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悲しみの湖畔⑥
――――こうして過去を振り返ると、自分達の関係性というのはとても歪なものだと思える。
自分はまるで何かに憑依をされるかのように本性が理性を凌駕し、表層のコントロール権を徐々に失っていく――そんな体験を幾度となく体験した。自分とアズサにとっては、この自分の暴走とも呼べるような行為はまあたまにある事であり、セックスなんて大抵そのような理性の喪失、本性の顕在が起こるときにする行為であるとも言える。
自分にはそのような憑依が幾度となく襲来した。それはこうして記憶を完璧に取り戻した今も、変わってはいない。いいや完璧に記憶を取り戻したからこそ、そのような疼きは身体に確かに染みついていることを窺う事が出来る。
自分は意識をフォーカスさせ記憶を追体験することを辞めようかと思ったが、続けることにした。次はどんな記憶にフォーカスしようか、そんな事を考えながら、アズサの口の中の温かさと気持ち良さを今一度思い返すと、少しだけ微笑を浮かべながら勃起をした。




