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陽光

 最近また一つ駅を通過した。


 名前は『ナーフ』と言うのだと胡乃葉が教えてくれた。


 何故駅の名前を――今回に限っては通過した駅にもかかわらず――知っているのかと俺は胡乃葉に訊いてみた。そしたらこんな答えが返ってきた。『アナウンスがあったからね』と。前にも同じことを訊いて同じような返答が返ってきたような憶えがある。


 ここまで沢山の駅を通過または停車してきた。それでもこの列車は一向に目的地に着く素振りを見せない。というか、目的地なんてあるのだろうか。仮に目的地がないのであれば、この列車は一体何故運行を続けているのだろうか。ここが死後と現世の狭間の世界であるということは勿論分かっている。それを理解しているからこそ、この世界とは一体なんなんだ? という疑問が尽きないのだ……。


 存在意義がない世界など、存在しない――。


 あと、結局あの胡乃葉の猫化はなんだったんだろうな。胡乃葉とセックスして、そして猫化した胡乃葉に襲われてから時間にして一ヶ月くらいは経ったんじゃないだろうか。結局、あの猫化を最後に俺達は深い接触というか、混じり合いは勿論のこと胡乃葉が猫化したこともない。一ヶ月経てばもう普通に戻ったと言っても問題はないだろう。


 でも……その一ヶ月という期間もただ俺が体感から導き出した日数で、本当の時間の流れなんてこの列車内(アイリッシュ)じゃ誰も分からない。もしかしたら、時間なんてものはなくただ因果が存在するだけで、実際は今日という一日を、今という瞬間をただ繰り返しているのではないかと思ってしまうほどだ。


 そのくらい、列車内(ここ)にいると時間の流れを感じられない。

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