Garden
その答えというのは、その選択を迫られた一週間前からもう既に決まっていた。決まっても尚、この一週間の間にその事について考えなかった日は存在しない。
深夜二時頃の、人の匂いが消え失せ真夜中の欲望の香りだけが漂う列車内の自室で、自分は静かにノートパソコンを開いた。あの日からちょうど一週間経ったのか――自分は、何回も何回も自分が取る選択が間違っていないことを確かめたこの一週間を思い返しながらそう思った。
そして今も、現在進行形で自分の取る選択が間違っていないことを反芻する。自分の気持ちは確かに高揚していた。目の前のノートパソコンの中に存在しているであろう自分の〝記憶の断片〟に、驚くほど強く気持ちが昂っていた。隣で眠っている胡乃葉を起こさぬように昂っている気持ちを若干抑えつつ、自分はノートパソコンを開き、ファイルの一覧を閲覧した。
そこにちゃんとあった。一週間前、ベラトリックスが自分に約束した通り、自分の〝記憶の断片〟と思わしき新しいファイルがちゃんとそこに存在していた。気持ちの高揚が最高潮にまで至る瞬間と同時に、自分はそのファイルを開いた。
その瞬間、眩い光りが部屋全体を包み込んだ。現実と非現実が混在していく中、意識は混濁を覚え次第に薄れていきながら、自分は確かに自分の記憶を取り戻す為の第一歩を今、進み出したことを体感した。




