か?」
「さぁ、それはどうでしょうか。さっ、スイーツ食べましょう、美琴君」
「そうだな」
笑顔で話を逸らしてフォークを片手に言う優姫の顔を見ると拒否は出来ず、フォークを手に取る事しか出来なかった。
美人の顔には弱い、なんて聞くが彼女に見つめられると何故か弱くなってしまうのは元からの性格じゃなくて彼女が最強だからだと思う事で無理矢理納得させた。
ガナッシュサンドクッキーを口に含めばチョコが口全体に広がって表情が緩むのが分かる。
やはり好きなものになると分かりやすい表情になると言う事は多少は自覚しているらしい。




